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BBFが手がけるファッションブランドのOMO推進「全方位サポート」

 BBFはファッションブランド向けのEC構築・運用支援、マーケティング支援を一気通貫で手がけ、多くのユーザー獲得に貢献している。事例の一つが、サザビーリーグが2018年に立ち上げたD2Cのジュエリーブランド「アルティーダ ウード(ARTIDA OUD)」だ。これまでEC販売に特化していたが、今年8月には東京・渋谷の松濤にショールームをオープンするなどOMO戦略にも力を注ぎ始めた。商品のカスタマイズやパーソナライズが可能なECを武器に、コロナ禍でも売り上げを拡大し続けている同ブランドの取り組みについて、同社の相川慎太郎営業統括WEB戦略部長 兼 ECブランド事業部長とBBFの安住祐一執行役員EC事業部長に聞いた。

体験価値にこだわるEC
リピート率は驚異の40%

WWDジャパン(以下、WWD):新型コロナウイルスの影響は?

相川慎太郎サザビーリーグ営業統括WEB戦略部長 兼 ECブランド事業部長(以下、相川):ECを主軸にビジネスを展開しているので、そこまで大きな影響はありませんでした。受注もほぼ落ちていません。

安住祐一ビービーエフ執行役員EC事業部長(以下、安住):コロナ禍でBtoCのECでも売り上げが大きく伸びているブランドもあれば、そうでないブランドもあります。「アルティーダ ウード」が好調なのは、BtoCで店舗を持たないブランドが広がる前から、ビジネスのあるべき姿を着想して取り組まれてきたことが大きいと思います。ジュエリーのカテゴリーはそもそもECでは難しい領域ですが、しかもそれを店舗なしでやるというのを初めて聞いた時は、かなりのチャレンジだと思いました。

相川:「リアル店舗と差別化できる」という確信がありました。我々はインドから直接商品を調達しているため、中間業者を通すコストが発生しません。また、ECを販路の主軸にしているので販管費も削れます。だからハイクオリティーな商品を、手が届くプライスで提供できる。こうしたメッセージ性やブランドパーパスはSNSやECの方が伝わりやすいので、うまく訴求できればブランドは成功すると考えました。

安住:ジュエリーはリアル店舗だと商品をたくさん陳列するため、全ての商品にフォーカスすることができません。しかし「アルティーダ ウード」のECは、一個一個のジュエリーにフォーカスするような仕組みを作り上げているんです。ECにある「ストーンカスタマイズ」というサービスです。

相川:お客さまがサイト上でジュエリーをカスタマイズし、出来上がりをシミュレーションしていただけます。唯一無二のカラーストーンの選択から、取り付ける角度、サイズなどを選ぶと、完成したジュエリーを着用しているモデルのイメージ画像を表示します。こういったことは店舗でも、大型ECモールでもできません。

安住:ブランド体験には本当にこだわられていますよね。ECサイト内の仕掛けにとどまらず、指輪のサイズを測るためのノべルティーを商品に同梱して送ったり、ジュエリーを梱包する資材に香水を吹きかけて送ったりとか。

相川:ECを販路の主軸にしているからこそ、商品が届いた瞬間のブランド体験はとても重要視しています。

安住:そういった取り組みの成果だと思うのですが、リピート率が40%と非常に高いですよね。

ブランド表現に寄り添い
バックシステムを構築

WWD:「ストーンカスタマイズ」の開発には苦労した?

安住:そうですね、システム面で最も苦労したところですね。

相川:「ブランドとしてはこう表現したい」「システムではどうしたら実現できるか」というせめぎ合いがありました。それを一つずつ解消していって。

安住:「人の指が映った画像は絶対必要」「全商品を撮影し、一個一個の石をシリアル管理する」といったことを実現するために、システム、物流の仕組みも含めてご要望にお応えするため、一つ一つ丁寧に作っていきました。

WWD:ショールームのシステムはどうなっている?

相川:ECを軸にブランドを立ち上げたので、店舗のバックオフィスも全てECにつないでいます。店舗を軸にしたブランドとは連携の仕方から違いますね。

安住:ショールームはOMOの象徴的な取り組みですよね。我々はポスレジとECの連携など様々な部分に関わらせていただきました。店舗なしのBtoCブランドがショールーミング型店舗を開くと、必ずしもうまくはいくとは限らない。今はコロナの影響もある中で、非常に挑戦的な取り組みだなと感じていました。

相川:今後はショールームを軸にいろいろとやっていきたいですね。店舗売り上げ予算はあるのですが、店舗でいくら売れたかといったことではなく、この店舗でブランドの世界観を認知していただいた方にECで継続購入いただけているか、といった視点で見ていきたいと思っています。

安住:店舗を予約来店型で月に10日だけやる、というのは単純な費用対効果では成り立たないはずなのでびっくりしました。よく社内で予算稟議が通ったなと(笑)。

相川:当社には「半歩先のライフスタイルを提案し、新たな価値を創造し続ける」というミッションがあり、テストマーケティングに力を入れています。ショールームはその一貫としてやっていますし、私は成功事例をサザビーリーグの中で横展開する役割もあるので、そうした兼ね合いで今回の事業を認めてもらっている部分もあります。

システム以外でも
踏み込んだ支援をしたい

WWD:今後の展望は?

安住:春先までに、人気がありながらコロナ禍でキャッシュフローが厳しくなるブランドが多くあると思います。そういったブランドはファッションのクリエイションは優れていても、ウェブやシステム、マーケケティング、ファイナンスの知識がある人がいないんです。BBFはそういったブランドをご支援したいなと考えています。相川さんのような方がいるブランドばかりではないので(笑)。仕組み作りからご一緒して、時にはシステム以外の部分でも「こういう風にやらないとうまくいかないですよ」と必要なことであればお伝えし、一緒に乗り越えていきたいと考えています。

相川:オンライン接客は各社さんが取り組まれていますが、まだまだこれからです。例えばライブコマースをやっても決済までつなげられず、紹介で止まっていたりします。いろいろ改善点がありますね。我々のブランドもまだ始まったばかりなので、BBF様にはオン・オフの両軸で助けていただきたいなと思っています。サザビーリーグとして今後オンラインのブランドを増やす機会があれば、今回の知見を踏まえてご協力いただきたいです。

TEXT:YOHEI YOSHIDA

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