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ユニクロ親会社が20年8月期営業利益を1000億円下方修正 「戦後最大の人類の危機に前向きに打ち勝つ」

 ファーストリテイリングは、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受けて、2020年8月期連結業績(国際会計基準)予想を下方修正した。暖冬の影響で1月に下方修正していたが、再修正後の売上高に相当する売上収益は前期比8.8%減の2兆900億円(修正前は同2.2%増の2兆3400億円)、営業利益は同43.7%減の1450億円(同4.9%減の2450億円)。減収となれば03年8月期以来17年ぶり。新型コロナ感染拡大は「戦後最大の人類の危機」として、「こういうときこそ原理原則に立ち返って、世の中にどのような価値が提供できるかを考えることが大切」と柳井正会長兼社長は強調する。

 20年8月期上期(19年9月~20年2月)の連結業績は、売上収益が前年同期比4.7%減の1兆2085億円、営業利益が同20.9%減の1367億円だった。「『ジーユー(GU)』以外の全セグメントで計画を大きく下回った。原因は新型コロナ。中国本土に香港、台湾を加えたグレーターチャイナと、日韓関係の悪化も作用した韓国で大幅な減収減益となった」(岡崎健取締役グループ上席執行役員最高財務責任者)。

 セグメント別では、国内ユニクロ事業は売上収益が同5.7%減の4635億円。暖冬で減収となったが、円高傾向で原価率が改善したことなどで、営業利益は同5.7%増の716億円と増益。

 海外ユニクロ事業は売上収益が同6.7%減の5412億円、営業利益は同39.8%減の532億円。インドネシア、フィリピン、タイ、欧州などは好調だったものの、稼ぎ頭のグレーターチャイナで1月末から一部店舗を休業、2月には最大で395店を休業した。その結果、中国本土の2月単月の既存店売上高は前年同月に比べ約8割減。ただし、3月は週を追うごとに回復し、足元の既存店売上高は前年の3割減まで回復しているという。

 ユニクロ苦戦の一方で、ジーユーは引き続き好調だった。売上収益は同12.9%増の1322億円、営業利益は同12.0%増の158億円。暖冬にも対応できるニット類や“中間アウター”のバリエーションをそろえたことでヒット商品が多数出た。加えて、QR(期中生産)の本格化・精度向上や、客の声を生かした定番商品の改善なども貢献した。

 20年8月期の通期業績予想は、「新型コロナが6~8月にかけて徐々に終息する」という仮定のもとで算出している。国内ユニクロ事業の売上収益は4~5月で同10~30%減、6~8月は同5~10%減を見込む。3月の既存店売上高は前年同月比27.8%減だった。グレーターチャイナは4~5月が前年同期比10~40%減、6~8月が前年並み~同10%減、ジーユー事業の4~5月は前年並み~同5%減、6~8月は同5%減~5%増という想定だ。

 こうした結果を踏まえて、「新型コロナ感染拡大は、地球環境の危機や各国の政治問題、通貨の膨張、投機の過熱などさまざまな本質的問題をはらんでいる。新型コロナは(それらの問題が噴出する)“引き金”になったに過ぎない。これは人類に対する警告」と柳井会長。「今回を古い仕組みを大胆に変える前向きな機会にしたい」「こういうときこそ、それぞれの企業やブランドに何が期待されているかを追求することが大切」と続ける。この間積み上げてきた潤沢な資金を背景に、今後も有明プロジェクト遂行に向けたシステムや物流への投資、海外出店は続ける。