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池田エライザ × 倉悠貴 映画「リライト」対談——「表現者としての想い」と「ギャルマインドのススメ」

PROFILE: 左:倉悠貴/俳優 右:池田エライザ/俳優

PROFILE: (いけだ・えらいざ)1996年4月16日生まれ、福岡県出身。2011年に「高校デビュー」にて俳優デビュー。主な出演作に「ルームロンダリング」(18)、「貞子」(19)、「FOLLOWERS」(20)、「騙し絵の牙」(21)、「真夜中乙女戦争」(22)、「おまえの罪を自白しろ」(23)、「地面師たち」(24)、「海に眠るダイヤモンド」(24)などがある。映画監督として「夏、至るころ」(20)と、「MIRRORLIAR FILMS」(22)の「Good night PHOENIX」を手掛けた。21年8月より、ELAIZA名義で音楽活動を開始。 (くら・ゆうき)1999年12月19日生まれ、大阪府出身。池田エライザの監督作「夏、至るころ」(20)で映画初出演にして初主演。映画主演作は「スパゲティコード・ラブ」(21)、「衝動」(21)、「こいびとのみつけかた」(23)、「OUT」(23)など。24年の出演作は「傲慢と善良」、「赤羽骨子のボディガード」、「六人の嘘つきな大学生」、「透明なわたしたち」、「SHOGUN 将軍」と多数。25年は「アイシー〜瞬間記憶捜査・柊班〜」、「ガンニバル シーズン2」などのドラマに出演。

映画「ちょっと思い出しただけ」(2022年)や「不死身ラヴァーズ」(24年)などの映画作品や、テレビドラマ、舞台、小説など、メディアを問わず精力的に表現活動を続ける松居大悟監督。彼が「師匠」と尊敬する、ヨーロッパ企画の上田誠と初タッグを組んだ映画「リライト」が6月13日に劇場公開される。

夏の尾道を舞台に繰り広げられる“タイムリープ×青春ミステリ”で、主人公の美雪を演じているのは池田エライザ。クラスメイトの茂を演じる倉悠貴は、池田の初監督映画「夏、至るころ」(20年)で主人公に抜擢されてスクリーンデビューした関係にある。「リライト」で俳優として初共演を果たした2人の対談から、表現者としてのそれぞれの現在地を探る。

映画「夏、至るころ」から
俳優初共演まで

——「リライト」でクラスメイト役を演じると知ったときの、率直な心境を教えてください。

倉悠貴(以下、倉):エライザさんは僕が初めて出た映画(2020年「夏、至るころ」)の監督なので、僕にとって「映画といえば池田エライザ」なんです。言ってしまえば恩師というか、師匠のような存在です。あれから5、6年が経った後に俳優として会うのは緊張しましたし、プレッシャーがありました。まるで「現場に監督が2人いる」ような。でも、実際に(現場に)入ったらそんなことはなくて。

池田エライザ(以下、池田):(俳優で呼ばれた現場で、他の俳優に)演出しないです(笑)。

——倉さんは、松居監督のOKが出ても、つい池田さんの方を見てしまっていたそうですね(笑)。

池田:やりづらいだろうな、かわいそうだな、とは思いました(笑)。でも、こういう形での巡り合わせが不思議だし、いち俳優としても、すてきな形で話題になっている作品に出ている倉君が、「リライト」に出てくれることがうれしかったです。

倉:僕ももちろんうれしかったです。エライザさんは「自由にやりなさい」という感じでいてくれて、すごくやりやすかったです。思い切ってやれました。でも、「成長した姿を見せられるかな」という、役とは別のところでの緊張感がありました。

——池田さんは倉さんの成長を感じましたか?

池田:きっと成長しているだろうなとは感じますけど、私自身が人の成長を語れるほどお芝居が上手じゃないので。(倉に向かって)そもそも、すてきじゃないと抜てきしないから。主演に選ぶって相当な覚悟が必要なことだし。正直、「夏、至るころ」はキャスティングにすごく難航していて。感情の機微や行間を細かく描かなければいけなかったので。きっとみんな上手にやれるだろうけど、誰がハマるだろうかと考えていたときに、倉君の資料を見て。それで、主演にするつもりで倉君を呼んだのに、なぜかオーディションという形になっていて。

倉:はい、そう聞いていました。

池田:そこで初めてお芝居を見させてもらったときから、「やりたいこと」と「やっちゃいけないこと」の判断がすごく上手にできる人だなと思っていました。上手に思われたいけど、素直だから、どうしても素直な表情が出てしまう。そのバランスがすごくよかった。それは素質もあると思うので、最初から「大丈夫っしょ!」と安心していました。

——倉さんにとって「夏、至るころ」はどんな体験でしたか?

倉:初めての映画で、しかも主演ということで、僕の中では「夏、至るころ」の現場が映画なんだな、というのが一つあります。主演だったけど、自分が主演だと思うこともなくやっていました。何も分からなかったので、一生懸命やっていたら、周りの人たちが温かく背中を押してくれて。いい現場だったし、いい作品になりました。俳優として、素直に、真面目に、自分ができることをパーツの一つとしてやる。それを「夏、至るころ」の現場から学びましたし、今でも自分の中で大切にしています。

池田:上手だったよ。倉君は首の関節が柔らかくて、個人的にはそれを見るのがすごく面白かった。首、よく動くよね。

倉:そうなんです。勝手に動いちゃうんです。頷きとかがやたら多くて。今回も松居監督に「不思議な芝居するよね、倉君て」と言われました。同窓会が始まるときのシーンで、茂が盛り上げなきゃというところで、動揺して首が動いちゃってました(苦笑)。

——「夏、至るころ」から今回の再会に至るまで、お互いの動向をどうご覧になっていましたか?

倉:エライザさんは常に第一線で活躍されているので、テレビや映画でお見かけするたびに、「すごい人が監督だったんだな」と思っていました。

池田:私は(倉君が)うらやましかったです。「この子はすぐに波に乗るだろうな」とは思っていたけれど、あまりにも早く海外にドーンと行ったので、「引っ張りだこじゃーん」と思って。私はずっと映画をやってきて、連ドラの勉強もちゃんとしたいなと思って連ドラもやり始めた時期で。でもふと映画畑を振り返ると(映画に出ている俳優が)うらやましくなってしまったり。でも連ドラで勉強になることもたくさんあるし。そういう期間だったので、「いいなあ~」と思っていました。

割と陰キャな2人

——今回の「リライト」の撮影は、2年前の夏に広島県の尾道市で行われました。どのような記憶として残っていますか?

池田:学生(役の俳優)たちがすごくエンジョイしてたよね? 同窓会の2次会の撮影で使ったスナックに飲みに行ったり、自転車を借りたり。その話を聞いて、私と(橋本)愛ちゃんは「いいな~」とうらやましく思っていました。

倉:撮休日にレンタカーを借りて、香川まで行ったりしてました。

池田:そんなに遠出してたの!?

倉:実はしてました(笑)。

池田:でもそうだよね、地方ロケの撮休はどこかへ行くよね。私もアウトレットに行ったし(笑)。

——香川にはどのメンバーで行ったんですか?

倉:僕は香川には行けなかったんですけど、森田想さんと大関れいかさんとよく遊んでいて。尾道の島にみんなでドライブして、夕焼けを見て帰ってきたこともありました。

池田:エモい〜! 私はその頃、旦那(篠原篤)さんとのシーンを撮っていました。旦那と松居さんと私の福岡県民3人で、「福岡あるある」を言い合いながら(笑)。

倉:撮休にシネマ尾道にも行きました。次の主演映画を上映してもらうことになったので、「よろしくお願いします」とあいさつして、てぬぐいを買って帰りました。そうですね、めちゃくちゃエンジョイしました。

池田:それが(映画にとって)よかった。クラスのシーンの段取りが円滑で。多分誰が誰と目を合わせても怖くない状態でした。

倉:そうですね。だからすごくお芝居をやりやすい雰囲気にはなったのかなと思います。チームプレーでした。

——倉さんは茂の役柄に自分を重ねて、クラスメイトの俳優たちを引っ張っていましたか?

倉:初めはそうなろうと思っていました。みんなに積極的に話しかけて、中心人物のようにいたかったんですけど、やっぱり無理でした……。(前田)旺志郎君とかがハイなテンションでくるので、このメンツの中での中心人物はきついです。僕とエライザさんは割と陰キャというか、静かなタイプなので。

池田:私は人がたくさんいる部屋から消えるタイプです。廊下で「今日は風があるね」みたいな(笑)。

倉:(池田が演じた)美雪と同じタイプですよね。

池田:そうそうそう。倉君は頑張ってたね。茂は、倉君のパーソナルとはかけ離れた役だと思うんです。そういう役に対峙するときって、私もそうだけど、「自分は本来そういう人じゃないです」「そんなに体が機敏に動かないし、どうやったらいいんだろう?」と思いがちで。そこで倉くんは「こういう人はこういう動き方をするよね」という偏見も含めて茂という役を理解した上で、役柄に真摯に立ち向かって、自分の役割を全うしようとしていて、相変わらず健気だなと思いました。

——「健気」という表現に愛情を感じます。

池田:そうですね。監督の立場で出会ったから、健気さはずっと感じてしまいます。「頑張ってて偉い! 普段しょんぼりしてるのにね」って。

倉:現場が終わったら反省はします。

池田:いつも反省してるよね。

不定期で、面白い形で会える関係性

——倉さんから見て、池田さんに変化はありましたか?

倉:ないです。

——即答!

池田:(笑)

倉:23歳のときからずっとこうでした。ちょっと浮世離れしている感じ。3つぐらいしか年が離れていないのに、十何個上ぐらいの達観した感じがあって、それが今も続いている感じです。

池田:やっと(自分の年齢に)違和感がなくなってきました。

倉:エライザさんと話すときは、「何を思われてるのかな」とか考えます。

池田:何も考えてないよ。「グミ食べたいな」とかだよ(笑)。私はギャルを目指してるんで。

倉:ギャルですか!

池田:結構ギャルになってきたよ。いいよ、ギャル。

倉:本当ですか。

池田:「ギャルマインド」を心に飼っておくと、正義感が生まれる。全然死なないくせに「死ぬ」とか言ったりするけど、それでいいんだなって。

倉:気持ちがふっと軽くなる感じですか?

池田:考えすぎて苦しくなっちゃう性格だから、そのマインドがあるだけで、すごく人に優しくなれる。だから私は今、ギャルになろうとあがいています(笑)。

——真面目に(笑)。

倉:大切な気がします。「まぁいっか」みたいな心の持ち方。

池田:大切だし、倉君にもおすすめだよ。ギャルマインドか、沖縄の「なんくるないさ」。

倉:ちょっと沖縄行ってきます(笑)。

池田:すっごい楽になる。

——お2人をつなぐものや、共有しているものはありますか?

池田:(倉に)また共演できたらいいね。

倉:はい。

池田:これが、つなぐものだと思います。次はどんな形で会うのかが楽しみ。もしかしたら歌番組に一緒に出ているかもしれないですし。

倉:無理です(笑)。

池田:分かんないじゃん! バンドマンの役が来て、めっちゃ練習して、歌番組に出ることってあるじゃない?

倉:また池田組に参加させてもらうかもしれないし。

池田:そこで助監督をやってるかもしれない(笑)。

倉:確かに(笑)。もしかしたら倉組が発足してるかもしれないし。

池田:そうやって変化していくことを楽しんでいく。過干渉ではなく、不定期で、面白い形で会える関係というのは、いいなと思います。

倉:確かに。いい距離感ですよね。

俳優以外の創作活動

——池田さんは幼い頃に小説を書きたいと思っていたそうですが、倉さんは俳優業以外での表現活動はしていますか?

倉:陶芸をやっています。すごくつらい時期があって。何もしたくなかったんですけど、友人が「北に行こう」と誘ってくれて、何の目的も決めずにドライブに行きました。旅の途中で「何かやってみる?」「陶芸やってみたい」となって、近くにあった陶芸の工房に連絡したら「いいよ」と言ってくれて。今もそこにちょくちょく通って、コップ、茶碗、ちょっとしたお香立てとか、いろいろ作っています。

——陶芸をするとどんな気持ちになるのでしょうか。

倉:初めて工房に行ったとき、土を見て泣きそうになったんです。粘土をこねていると、土と向き合っているようで向き合っていないというか、無心になれる。すごく気持ちが軽くなるので、僕に合っているなと思います。毎回、仕上がりもすごくいいんですよ。あと、先生が怖くて。おじいちゃんが怒ってくるんです。

池田:へえ~!

倉:「違うって言ってるでしょ!」って。大人になってから怒られることが減ったので、心地いいです。愛があって。

池田:大切だね。

——いつか作品展をやってみたいと思いますか?

倉:全然ないです。趣味なので。

——売ろう、とかもない?

倉:ないです! 自分のものにしておきたいです。

——人に見てもらいたい、人に使ってもらいたいとは限らないんですね。

池田:我々の仕事は、趣味や好きでやっていることを追求していくうちに、発信につながっていくことがありますよね。私も幼い頃、文字を書いていたら止まらなかったんです。ノートの白いところを埋めたくて、罫線のところが埋まったら、余白にも文字を書く。「作文を3枚書いてください」と言われたら、止まらなくて30枚ぐらい書いてしまう。ただただ好きで、衝動で書いていたら、周りから「この子は小説家になるんだろうね」と言われるようになって、「小説家になりたい」と思うようになりました。陶芸もやってくうちに、そんなつもりなくても、いつか何かあるかもしれないよね。

倉:はい。

——本人はやりたいからやっているだけで、「小説家」「陶芸家」と肩書きをつけるのは周りかもしれない。

池田:そうですね。タイミングとご縁だと思います。

——池田さんの小説に対する表現欲求は、現状でどうなっていますか?

池田:文章を書くことに関しては、今は「脚本」という形式の心地良さを楽しんでいます。シナハンに行ってト書きを書くという行為が、あまりにも気持ちが良くて。今もちょっとやりたいことがあるので、今年シナハンに行けたらいいなと思っています。その後、プロットを組み立てて、第一稿に取り掛かりたいです。

倉:エライザさんの作品、見たいです。

池田:でも、作品を作るとなるとお芝居を休まなきゃいけなくなるんですよね。来年30歳というところで、もう少し表でお芝居をやってから作る方に行った方がいいのか、すごく葛藤しています。まあでも、やりたいときにやればいいかなとも思います。そうやって生きてきたじゃんって。

倉:これがギャルマインドですか。

——確かに! 倉さんは映画やドラマなどの映像作品に、俳優以外の形で参加したいですか?

倉:僕、友達と自主映画をやったりするんで、それはあります。最近関わったのは「ROPE」という長編映画です(7月25日公開)。主演(樹)と監督(八木伶音)が友達で。2人が100万円ぐらい貯めて、「よし映画撮ろう」となったので、俳優部で参加しました。技術部や俳優部の友達を集めたんですけど、人が少ないので、僕も照明を持ったりしました。やっぱり好きなんです、僕。そういう映画の現場が。仲間内だけで作ることってなかなかないし、いろいろな部署へのリスペクトもどんどん出てくるので、機会があれば俳優部にこだわらず、何かしらの形でやりたいです。

——皆さん衝動で動いているのでしょうか。「こういうエンタメがあったらいいよね」という理屈や計算ではなく。

倉:僕らは本当に、ただやりたいからやっているだけです。そういう作品には「観たい」と思わせるパワーがある気がします。

池田:松居監督にもそれはすごく感じるよね。

倉:創作意欲があふれているなと思います。

池田:どんどん作るから、待機作が多すぎる(笑)。

日本の映画で海外へ挑戦

——今後、「こういう作品を作っていきたい」というビジョンや理想はありますか?

池田:私は母のカトリックと父の仏教という2つの宗教の間で育ってきて、共通する大切な教えは人助けをすることです。でも、この俳優というお仕事が、人助けにはすごく遠回りだなと思うことも多いんです。(映画やドラマで描く)物語によっては、一度傷つけてから相手に学びを与えようとしているのではないかと思うこともありますし。だったら自分から出向いて、直接話を聞いて、助けた方が早いんじゃないかと、長い期間葛藤していました。でも、自分が何のプロフェッショナルなのか、何を積み上げてきたのかを考えると、やっぱり俳優なんですよね。だったらこの仕事の中で、より手っ取り早く人助けにつながることを模索する方が斬新だし、ぶれていないし、いいんじゃないかなという結論に至りました。直接的な支援をするにもお金を稼がなきゃいけないし、もっともっと人の気持ちが理解できるようにならないといけない。人助けと女優の仕事は、それぞれを突き詰めたら合流すると思ったので、既存のやり方にハマろうとせずに、人助けをしようと思いながらこの仕事の中で動いていきたいと思っています。

——ありがとうございます。倉さんはいかがでしょうか。

倉:海外に行く日本映画が少ない状況を、すごくもったいないなと思っています。韓国映画が海外で賞を獲るけれど、制作費はそんなに変わらなくて。変わる作品ももちろんありますけど、オスカーを獲るような作品でも、インディーズ映画は多分30億、40億円で撮っているので、日本もできなくはないはずなんです。でも日本では、国内だけで映画というものを消費して、外に売り出していかない気がしています。そこにいろいろな事情があるのは分かっているんですけど、すごくもったいないと思います。俳優が海外に挑戦するのは最近よくある話ですけど、日本の作品が海外に出ていって、もっと評価されるようになったらうれしいなと思っています。

——自分が海外で顔と名前を売って、その一助になりたいと思いますか?

倉:それをやっているのが真田広之さんなんですけど、これからは若い世代もやっていくことになると思います。そういう考えの人が集まって作品を撮っていくようになればいいんじゃないかなと、僕は思っています。

池田:飲みながら語るだけ、はやめようね。

倉:だめです。ちゃんと企画書を書かないと。

お気に入りの夏映画は
「アフターサン」と「夏の庭 The Friends」

——「リライト」も「夏、至るころ」も夏の映画です。ということで、お2人の好きな夏映画をお聞きしたいです。

倉:僕は「アフターサン」(22年)という映画がすごく好きです。夏休みの娘と父の話です。昨年観た映画で一番心に来ました。家で、DVDで見たんですけど、最初は「なんか退屈な映画だな」と思っていました。 おしゃれで、映像として格好いいけど、割とぼんやり時間が流れるような映画だと思います。でも、最後の方で、気づいたら泣いていて。あまりない経験でした。20代の自分はこう感じたけれど、子供ができてからまた改めて見たら違う感じ方になるんだろうな、と思える映画でした。

池田:私は「夏の庭 The Friends」(94年)が大好きです。相米慎二監督にはものすごく影響を受けています。どう言えばいいか分からないけれど、子供たちの細かい空気感にものすごくこだわるのに、雨降らしの奥で全然雨が降ってないとか、そういう加減に「あ、人が作ってるんだ」ということを感じます。あと、演出の面倒くささ。夕日を待つとか、朝日を待つとか、私は怖いからできないけれど、相米さんは待つんです。段取りだけで1日終わる日もあるんです。私はそれはできないけれど、なぜそれをしようとしたんだろう? と気にしながらメイキングも見ました。

——初めて観たときから、そういう視点でしたか?

池田:「夏の庭」はもともと小説が好きで、小学生のときに図書室で読んでいて。おじいちゃんの家でいけないことをしている感じが好きでした。相米さんの映画を見たのは18歳だったと思います。映画を見ることで、自分のDNAになっていくような喜びがありました。

——「いけないこと」で、相米監督の「台風クラブ」(85年)を思い出しました。あれも夏の映画ですよね。

池田:ですね。相米さんの「お引越し」(93年)も大好きです。

PHOTOS:TAMEKI OSHIRO
STYLING:[ERAIZA IKEDA]MISAKI TAKAHASHI(Sadalsuud)、[YUKI KURA]kawase136 (afnormal)
HAIR&MAKEUP:[ERAIZA IKEDA]KEN NAGASAKA、[YUKI KURA]NOBUKIYO

[ERAIZA IKEDA]ジレ 18万5900円、デニムパンツ 15万円、ボールチェーンネックレス19万9000円、モチーフ付きネックレス 12万7000円/全て アン ドゥムルメステール(M 03-6721-0406)、リング 11万7700円/シャルロット シェネ(エドストローム オフィス03-6427-5901)、キャミソール/スタイリスト私物 [YUKI KURA]レザージャケット 35万5300円、パンツ 6万6000円、靴 12万8700円/全てアワー レガシー(エドストローム オフィス 03-6427-5901)、その他/スタイリスト私物

映画「リライト」

■映画「リライト」
出演:池田エライザ、阿達 慶、久保田紗友、倉 悠貴、山谷花純、大関れいか、森田 想、福永朱梨、若林元太、池田永吉、晃平、八条院蔵人
篠原 篤、前田旺志郎、長田庄平(チョコレートプラネット)、マキタスポーツ、町田マリー、津田寛治、尾美としのり、石田ひかり、橋本 愛
監督:松居大悟
脚本:上田 誠
原作:法条 遥 「リライト」(ハヤカワ文庫)
主題歌:Rin音「scenario」
音楽:森優太
製作・配給:バンダイナムコフィルムワークス
©2025「リライト」製作委員会
https://rewrite-movie.jp

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