ケリング(KERING)の2024年12月通期決算は、売上高が前期比12%減の171億9400万ユーロ(約2兆6929億円)、営業利益は同46%減の25億5000万ユーロ(約3993億円)、純利益は同62%減の11億3300万ユーロ(約1774億円)という大幅な減収減益だった。スターブランドの「グッチ(GUCCI)」が、前期に比べて23%減の76億5000万ユーロ(約1兆1980億円)と大幅なマイナス。同ブランドは23年度も売り上げを同5.9%落としており、22年度の規模に比べて7割まで縮小した。
フランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)最高経営責任者(CEO)は、「非常にタフな1年だった。変革を加速化しており、長期的にはブランドの体力や憧れを強化する方向に動き始めている」とコメント。「グッチ」では先週、サバト・デ・サルノ(Sabato de Sarno)クリエイティブ・ディレクターの退任を発表している。一方で、「不断なき努力を継続することによって、ケリングは安定化の局面に差し掛かっている。再び、成長軌道に乗るだろう」と続け、売り上げは下げ止まりつつあるとの認識を示した。
ブランド別に見ると、「サンローラン(SAINT LAURENT)」は前期比9%減の28億8100万ユーロ(約4512億円)、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は唯一健闘して同4%増の17億1300万ユーロ(約2682億円)だった。「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」などを含む「そのほかの部門」は、同8%減の32億2100万ユーロ(5044億円)。ケリング アイウエアやケリング ボーテなどを擁する部門は、「クリード(CREED)」の売り上げが計上されたことで同24%増の19億4100万ユーロ(約3039億円)と大幅に伸びた。