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販売員の環境に配慮する「メルボ」の働き方改革

 オーダースーツ専門店の「麻布テーラー」などを展開するメルボ紳士服は、大手紳士服メーカーによるオーダースーツ市場への参入が相次ぐ中でも、他を寄せ付けない存在感を堅持している。理由の一つは、徹底した販売員の育成だ。同社の清水貞博・副社長は、「販売員が命」ともいうべきオーダースーツ界ゆえ、社員の働きやすい環境作りを目指し、新たな制度を次々と導入している。

 3年前からは選ばれた社員を対象に1カ月の自主出勤制度を導入した。これは研修費50万円を受け取り、自由に研修旅行ができるというもの。制度を利用した社員はこれまで、市場視察などを目的に東南アジアなどへの研修旅行に赴いた。また奨学金の一部を負担する返済制度の他、資格取得者への報奨金、社員へのユニホームとしてのオーダースーツの支給なども積極的。販売員には年に3回以上、5日以上の連休を取得することも推奨する。この結果に新入社員も年々増え、オーダー市場では珍しく女性販売員の比率もアップした。

 昨年8月には、「ディッキーズ(DICKIES)」とフランチャイズ契約を結び、メルボ紳士服が関西に「ディッキーズ」の路面店をオープンした。販売員に、同社のスーツ事業以外のキャリアプランを選択する余地を与える考えだ。さらに店舗は週一で定休日を設定する。清水副社長は店舗のオープン時、「販売員の休みをシフト制にしても店自体が運営していると売り上げが気になったり、メールの返信やクレーム対応など休日なのに仕事を手放せない状況が出てくる。小売業として販売員が働きやすい環境を作るべきであり、路面店であれば定休も可能と判断した。そういった思いに共感してもらえたからこそ、『ディッキーズ』とは契約することができた」と話している。今後も時代に合わせ働きやすい環境を目指す。