京都西陣織の細尾はこのほど温室効果ガスの削減目標において科学的根拠に基づくことを証明する国際的な環境イニシアチブSBT(Science Based Targets)認定を取得した。2030年度までにスコープ1&2において23年度比で42%削減することを目標とする。
細尾は気候変動対策を重要な経営課題と捉え、持続可能な社会の実現に向けて、現在5つの施策を進めている。1つ目は再生エネルギーの導入だ。本社、旗艦店、ギャラリー、カフェラウンジ及び全ての自社工房において使用する電力の100%を再生可能エネルギー由来の電力へと25年6月時点で全て切り替えた。2つ目はエネルギー使用量の定期的なモニタリングと改善施策の実施。3つ目は社内委員会を発足し、役員及び社員による定期的な実態確認および社内共有の実施。4つ目は事業用車両に電気自動車の導入を検討する。5つ目は段階的にLEDへ切り替え照明を効率化する。
細尾は「西陣織の伝統を守りながらも、持続可能な未来に向けて進化し続けることを企業の責任と考えている。SBT認定を契機に、伝統工芸の未来と地球環境の両立を目指す」とコメントを発表した。
細尾は24年に新たに定義された中小企業版SBTを活用。30年を目標年とし、目標レベルはスコープ1&2において年4.2%以上の削減が求められる。一方スコープ3の数値目標はなく、算定削減の意志表示が求められる。