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キーマンたちに直撃 “スーツに見える作業着”が秘める、ファッションとしての可能性

 オアシススタイルウエアが企画・販売する、“スーツに見える作業着”「ワークウエアスーツ(以下、WWS)」が好調だ。企業の制服といった法人の売り上げと、消費者による個人の売り上げ双方を伸ばしている。中でも個人は「アバハウス(ABAHOUSE)」での取り扱いを皮切りに「アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)」や「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」など、有力セレクトショップとの取り組みを続々実施。ファッション業界からも注目を集め始めている。作業着として始まった「WWS」には、ファッションとしてどのような可能性を持つのか。同ブランドの卸先の中でも関係性の深いベイクルーズグループ内で、同ブランドとの取り組みを推進している北野浩規「417エディフィス(417EDIFICE)」商品開発マネージャーと栗原潤J.Sワークス執行役員の2人と、樋口麗香「WWS」ディレクターと共に、その可能性を探る。

コロナ禍の中でも急成長
水道工事業発の「WWS」とは?

 「WWS」は、水道工事業を行うグループ会社が長年培ってきたノウハウを生かし、オリジナルの生地“アルティメックス(Ultimex)”から生まれる機能性と、フォーマル要素を併せ持つ。その2つの側面と、アパレル業界へのアプローチをはじめとするさまざまな施策を組み合わせることで、企業の制服といった法人の売り上げと、消費者による個人の売り上げの双方が大きく伸長。第一四半期(2020年3月1日~5月31日)の売り上げは前年同期比で332%を達成し、コロナ禍の中でも急成長を遂げている。

初の別注商品を制作した
「417エディフィス」が考える
「WWS」の可能性

 約1年前、「WWS」が初となる別注商品制作の取り組みを行ったのが、ベイクルーズグループの「417エディフィス」だ。同ショップの北野浩規商品開発マネージャーは「『417』として新規顧客の獲得を目指し、機能性や利便性の軸で、何か新しいことはできないかと考えていた。そんな中で水道工事業発の服で“スーツに見えますが作業着です”という、お客さまにダイレクトに刺さるであろうコンセプトを持つ『WWS』に可能性を感じ、取り組みを決めた」と経緯を語る。そうして生まれた別注商品は、実際に30~40代を中心とした新規顧客の獲得に一役買っているという。「オリジナルの生地により、シワになりにくく、洗えるという2つの点がお客さまに刺さっている」とも分析する。現在はANA(全日本空輸)とのトリプルコラボ商品の発売も控えているが「コロナもあって、お客様のマインドも変わっている。ショップとしてもお客さまのライフスタイルに寄り添った商品企画をしていくつもりだ。その中で、業種・年代を問わずに選ばれる『WWS』とは今後、一定のコミュニティーに強く刺さるような商品開発ができると考えている」と期待を見せる。

いい意味で“素朴”
さまざまな切り口に期待

 ベイクルーズグループでは、「ジャーナルスタンダード レリューム(JOURNAL STANDARD RELUME)」も「WWS」との取り組みを決定。男女兼用の別注商品を7月にウェブで先行受注形式で、8月には店頭で販売する予定だ。同ショップを運営するJ.Sワークスの栗原潤執行役員は取り組みの経緯について「機能やサイズ感、トレンドなど切り口を変えて、これまでにもセットアップは多く取り扱ってきた。そういった中で何か違う切り口でセットアップやワークウエアを提案できないかと考えていた。『WWS』はいい意味で素朴で、間口が広い。その素朴さを残しつつ、何か切り口を足せばセットアップの取り入れ方も多様化するのではないかと考えた。その第一弾として、『レリューム』では『WWS』との新たな取り組みとして“男女兼用”をテーマにした別注商品を加え、提案することにした」と説明する。今後の取り組みについては「1回だけでは伝わらないと思っているので、ディテールなどを変えながら、一緒に取り組みを続けていきたい。ただ、変にいじり過ぎてもいけない。この素朴さをベースにしつつ、バランスを取りながら取り組んでいくのがキモだと思っている」。

ファッション業界一筋の
ディレクターが考える
「WWS」の未来

 「WWS」のファッションとしての可能性を広げたのが、樋口麗香ディレクターだ。インポートブランドの卸など、18年にわたりアパレル業界一筋で働いて来た彼女は「WWS」のどこに可能性を感じたのか。「長くファッション業界で働く中で、ファッションはもっと身近な存在であるべきと考えるようになった。その中で、『WWS』という、仕事とファッションを繋げる服を、もう少しだけスタイリッシュに見せ、広げていくことができるのではないかと考えた」と語る。そうして彼女は「417エディフィス」を皮切りに、別注を軸としたセレクトショップとの取り組みを拡大させた。「『WWS』は男女問わず、困っている人たちのための服であってほしい。今後は女性視点から作る、機能系スーツを拡充したいと考えている。スーツの定義や仕事の幅が広がる中で、私たちとしては機能の面をシンプルに伝えつつ、ファッションの要素を盛り込むなどして発展させていく」。

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オアシススタイルウェア
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suhara@oasys-inc.jp