ファッション

「ユニクロ」が極寒仕様のヒートテック開発、従来の2.25倍の暖かさ

 「ユニクロ(UNIQLO)」は今冬、「『ユニクロ』史上最高の暖かさ」をキャッチフレーズに、従来の“ヒートテック”の1.5~2.25倍暖かい“ヒートテックウルトラウォーム(超極暖)”を発売する。グローバル展開により、ロシアやカナダなど極寒地の人々や、氷点下で仕事をする人々などに向けた生活快適化アイテムとして投入。さらに、日常生活や、アウトドアやスポーツなど、着用シーンを拡げることでビジネスチャンスを拡大したい考え。

 同社は戦略的パートナーシップを組む東レの協力を得て、2003年から、独自の糸の構造によって人間の体から蒸発する水蒸気を繊維が吸収して熱エネルギーに変換することと、その空気を滞留させることで暖かさを保つ“ヒートテック”を発売してあったかインナー市場を創出してきた。13年にはエアポケットを増やして裏起毛にすることで1.5倍暖かい“エクストラウォーム(極暖)”を発売。今冬は、編み方を変え、繊維のふくらみ感をアップさせることでエアポケットを大きくし、空気を溜める量を増やして保温力を高めるとともに、起毛の毛足を長くすることで、温感力も高めている。レーヨン、アクリル、ポリエステル、スパンデックスの4種類の素材の配合比率も変えた。これにより、“エクストラウォーム”の1.5倍、“ヒートテック”の2.25倍の暖かさを実現したという。

 堺誠也(せいや)ファーストリテイリング執行役員は、「2003年誕生以来、人々の冬の生活をより快適にするために、肌に一番近いところで世界中の冬の生活を変えて、世界中を温めてきた。東レの技術力を駆使して毎年進化している。今回は氷点下に近い過酷な環境で過ごす方々に対して、暖かさをトコトン突き詰めて開発した、極寒環境向けだ。生活での着用シーンを拡げ、冬におけるカバー率を上げていく」という。

 また、田畑次郎・東レ繊維加工技術部GO技術室長は、「毎年改良を重ね、進化を続けてきた。“ヒートテック”がロシアやカナダなど世界中に広がり、極寒地や過酷な使用シーンを考慮する必要が出てきた。暖かさを極限まで追求するだけなら生地を厚くすればいいが、着心地を良くするため、薄くて、しかも、フィット感があるものに仕上がった」と自信を見せる。

 グローバルでは10月17日の韓国から販売を開始。日本では12月19日から発売する。季節が逆のオーストラリアには来年5月に投入予定だ。商品のラインアップは、メンズ、ウィメンズのクルーネックの長袖Tシャツ、とメンズのタイツ、ウィメンズのレギンスの計4型。価格は各2149円。

 これに合わせて、日本人最年少でエベレスト登頂に成功した大学生の南谷真鈴を女性初のユニクロ・グローバル・ブランド・アンバサダーに起用した。8日開催の会見では、「とても暖かい。着用感としては5倍ぐらい暖かい気がする。最近、“ユニクラー”が増えている。『ユニクロ』を着てクライミングする人々のことで、師匠も“ユニクラー”を名乗っている。私もさまざまな登頂で『ユニクロ』を着ている。登山は軽さ重視であり、マイナス60~70度の遠征に持って行くのに、軽くて薄くて暖かいヒートテックは嬉しい。また、大学生なので、リーズナブルなのが魅力的。来年4月に北極点を目指すときにも着たい」と意気込みを語った。

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