
ウィメンズのヤングカジュアル市場は近年、インフルエンサーブランドが次々と参入し、競争が激しくなっている。今年で10周年を迎えるバーンデストローズジャパンリミテッドの「レディアゼル(REDYAZEL)」は、まさしくこういったブランドたちとしのぎを削ってきた。
1番店はルミネエスト新宿店。同じB1フロアには、齊藤早紀の「ダーリッチ(DARRICH)」やMANAMIの「エイミーエストワール(EIMY ISTOIRE)」など競合となる甘めテイストのインフルエンサーブランドが店を構え、近年は客を徐々に奪われていた。
「僕らはディレクターの発信力でお客さまが付いてくるブランドではない。デザインで同質化しては負け戦。別の武器で差別化することが必要になる」と安藤慎一郎事業部長は話す。その武器とは、商品と人の掛け算で生み出す“提案力”にある。
大人女性にも響く着こなし提案
今春夏から「年齢に縛られないMD」に舵を切っている。「ガーリーテイストは、30代以上のお客さまでさえ自分には不相応と感じ、卒業してしまうケースが多い。僕らはそれを覆したい」。
ワンピース偏重の商品構成を見直し、上下セパレートで使える商品の割合を増やした。ロングコートとの合わせでミニ丈ボトムへの抵抗をなくしたり、これまで取り入れてこなかったパンツスタイルをTシャツ合わせで提案したりと、着こなし次第で大人の女性が着ても違和感がないようにした。フリルやレース、花柄などを多用するフレンチガーリー一辺倒ではなく、ボクシートップス×ミニ丈ボトムの韓国風も取り入れ、テイストに幅を出した。5月にはママになったばかりの人気ユーチューバー・ゆんとコラボし、30代以上の女性へもアプローチ。ECでは1000万円分の事前予約が付き、店頭販売分も早々に完売した。
「レディアゼル」の展示会には全18店舗の店長が集まり、商品サンプルを実際に手に取ったり試着して、アンケート採点で商品化するか否かをジャッジする仕組みがある。「商品がお客さまの手に渡るかどうかは、販売員の接客にかかっている。MDは企画担当者の発想や気分だけで決めず、あくまで販売員目線で作ることを大切にしたい」。 MDを方向転換した春夏以降は、店長たちの評価も以前より良くなっている。
足下の5月は前年同月比12%増、6月も2ケタ増収ペースで進捗するなど、復調への手応えがある。安藤事業部長は「インフルエンサーブランドにはない、僕らならではの強みを生かして、次の10年を生き残れるブランドを作っていく」と意気込む。