YKKは4月1日、25回目となる日本最大級の学生向けファッションデザインコンテスト「YKKファスニングアワード」のエントリー受付を開始する。5月9日がエントリーシートとデザイン画の提出締め切りで、YKKファスニングアワード事務局必着。5月30日に第1次審査通過者を公式サイトで発表し、通過者は最終審査に向けて制作に取り掛かる。
同アワードは、「人が身に付けることができる作品」がテーマ。アパレルとファッショングッズの2部門を設け、YKKが選んだファスナーやバックル、スナップ、ボタンなどを使用した作品で競い合う。今回新たに、“メタルックス(METALUXE®)”のスタンダードカラーや“ナチュロン プラス(NATULON Plus®)” コイルファスナーなど、新商品を使った作品が対象に加わった。「(ファスニング商品の)活用度・機能性」「独創性」「デザイン性」「完成度」を審査基準に設ける。
25周年となる今回は、従来のグランプリ、優秀賞、審査員特別賞、YKK特別賞に加え、「サーキュラー デザイン 特別賞」を新設した。同賞は、上記の審査基準ほか、サーキュラー デザインの視点(製品の長寿命化、リユース・リサイクル、リメイク・アップサイクル、リペアなど)が優れていると判断された1作品に授与。サーキュラーエコノミーへの移行をけん引する次世代のデザイナーを輩出することを目指す。
審査員は、坂口英明デザイナー、廣川玉枝デザイナー、藤田恭一デザイナー、アーティストの舘鼻則孝、村手謙介「アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)」クリエイティブディレクター、村上要「WWDJAPAN」編集長、YKK 副社長の松嶋耕一(4月1日から社長に就任予定)の7人が務める。
入選作品は、10月8、9日に大阪・マイドームおおさか、11月5、6日に東京・YKK60ビルでランウエイを披露。11月18日には、東京・恵比寿 ザ・ガーデンホールで開催するYKKファスニングアワード25周年記念イベントで、グランプリ、優秀賞、特別賞を発表する。
グランプリ受賞者には、賞金100万円やオリジナルトロフィー、JUKI製ミシン、創作活動用のYKKファスニング商品オーダー権利5万円相当分に加え、25周年特別副賞として海外研修を贈呈。入選者30名は、審査員から個別に作品講評を受けられるほか、懇親会で学生同士の横のつながりや、審査員や歴代受賞者との縦のつながりを作ることもできる。
同コンテストは2001年、日本のファッション業界への貢献、作品制作の機会創出と学生と業界人の接点を提供することを目的に設立した。これまで「フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)」の丸龍文人デザイナーや、「ホウガ(HOUGA)」の石田萌デザイナー、「コッキ(KHOKI)」のKokiディレクターなどを輩出している。YKKのブランド強化と将来のビジネスパートナーの創出、ファスニング事業のタグライン“Little Parts. Big Difference.”に込めたメッセージを伝え、学生とともに副資材の可能性を見いだすことを目指している。