ファッション

ユナイテッドアローズ×「ザ・リラクス」×「ニューバランス」 3者コラボによる“327”の魅力をキーマンに聞く

 「ニューバランス(NEW BALANCE)」は2020年春夏シーズンにローンチしたシューズ“327”を主役に、ユナイテッドアローズ、東京ブランド「ザ・リラクス(THE RERACS)」と組んだトリプルコラボアイテムを10月22日に発売する。“327”は1970年代の「ニューバランス」のランニングシューズ3型から着想したデザインが特徴で、そこに現代的な要素をプラスしている。浅子智美ユナイテッドアローズ ウィメンズバイヤーと倉橋直実「ザ・リラクス」デザイナーの2人に、その魅力やこだわりについて聞いた。

相反する2つの要素を掛け合わせた
“新たなバランス”

WWD:「ザ・リラクス」への声掛けはユナイテッドアローズが行ったと聞いた。

浅子智美ユナイテッドアローズ ウィメンズバイヤー(以下、浅子):「ザ・リラクス」にお願いすると決めたときから、“スニーカーを超えたスニーカーになるだろう”と想像していたが、その通りになった。「ザ・リラクス」とは12年春夏シーズンから取引しており、オーセンティックな服をベースにしながらも、反骨精神というか、既存の概念を打ち破る強さを内に秘めたクリエイションに魅力を感じていて、今回もデザインについては一任した。

WWD:指名を受けた際の率直な感想は?

倉橋直実「ザ・リラクス」デザイナー(以下、倉橋):私自身、あまりスニーカーを履くことがなく、ブランドとしてもスニーカーを作ったことがなかった。そのため不安もあったが、楽しみが上回った。

WWD:スニーカーのデザインに初めて取り組むに当たり、どこから着手した?

倉橋:まず「ニューバランス」というブランド、そして“327”というモデルを学ぶことから始めた。“327”はデザイン面でもコンセプト面でもすでに完成しており、リスペクトを込めてそれを破壊・再構築した。そのプロセスを通じて、「ザ・リラクス」らしい設計と感性を盛り込むことを目指した。

WWD:「ザ・リラクス」らしさは、どこに最も表れている?

倉橋:二重にしたタンだ。甲に高さを出し、コントラストで足首を細くきれいに見せたかった。

WWD:浅子バイヤーのお気に入りは?

浅子:挙げたらキリがないが(笑)、一つだけと言われたらインサート(中敷き)だろうか。“THINK(YOUR BALANCE)”と“FEEL(YOUR BALANCE)”、相反する2つのメッセージは日々の生活でも大切にしたい。

倉橋:論理的思考(THINK)と自由な感性(FEEL)はモノづくりにとって、どちらも欠かすことができない。互いに作用し、絶妙なバランスを取ることが肝要だ。コラボ“327”では、「ザ・リラクス」なりの“ニューバランス(新たなバランス)”を具現化したつもりだ。

第一印象は
“革靴のような美しいスニーカー”

WWD:「ニューバランス」は、ユナイテッドアローズの売り場でどう受け入れられている?

浅子:伝統を守りながら進化するスニーカーブランドとして、なくてはならない存在。特に“327”が初めて登場した際は、ソールのボリュームと大きな“N”のロゴ、レトロでありながらテック感のあるバランスに衝撃を受けた。売り場でも非常に好評で、そのデザイン性と履き心地の良さから、ニュースタンダードとなる1足だと感じている。

WWD:完成したコラボ“327”の第一印象について教えてほしい。

浅子:“革靴のような美しいスニーカー”。普段スニーカーを履かないという倉橋デザイナーらしく、革靴のたたずまいとスニーカーの快適性を併せ持つシューズになった。

素材&色使いでも
“ニューバランス”を意識

WWD:浅子バイヤーから“革靴のような美しいスニーカー”と評されたが、倉橋デザイナーの受け止めは?

倉橋:手前みそだが、私も非常に美しいと感じている。併せて、「ザ・リラクス」のコンセプトである“ニューモダンクラシック”を表現できたと思う。5種類の素材を使って奥行きを出しつつもモノトーンでまとめて、ここでも“ニューバランス”を意識した。「ニューバランス」のようなビッグブランドと協業するのは今回が初めてで、できることの範囲はもっと狭いのかと感じていたが、かなり無理を聞いてもらい、思い通りのものができた。

バイヤーとデザイナー、
それぞれの履きこなし例

WWD:コラボ“327”は、どうスタイリングに取り入れたらよい?

浅子:“スニーカーであり、スニーカーでないシューズ”なので汎用性は非常に高い。カジュアルにもモードにも、スタイルを問わずに履ける1足だ。

倉橋:普段スニーカーを履かない私が作ったので、同じくスニーカーに抵抗のある方にも履いてもらいやすいと思う。

WWD:自分ならどんなふうに履く?

浅子:“芯のある”アイテムなので、もちろんパンツスタイルとは好相性だが、あえてスカートに合わせたい。甘さの中に、強さをプラスしてくれるはずだ。

倉橋:トップスがタイトならスカートやパンツはワイドに、一方でボトムスがスキニーなら上半身にボリュームを持たせるスタイリングが好きなので、存在感のあるこのコラボ“327”でうまくバランスを取りたい。シューズはスタイリングにおける“ピリオド”だから。

 まず、ユナイテッドアローズの公式ECで10月8日から予約を受け付け、22日からはユナイテッドアローズの実店舗、「ザ・リラクス」「ニューバランス」の公式ECでも販売する。

PHOTOS : TAKUYA FURUSUE
問い合わせ先
ニューバランス ジャパンお客様相談室
0120-85-7120