ファッション

販売員の作業を大幅軽減するRFID、本格普及なるか

 ブランドラベルやネームにつけるRFID(無線電子タグ)が、日本でもいよいよ本格的に普及しそうだ。これまで日本ではビームスなど一部のセレクトショップにとどまっていたが、ファーストリテイリングが試験的に「ジーユー」店舗で導入を始めるなど、小売り大手も導入検討を始めた。日本の無線電子タグの有力サプライヤーであるテンタックの芳賀純一・社長は、「現在導入している日本企業は10社前後で、ICタグの昨年の出荷実績は数十万枚レベルだったが、今年に入って大手企業から問い合わせが急増している。来年には一気に2億枚に達しそうだ」という。

 無線電子タグ導入が注目されているのは、販売員の作業効率化だ。2年前から「ビーミングライフストア バイ ビームス」に導入しているビームスは、「基本的には商品の在庫管理に使用している。かつては月に一度、販売員総出で2日がかりだった棚卸し作業は、現在は1~2人が約2~3時間で済むようになり、その分店頭の販売員が販売業務に集中できる。現在では『ビーミングライフ』全店舗に導入している」という。

 無線電子タグはブランドラベルや値札、織りネームなどにICチップとアンテナを埋め込んだフィルムを挟み込んだり、貼り付けたりするもの。一般的なブランドラベルの価格が1枚2~3円に対し、無線電子タグ付きのラベルは10~12円と、かなり割高だが、ICチップに商品情報を読み込ませられるため、受信機やハンディーターミナルを使えば、大量かつ短時間で商品の在庫をSKU単位で読み込むことができる。在庫管理に使えば店頭での棚卸し作業、レジに導入すればセルフレジや清算時間の大幅な時間短縮につなげられる。芳賀テンタック社長は、「無線電子タグは、1980年代のバーコードとPOS登場以来のサプライ・チェーン・マネジメント(SCM)分野の大きなイノベーションだ。商品を単品で素早く管理できるため、生産から流通までの全体SCMの効率化から、グローバルな生産と販売、オムニチャネル、店頭でデジタルサイネージと連携した商品販売まで、ファッションの新しいビジネスモデルを引き起こすトリガーになりうる」と指摘する。

 無線電子タグの導入は、海外が先行している。アパレル向けラベルで世界最大手のエイブリィ・デニソン(AVERY DENNISON)は、「『マークスアンドスペンサー』や『メイシーズ』など、数年前から導入し、一定の成果を出している。すでに世界のアパレル分野では2014年で約30億枚の無線電子タグが生産された。当社も2014年度の無線電子タグ生産は2ケタ増を達成しており、18年まで年10~20%で拡大する見込みだ」と指摘している。

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