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花王豊橋工場が生産・物流一体型の新サプライチェーン拠点に変革 自動倉庫により出荷能力2倍へ

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 化粧・日用品の新工場建設、国内生産拠点強化が相次いでいる。背景には、2015年以降のインバウンド市場の急拡大がある。中でも目立ったのは中国人旅行者の化粧品購買意欲で、観光庁が発表した「訪日外国人の消費動向」によると、15年に日本を訪れた中国人の73.8%が化粧品・香水を購入し、平均購入額は4万7191円に及んだ。加えて、SNSが普及し“バズる”ことで商品が欠品を起こす現象が頻発。複雑化する需要に対応できる柔軟な生産態勢が求められるようになった。こうした状況を受け、各社は次々に生産拠点強化に動いた。(この記事は「WWDJAPAN」11月28日号付録「WWDBEAUTY」から抜粋し加筆したものです)

DATA
稼働年:2018年(PN棟)、23年上期予定(新・製品倉庫)
面積:9300㎡(生産棟建築面積)、7204㎡(新・製品倉庫建築面積)
年間生産数:約250万本
生産品目:キュレル(CUREL)、ビオレ(BIORE)、ニベア(NIVEA)、ブローネ(BLAUNE)、ピュオーラ(PYUORA)など
生産品目数:約600品目

 花王は、全国に10の生産拠点を有し、小田原工場や豊橋工場などで化粧品の生産を行う。1981年設立の豊橋工場は、「ビオレ」「ニベア」「キュレル」を中心に多品種少量生産に対応する工場で、2018年竣工のPN(Premium North)棟を含む3つのスキンケア・ヘアケア生産棟を敷地内に抱える。「回転の早い新製品の生産や、急激な需要変動、労働人口減少など に対応するため、ロボットやAIを活用した生産体制の構築を進めている」(射場宏文=花王豊橋工場 工場長)。

 生産棟で最も新しいPN棟は、同工場が約30年ぶりに建設したGMP(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)完全準拠の新工場で、新規技術として昨年、双腕ロボットを導入した。ヘアケア製品などのポンプキャップ供給作業を人の代わりに担う。省スペースで設置でき、ハンド部分の交換で多品種に対応。ダウンタイムを1分以下に抑えたフレキシブルな生産が可能になった。こうした包装材料の供給のほか、ダンボール搬送などの単純作業の自動化を推進している。必要最小限の人数で24時間を最大限活用した生産体制を目指す。

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