ファッション

ITS受賞者木村康人が語るサクセスストーリー

 若手デザイナー発掘の登竜門といわれるアワード「ITS(インタ—ナショナル・タレント・サポート)」が、7月11〜12日、イタリアのトリエステで開催された。1000人以上がエントリーした中で、ファイナリスト30人のうち日本人が8人、最終的に4人が受賞。そのうち、「ショースタジオ賞」を受賞したエスモード ジャポン東京校出身の木村康人に感想を聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):ITSに挑戦したいと思った理由は?
木村康人(以下、木村):以前から西洋の文化やクリエイションにあこがれがあった。自分がその世界でどれだけ結果を出せるのか、学生生活最後の作品で挑戦したかった。

WWD:ITS受賞までのプロセスは?
木村:エントリーしたのは、「トウキョウ・ハードワーク・スタイル」をテーマにしたメンズウエア。作品を紹介するワークブックを制作し、ITSに提出。書類選考後、ファイナリスト選出のメールが届き、トリエステでのプレゼンテーションに臨んだ。6体のモデルウォーキングと英語での作品説明を審査され、「ショースタジオ賞」の受賞が決まった。まわりは、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズやニューヨークのパーソンズの優秀な学生ばかりで、自分が受賞できると思わなかった。

WWD:受賞できた理由は何だと思う?
木村:私の作品が、欧米のファッションの歴史観やモード感とはズレている面白さが受け入れられたと思う。私もそこを狙っていた。

WWD:「ショースタジオ賞」とは?
木村:イギリス人ファトグラファーのニック・ナイトが立ち上げたファッション・ウェブ・サイト「ショースタジオ」の名前が冠された賞。副賞として、自分の作品を「ショースタジオ」でシューティングでき、作品を展示、販売もできる。また、作品2点がトリエステにあるITSのアーカイブに収蔵される。

WWD:そもそも大学卒業後、エスモード ジャポンに学んだ理由は?
木村:東京造形大学時代は彫刻専攻に在籍し、粘土や木を材料に人体を彫っていたが、4年間、ただ自分の好きなことをやってきただけで趣味的な域を出ず、物足りなさが残った。彫刻を通して作ってきた人物像、人間像、キャラクター像は、服作りにも通じると興味を持ち、ファッションを学ぶことにした。

WWD:就職先としてアバハウスインターナショナルを選んだ理由は?
木村:以前から「デザインワークス」に興味があった。メンズの服作りを十分に経験できるブランドだと思う。将来、ある程度の結果を出したら、自分と会社が同じ方向に行けるメンズのオリジナルブランドを立ち上げたい。海外でも評価されるグローバルブランドだ。

WWD:今、ファッションを学ぶ後輩たちへのアドバイスは?
木村:服を作る時は、ただ漫然と自分の好きなものだけを作るのではなく、予めゴールや着地点を決めておくこと。私は、ITS挑戦のために服を作り、受賞できた。そうでなければ、単なる自己満足で終わってしまう。

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