ファッション

「タサキ」と協業したニッコロ・パスカレッティが目指す“着用できるアート”のようなジュエリー

タサキ(TASAKI)」から、デザイナーのニッコロ・パスカレッティ(Niccolò Pasqualetti)とコラボレーションしたジュエリーが登場した。パスカレッティは、イタリア・トスカーナ出身。2021年に自身のブランドを設立し、パリとトスカーナを拠点に活躍している。24年度 「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」でファイナリストに選出されるなど、注目のデザイナーだ。「タサキ」がデザイナーとコラボレーションするのは久しぶり。彼がデザインしたジュエリーは、25日から伊勢丹新宿本店で開催される「タサキ」のポップアップで先行販売される。

「タサキ」の展示会で来日したパスカレッティに、今回のコラボレーションについて聞いた。コラボのきっかけについて彼は、「『タサキ』の世界と私のデザインには共通点が多く、コラボしたのは自然な成り行きだ」と話す。元々ファインジュエリーに興味があったというパスカレッティ。自身のファーストコレクションでは、半貴石やマーブルなどを使用したネックレスやイヤリング、カフなどのジュエリーをデザインしたという。今回「タサキ」とのコラボでは、“フルイド”“アンビバレン”“アンドロジナス”“パッセル”の4つのシリーズをデザインした。これら全て、有機的なフォームが印象的なパールジュエリーの既成概念を超えるデザインだ。

真珠の養殖場の風景や海がインスピレーション

彼は、「タサキ」の長崎にある真珠の養殖場から多くのインスピレーションを得たという。「養殖場の景色、真珠のテクスチャー、海が持つ両義性といったものをデザインに落とし込んだ。海の波をジオメトリックにパールの動きで表現したり、それぞれのアイデアを元に捻りを効かせたり、入念なデザインで仕上げている」。彼がパールを用いてデザインするのは初めてのこと。「パールは置く場所によって輝き方が変化する。パールが持つ発光性は素晴らしい。ダイヤモンドとは違うニュアンスで、パールの輝きを表現したかった」と話す。大ぶりの作品は、イメージ通りに仕上がるか心配だったが、意図した通り、軽やかに仕上がった。「私のアイデアを技術的に可能にする『タサキ』のクラフツマンシップに感動した」と話す。

着用できるアートのようなジュエリー

カテゴライズするのが好きではないという彼のデザイン哲学は、全ての人に向けたジュエリー。今回のコラボでも、年齢、性別問わず、誰もが着用できるようなジュエリーをデザインしたという。「ジュエリーを見て共感する人に着けてもらえれば。ジュエリーは、着ける人にとってエモーショナルなものであり、長く愛用してもらうべきものだ」。ファッションとジュエリーのデザインの違いは、「ジュエリーにはより文化的で、長く着けられるものでなくてはならないので、技術的な面が重要だ」と言う。今後については、「ジュエリーは着用できるアートのようなもの。彫刻のようなジュエリーをデザインしたい」と語った。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Is AI GOOD?AIがもたらす「ゲームチェンジ」

「WWDJAPAN」12月1日号は、ファッション&ビューティ業界でいよいよ本格化する“AIゲームチェンジ“を総力特集しました。11月19日のグーグル「ジェミニ3.0」発表を契機に、生成AIは「便利なツール」から「産業の前提インフラ」へ変貌しつつあります。ファッション&ビューティ業界で浸透する生成AI及びAIの活用法とゲームチェンジに向けた取り組みを紹介しています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。