ファッション

空山基と「プーマ」 「コラボは“異種格闘技”。喧嘩してでもクリエイティブで高め合う」

ファッション好きであれば、アーティスト、空山基を知らない人はいないだろう。生物の曲線美とロボットを融合させた作品は特にここ数年、ラグジュアリーからストリートまで、多くのデザイナーに愛され、洋服を通して老若男女が空山作品に触れた。世界的なアーティストで、これほどファッションと身近なアーティストも珍しい。そんな空山が次にタッグを組んだ「プーマ(PUMA)」と、コラボレーションコレクション“プーマ×ソラヤマ(PUMA×SORAYAMA)”を発表した。「プーマ」の設立75周年とアイコニックシューズ“プーマ クライド(PUMA CLYDE)”の50周年を記念したもので、シルバー、ホワイト、グレーのカラーパレットを基調に、空山がデザインしたアパレルとシューズを展開する。10月29日には、東京・原宿の「プーマストア 原宿キャットストリート」で、空山の来店イベントを実施。30人限定で空山本人と会えるという貴重な機会に、国内外から熱心なファンが駆け付けた。コラボレーションについて、空山に聞く。

「吾輩は“キャット”である」

ーー今回のコラボレーションでは、「ロボット プーマ キャット」が印象的です。過去に「コラボで新作を描くことはほとんどない」ともおっしゃっていますが、「ロボット プーマ キャット」誕生の背景を教えてください。

空山基(以下、空山):「吾輩は猫」族なので、猫のよしみです(笑)。

ーー作品に対しての空山さんなりのルールを教えてください。

空山:限られた絵の具を用いて、光と反射と透明感を表現することです。これは人間の肌でも金属でも同じですね。

「『プーマ』は骨のあるブランド」

ーー多くのコラボレーションの依頼があると思いますが、「プーマ」からのコラボレーションを引き受けた理由は何ですか?

空山:私に寄生しているたくさんの“家族”を食わせるためです(笑)。あとは、「プーマ」はアメリカの短距離走者、トミー・スミスの「ブラックパワー・サリュート」(表彰台に上がり、黒い手袋をはめて拳を高く掲げブラックパワーを誇示するパフォーマンス)を支援した歴史とかがあって、骨のあるブランドだと思ったので。今回も同じように私へのアンチに対して一緒に戦ってくれるものだと勝手に期待しました。

ーー「プーマキャット」の他に、ペガサスや象のロボットも採用されています。ペガサスと象を選んだ理由はなんでしょう?

空山:「プーマ」側の希望で、動物シリーズを使いたいということだったので、セレクトしたイメージです。元は1980年代半ばに描いたものですが、今回のために、よりカッコよく修正してあります。

「自分のプライドをかけた真剣勝負」

ーーTシャツからラグジュアリーブランドまで、幅広くコラボレーションされていますが、「プーマ」のようなスポーツブランドとコラボレーションする際に特に意識していることがあれば教えてください。

空山:異種格闘技戦なので、お互いにクリエイティブなところで、喧嘩をしてでも高め合って、今までの世の中にないものを作ることが本当のコラボレーションだと思っています。こっちは自分のプライドをかけた真剣勝負なので、こちらの求めるクオリティーにギリギリまで付き合ってもらいます。今回も私の希望するようなものができなくて、途中で一度降りようと思いましたが、最終的になんとか形になりました。

ーー今、一番描きたいものは何ですか?

空山:描きたいものはたくさんありますが、まだ見ぬ最高傑作“Next one”です!

オリジナルシューズとウエア
空山作品をまとう

シューズは、「プーマ」のアイコニックモデル“プーマ クライド(PUMA CLIDE)”と“スリップストリーム(SLIPSTREAM)”のシルエットにアレンジを加えたオリジナルデザイン。“クライド ソラヤマ(CLYDE SORAYAMA)”(2万7500円)は、メタリックのUV加工を施したレザーアッパーが特徴で、“クライド MIJ ソラヤマ(CLYDE MIJ SORAYAMA)”(3万3000円)は、サイドのフォームストリップに“SORAYAMA”のロゴをモノグラムで型押し、ライニングにゴールドを配したメタリック仕様に仕上げている。“スリップストリーム ミッド ソラヤマ(SLIPSTREAM MID SORAYAMA)”(3万3000円)は、シルバーレザーにセーム革を組み合わせ、ゴールドのロゴをあしらった。アパレルは、「プーマ キャット」をあしらったジャケット(6万500円)や、空山の初期の作品から着想を受けたペガサスや象のロボットをデザインしたトラックジャケット(2万7500円)、フーディー(1万9800円)をラインアップする。「プーマ」の店舗、公式オンラインストア、「PUMA アプリ」で販売中だ。

PHOTO:SHUNGO TANAKA(MAETTICO)
TEXT:YUKI KOIKE(VINYL)
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