「エムシーエム(MCM)」は9月30日まで、“ベアブリック(BE@RBRICK)”に特化した初の展覧会「ベアブリック イン エムシーエム ワンダーランド」を韓国のフラッグシップストア・エムシーエム ハウスで開催している。ソウルで開催中のアートフェア“フリーズ ソウル”に合わせての実施となる。エムシーエム ファッショングループジャパンの金海利社長の企画を、メディコム・トイの赤司竜彦CEOがキュレーションした。現代美術家の谷敷謙やヘッドピースデザイナーの日爪ノブキ、革工芸ブランドの「印傳屋」が没入型のアート体験を届ける。
アート熱高まる9月の韓国で
アートフェア“フリーズ”は、2003年に英ロンドンで始まった。アートを見るだけでなく“買える”場として、国内外から支持を獲得する。その後、米ニューヨークやロサンゼルスにも上陸し、世界有数の現代アートフェアへと成長。アジア初進出となった韓国では、22年から継続的に開催している。4回目となる今回は、30カ国以上から120のアーティストやギャラリーが参加している。
今回の展覧会は、そんな“フリーズ ソウル”の会期中に開催する。アイコニックな“ヴィセトス柄”をまとった“ベアブリック”がエムシーエム ハウスの屋上に出現し、アートに関心の高い来場者を非日常の世界に誘う。
店内に広がる3者3様の世界
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まず来場者が対面するのが、ヘッドピースデザイナーの日爪ノブキのインスタレーションだ。中央に“ベアブリック”とコラボしたアートピースを置き、その周りを日爪のシグネチャーピースを着に付けた“ベアブリック”で囲んだ。日爪は19年、フランス版人間国宝と呼ばれる「国家最優秀職人章(M.O.F.)」の帽子職人分野を日本人として初めて受章しており、その世界的な技法を間近で見られるまたとない機会となる。
3階に上がると現代美術家・谷敷謙の世界が広がる。へらで溝に布地をはめ込む人形制作の技法“木目込み”を得意としているという谷敷。本展で“ベアブリック”がまとった16年の代表作「PAUSE-Usa Usa」は、木目込みで作る雛人形に“親から子への愛”を見いだしたことから、実の娘の古着を材料に用いた。フロア一体に広がるコスモスの花畑や、それを照らすピンクの照明も、そんな谷敷の優しい世界観を表現している。
最後に来場者を迎えるのは、5階の革工芸ブランド「印傳屋」のフロアだ。同ブランドは、鹿革に漆で模様を描く伝統技法“印伝”を、戦国時代から400年以上にわたり継承している。今回もそんな“印伝”で「エムシーエム」の“ヴィセトス柄”を艶やかに再現し、400%の“ベアブリック”に施した。一方、フロアの中央にある樹木の周りに配置した複数のデジタルスクリーンは、小桜や椿、青海波など、日本の伝統的なパターンを伝えている。
展示内容は“持ち帰る”ことができる
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本展では、谷敷の作品「PAUSE-Usa Usa」を水圧転写でプリントした100%と400%の“ベアブリック”セット(3万3000円)や、印傳屋の職人が作る400%のハンドメード“ベアブリック”(46万2000円)、木工の老舗カリモクが製作した400%の木製“ベアブリック”(22万円)など、コレクター必見のトイがめじろ押しだ。そのほか、本展限定のプリントTシャツやナイロンショルダーバッグ、チャームなどもそろえる。
これらコラボアイテムは、韓国と日本の「エムシーエム」やメディコム・トイの直営店および公式ECで販売している。数量限定のためなくなり次第終了となる。
「エムシーエム」のバッグを手にレセプションへ
9月2日のレセプションには、日本や韓国、タイからからVIPゲストが来場した。中には、韓国の人気ボーイズグループATEEZのミンギやガールズグループMAMAMOOのムンビョルらの姿もあった。エムシーエム ハウスの前には、彼らの姿を一目見ようと多くのファンが集まった。
会場:MCM HAUS
住所:ソウル特別市 江南区 清潭洞 狎鴎亭路 412
会期:9月3〜30日
開館時間:11:00~20:00
入場料:無料