ファッション

「イヴ・サンローラン展」開幕 没後日本初となる大回顧展の12の見どころ

東京・六本木の国立新美術館は、企画展「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」を9月20日〜12月11日に開催する。観覧料は一般2300円、大学生1500円、高校生900円で、前売り券は各200円引き。入場の事前予約は不要だ。

同展は、イヴ・サンローラン美術館パリの全面協力を得て、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の没後日本で初めて開催する大回顧展だ。21歳でのデビューから、自身のブランドとして初のコレクション、美術作品や舞台芸術、そして日本から影響を受けながら独自のスタイルを確立するまでの40年にわたる歴史を、ルック110体のほか、アクセサリー、ドローイング、写真を含む約300点によって、12章構成で紹介する。

“永遠のスタイル”を築いた
12のストーリーをたどる

「ある才能の誕生」と題したチャプター0では、1953年に17歳でパリに渡り、コンクールのドレス部 門で入賞したことをきっかけに、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)のアシスタントに抜擢された後、57年に同氏の急逝により21歳の若さで「ディオール」のチーフデザイナーを務め、58年に最初のコレクション“トラペーズ・ライン”を発表するまでを紹介する。

チャプター1では、「ディオール」のデザイナーとして成功を収めた後から、ピエール・ベルジェ(Pierre Berge)らと共にオートクチュールメゾン「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」を設立し、船乗りの作業着に着想を得た最初のコレクション発表までを紹介。チャプター2では、ブランドの人気を不動のものとした、タキシードやジャンプスーツ、サファリ・ルック、トレンチコートなど「イヴ・サンローラン」のアイコニックな作品群をテーマにした。

チャプター3では織工、染色、捺染、刺しゅう、金細工、銀細工など、精緻なデザインを実現可能にした職人たちに支えられた作品を紹介する。チャプター4では「想像上の旅」と題して、読書や美術作品の収集によって想像を巡らせる机上の旅を通じて作り上げられた、「イヴ・サンローラン」らしい異国情緒溢れる作品を披露する。

続くチャプター5では、ヨーロッパのさまざまな時代の特徴的な装いをデザインに取り入れた作品を紹介し、イヴ・サンローランが幅広い時代のスタイルをデザインソースにし、自由な創造性を発揮したことを示す。チャプター6では、イヴ・サンローランが「アクセサリーは衣服を、 そして女性を変容させる」という言葉を残したように、ブランドにとっても重要な役割を果たしたジュエリーを中心に展示する。

チャプター7では「舞台芸術 ─ グラフィックアート」として演劇、バレエ、ミュージックホール、映画などの衣装を数多く手掛けた、イヴ・サンローランによるスケッチを展示。色彩や素材を駆使した絵画的な手法と、コントラストの強い線から伝わる描画の才能を伝える。

一方でチャプター8では「舞台芸術 ─ テキスタイル」として、カトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)主演の映画「昼顔」やジャン・コクトー(Jean Cocteau)の演劇「双頭の鷲」、ローラン・プティ(Roland Petit)が芸術監督を務めたミュージックホールなど、生涯を通して手掛けたさまざまな衣装を紹介する。

チャプター9では、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)、アンリ・マティス(Henri Matisse)、ファン・ゴッホ(Vincent Willem van Gogh)、ピエール・ボナール(Pierre Bonnard)といったアーティストへ敬意を払った作品を紹介する。チャプター10では、オートクチュールショーのフィナーレを飾るウエディングドレスをテーマに、19世紀の終わりから続く伝統的なガウンのドレスや、斬新なデザインのドレスを展示する。最後のチャプター11では、63年に初来日したイヴ・サンローランと日本の関係を、資料を通して解き明かす。

■イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル
会期:9月20日〜12月11日
会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
時間:10:00〜18:00(毎週金・土曜日は20時まで)
休館日:毎週火曜日
観覧料:一般2300円(前売券:2100円)、大学生1500円(同1300円)、高校生900円(同700円)
※事前予約不要

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