AIアートをテーマに活動する草野絵美は、個展「オーナメント サバイバル」を5月16日〜6月20日に東京・神楽坂の√K Contemporaryで開催する。3月の「アートバーゼル香港」のデジタルアート部門「Zero10」で発表し、大きな反響を呼んだ最新シリーズ「オーナメント サバイバル」を日本で初公開する。
本展では、新シリーズに加え、代表作「オフィス レディーズ」なども展示。草野はAI表現が一般化する以前から、自身の画像を学習させたカスタムAIを用いて作品制作を行ってきた。近年はNFTやデジタルアートの枠組みにとどまらず、フィジカルとデジタルを横断する表現へと活動を拡張している。
「オーナメント サバイバル」シリーズは、情報資本主義社会の中で加速する承認欲求や、感情・身体・アイデンティティーのデータ化をテーマに据える。1980〜90年代の日本カルチャーや“魔法少女”文化への憧憬を背景に、現代を生きる女性たちの欲望や生存戦略を、AI生成イメージを通して描き出した。
キュレーターの丹原健翔は、「草野の作品に繰り返し現れる1980年代の日本のポップアイドルや魔法少女といった女性像は、単なるノスタルジーではなく、ジェンダー規範や“男性的まなざし”と結びついた視覚文化への問いでもある」とコメント。AI生成によって複数の自己像を仮構する本シリーズについて、「アイデンティティーが固定されたものではなく、反復や演出によって構築されていくことを示している」と評している。
草野は1990年生まれ。写真家としてキャリアをスタートし、その後AIを“共創パートナー”として取り入れながら、ノスタルジアやポップカルチャー、集合的記憶をテーマに制作を続けている。作品はM+や金沢21世紀美術館など世界20カ国以上で展示。「WWDJAPAN」2023年6月19日号ファッションロー特集の表紙を自身の顔を学習させて制作したAIアートで飾った。25年には世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダー」に選出されている。
会期中には、AIアートやフェミニズム、美術史をテーマにしたトークイベントも会場で開催する。5月22日18時には、椿玲子を迎え、「美術史の中のAIアートの現在」をテーマにトークを開催。椿は森美術館 のキュレーターとして「宇宙と芸術」展や「STARS」展などを手掛けてきた。
5月29日17時には、アーティストのスプツニ子!と「グローバルアートシーンの中でのフェミニズム」をテーマに対談。スプツニ子!は、テクノロジーやジェンダーをテーマにした作品で国内外から注目を集めている。
6月13日16時には、木村絵理子を迎えてトークを実施。木村は「横浜トリエンナーレ」企画統括などを経て、現在は弘前れんが倉庫美術館の館長を務める。全て参加無料。予約制だ。
▪️草野絵美「Ornament Survival」
会期:5月16日〜6月20日(日・月休廊)
時間:13:00〜19:00
会場:√K Contemporary(ルート K コンテンポラリー)
住所:東京都新宿区南町6