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セイコーが「セイコー パワーデザインプロジェクト」ファーストコレクションを発表 過去の名作の再解釈で生まれたブレスレットウオッチの魅力とは

セイコーウオッチは12月5日、腕時計の新しい可能性を提案する「セイコー パワーデザインプロジェクト」第1弾のコレクションを発表する。シルバー、ブラック、ゴールドの3色展開で、価格は5万600円から5万6100円。各500本の限定販売で、国内ではセイコーフラッグシップサロン、セイコードリームスクエア、セイコーブティック、セイコーオンラインストアでの販売となる。

2001年に発足して09年まで続いた「パワーデザインプロジェクト」は、セイコーウオッチのデザイナーが主体となり、新しい発想で腕時計と向き合うプロジェクト。2022年に13年ぶりに復活し、展覧会などの形式で成果物を発表してきた同プロジェクトが、エンドユーザーに向けて初めて発売するコレクションとはどのようなものなのか?同社の過去の名作を現代的かつファッショナブルに再解釈することで生まれたこのタイムピースの魅力を、プロジェクトの成り立ちやキーパーソンたちの言葉から紐解く。

セイコーの挑戦の歴史を継承する
「パワーデザインプロジェクト」

セイコーは1881年に時計の修繕・販売から事業を開始し、その11年後に掛時計の製造を始めた。大正初期、懐中時計が主流の時代に、将来の腕時計時代に備えて試作・研究を重ね、1913年には国産初の腕時計“ローレル”を完成させた。その後も100年以上にわたって、さまざまな挑戦を続けている。

そんな挑戦の歴史の中で、2001年から継続的に実施されていた「パワーデザインプロジェクト」は、もともと同社のデザイナーが普段とは違った視点で腕時計に向き合い、新しいデザインの可能性を追求する社内プロジェクトだった。22年に13年ぶりに再始動した同プロジェクトは、東京・原宿駅前の同社のギャラリースペース「セイコー シード(Seiko Seed)」を舞台に、さまざまなテーマのもと腕時計の楽しさや面白さを探求し、時代性を反映した新たなアイデアをエンドユーザーを含めた幅広いオーディエンスに発信してきた。今回のコレクション発表に合わせ、可愛らしさの中に強さを感じさせるイラストレーションで若者の支持を集め、多くのファッションブランドとのコラボレーションや広告ビジュアルを手がけるナカキパンツ(NAKAKI PANTZ)が同コレクションのキービジュアルを制作した。

過去の名作から着想を得た
“コレクション1”

そんな「パワーデザインプロジェクト」が、再始動後に初めて企画した展覧会のテーマは“リバース(REBIRTH)-転生-”。セイコーウオッチのデザイナーが同社の歴史の中で生まれた腕時計の中から7本を選び、それぞれの視点で新たに生まれ変わらせるというものだった。今回発売する “コレクション1”は、この企画の中で菅沼佑哉デザイナーが考案したデザインを採用している。

菅沼は、同社がブレスレットウオッチの先駆けとして販売してきた「セイコー ティセ(SEIKO TISSE)」から、1984年に発売したモデルに着目。当初は女性向けに発売した華奢なタイムピースを、性別や年齢を問わず、どんなシーンにもマッチする腕時計として現代に蘇らせた。

時計本体とほぼ同じサイズで設計した12時側の大きなこまは、時計全体に一体感を演出する。6時側には異なるサイズのこまを配し、アシンメトリーブレスレットで多様な価値観を表現した。さらに6時側から3つ目のこまにのみ多面カットをほどこすなど、ささやかながら遊び心あるディテールも魅力だ。高い視認性と外観の美しさを両立させるため、オリジナルには4箇所にしかなかったインデックスを12箇所の全てに配置し、各ダイヤルカラーに合わせて鏡面仕上げの時分針を採用した。

シーンを選ばないデザインが
着用者の個性を引き立てる

“セイコー パワーデザインプロジェクト コレクション1”のそれぞれのカラーは、着用者の好みのスタイルに自然になじみ、繊細な彩りとアクセントをプラスする。着想源となった「セイコー ティセ」のブレスレットウオッチとしての魅力を生かしつつ、現代の価値観を反映して実用性を兼ね備えたデザインが、着用者の個性を引き立ててくれる。

キーパーソンたちが語る
「セイコー パワーデザインプロジェクト」

“コレクション1”の発売に際して、セイコーウオッチの菅沼デザイナーと、キービジュアルを手掛けたイラストレーターのナカキパンツは対談を実施。多様な価値観を表現したデザインに込めた思いや、プロジェクトのコンセプトから着想したキービジュアルの背景にあるアイデアについて語り合った。

対談の中で菅沼デザイナーは「婦人用として生まれた腕時計を、現代的にアップグレードする上で、まずは性別や年齢には縛られず、自分らしくアクセサリーのように着用できるものにしたいと思った。“小さくてかわいい腕時計”という見え方をどう払拭するか、意識の向かせ方に苦戦した」と同コレクションへの思いと苦労を語った。一方のナカキパンツは「いろいろな世代の方が身に着ける“コレクション 1”のキービジュアルに、私が選ばれたことってどういうことだろうと使命感をもって仕事をした」といい「こんな人になりたい、こんな人が選んだ腕時計を私もつけてみたいと思わせるような3人をデザインした」とデザインの意図を説明した。

コレクションのキーパーソンである2人の創造力は、どんな化学反応を生み出したのか。2人の対談の全文は、「セイコー パワーデザインプロジェクト」のオフィシャルウェブページで読むことができる。

問い合わせ先
セイコーウオッチお客様相談室
0120-061-012