ファッション

「エンポリオ アルマーニ」の2022-23年秋冬コレクションを人気スタイリストの櫻井賢之と濱本愛弓がスタイリング指南&トークショー

 デザイナーのジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)が手掛ける「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」は9月23〜25日、エンポリオ アルマーニ銀座店で、顧客を招待したイベントを開催した。村上要「WWDJAPAN」編集長が司会を務め、スタイリストの櫻井賢之と濱本愛弓をゲストに迎えたトークセッションでは、ブランドの歴史と最新コレクションをリポートし、売れっ子スタイリスト2人によるスタイリングを披露した。その後は、3人が顧客一人一人にパーソナルスタイリングを実施。3日間で総勢120組の顧客が特別な時間を過ごした。

幅広いアイテム群から見つける
自分らしいスタイリング

 この日、櫻井氏は表情の異なるグレーのウエアを組み合わせ、濱本氏はブラックのミニワンピにロングブーツを合わせたモード感あふれるコーデで登場。そして村上編集長は、ネイビーを基調に白いダウンベストを合わせたスタイルをセレクトし、三者三様のスタイリングを披露した。

 「“エンポリオ”とは百貨店やバザールの意味を持つ英語のEMPORIUM。つまり、“なんでも揃う”ことが大きな魅力のブランド」と、村上編集長。2018年から「アルマーニ コレツィオーニ(ARMANI COLLEZIONI)」と「アルマーニ ジーンズ(ARMANI JEANS)」を統合し、より幅広いコレクションを楽しめる「エンポリオ アルマーニ」を通して、「皆さんに多様性や、自分らしいスタイリングを伝えたい」と続けた。

 櫻井氏は、「僕はスタイリストになる前に雑誌『メンズクラブ(MEN’S CLUB)』の編集者だった。そこでスーツのいろはを学んだが、『アルマーニ』から学んだことは大きい。それまでスーツはカタイものという印象が強かった。だけど、『アルマーニ』のジャケットに袖を通したときに、初めて仕立ての柔らかさや色気を感じた。カーディガンを羽織るような軽さがある」と振り返る。

 また濱本氏は、「エレガントな『ジョルジオ アルマーニ』に遊び心を加えたのが『エンポリオ アルマーニ』。春夏コレクションでもベルベットが多用され、カジュアルだけど品の良さがある。実験的で挑戦的なブランドなので、それを自分でどう組み合わせるか、考えながら楽しんでほしい」と語った。その話に被せるように、「イタリア本社には良いベルベットを調達する専任のプロフェッショナルがいる」と、村上編集長によるトリビアなども飛び出し、顧客は時折り頷きながら、終始聞き入っていた。

アルマーニのDNAである
TPOに合わせた
ジャケットの自由な着方

 櫻井氏によるメンズのスタイリング。1コーデ目は、ヘリンボーンや幾何学柄などを使った、奥行きのあるグレーのワントーンコーデ。ダブルブレストのジャケットは、モデルではフーディに合わせてカジュアルに、トルソーではセットアップのスーツスタイルとして多様する。「スーツとして着たり、ジャケットとして着たり、同じアイテムでも、それぞれに合わせた着方ができるのは、一枚仕立てのソフトなシルエットで、レイヤードしても窮屈感がないからこそ」。

 2コーデ目は、ジャケットに発色の良いグリーンのカットソーを合わせ、足元はダッドスニーカー。ジャケットは、ベルベットにこだわったブランドならではの小技が利いている。「スポーティなジャージー素材なのに、ベルベットをフロッキー加工で施すことで、大人のエレガントなストリートスタイルになる。それと対比して、トルソーのようにジャケットをシルクシャツと合わせるとフォーマルにもなる。同じジャケットをTPOに合わせて着られる汎用性の高さがある」と、こちらも1コーデ目と同様に、トルソーのスタイリングとの比較を見せた。

新旧のアイテムを組み合わせ
自分らしいコーデを楽しむ

 濱本氏によるウィメンズのスタイリング。トレンドのペールトーンをブラックのベルベットのインナーで引き締めた1コーデ目は、パンツのベルトループにスカーフを垂らす、まるでスカートのような使い方が新鮮だ。「歩いたときに広がるドレープが美しいので、アクセサリー感覚で取り入れてほしい。ジャケットとデニムというフォーマルとカジュアルのアイテムを自然に合わせられるのが『エンポリオ アルマーニ』の魅力」。

 「ブランドの中でも大好きなベルベットパンツを主役にした」という2コーデ目は、ブルーのワントーンで組み合わせた。「ドレッシーなベルベットは、チェック柄と合わせれば程よくカジュアルダウンできる。シルクシャツに大振りのネックレスをネクタイみたいな感覚で合わせた。もう少しシックにしたい場合は、バランスを見て、パールやブラックのアクセサリーにするのもいい。大振りのネックレスは毎シーズン発売されている。『エンポリオ アルマーニ』は過去のアイテムとも相性がいい。自分のワードローブを大切にできるので、これまで買ったモノと新しいモノを組み合わせて楽しめる」。

今季のコレクションは
個性を“色彩”で表現

 「エンポリオ アルマーニ」の2022-23年秋冬コレクションのテーマは、“RHYTHM OF COLOR(色彩のリズム)”だ。個人個人が持つ魅力である「個性」を、カラー使いで強調する。ウィメンズコレクションでは、ピンクやグリーン、コーラルなどの明るい色を、メンズコレクションでは淡い色から濃い色までのグレーを多用。マクロとミクロの幾何学模様のパターンで、色と色とのコントラストを際立たせ、ときどきネオンのような色彩をプラスすることで、“エンポリオ流”の遊び心を表現している。

PHOTO:SHUNGO TANAKA(MAETTICO)
EDIT&TEXT:YUKI KOIKE
問い合わせ先
ジョルジオ アルマーニ ジャパン
03-6274-7070