
2027年春夏のロンドン・ファッション・ウイークの2大トピックは、ロンドンのレガシーブランドである「マックイーン(McQUEEN)」の帰還と、クリストファー・ケイン(Christopher Kane)による新生「マルベリー(MULBERRY)」のデビューショーだった。英国ファッション協議会(BFC)のトップ、ローラ・ウィアー(Laura Weir)は両者の復帰について、「ロンドンが今なおクリエイティブ都市として求心力を持っていることを示すものだ。こうしたブランドが再びオフィシャルスケジュールに名を連ねることは、非常に力強いメッセージになる」と自信を見せた。そして、「世界的なメゾンから独立系ブランド、英国を代表するデザイナー、次世代の若手までが一堂に会することこそが、他の都市にはない魅力だ」と続ける。(この記事は「WWDJAPAN」2026年10月5日号からの抜粋です)
「マックイーン」は美学を継承、
リアリティーに疑問
その国際的な求心力を象徴するブランドとして期待がかかった「マックイーン」だが、そもそも日本メディアのほとんどがショーには出席できず、注目度の高さとは裏腹にクローズドな形での発表となった。そして肝心のコレクションへの評価は賛否両論のようだった。
ショーン・マクギアー(Sean McGirr)=クリエイティブ・ディレクターは、歴史とモダニティー、伝統と反骨精神といったロンドンの街が内包する要素をコレクションに詰め込んだと説明する。艶のあるサテンのドレスにレザーのハーネスをかぶせたり、ダークな世界観に色あせたネオンカラーを差し込んだりすることで、アンダーグラウンドなロンドンを表現。サヴィル・ロウの老舗「ハンツマン(HUNTSMAN)」との協業によるテーラードは、天使の羽のように張り出す立体的なフォームが目を引いた。チュールに葉を思わせるシルバーの立体装飾をちりばめたドレスなど、アトリエの技巧の高さも随所に表れる。それでも疑問が残ったのは、現代の服としてのリアリティーだ。「マックイーン」の世界観を継承しつつも、いかに現代に接続し、更新していくのかが十分には見えてこなかった。
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