米ニューヨーク発の「アダム リぺス(ADAM LIPPES)」が今年、日本市場に上陸する。クラシックなアメリカン・スポーツウエアを再解釈し、ラグジュアリーに昇華させた同ブランドの魅力は、米国のエグゼクティブをはじめ、自立心溢れる女性たちを引きつけてやまない。贅沢な素材使いと緻密なテーラリングから生まれるコレクションは、控えめなエレガンスと凜とした佇まいがある。
一目で上質と分かる素材使いと控えめなエレガンスを追求している「アダム リぺス」は、目の肥えた女性たちを長年とりこにしてきた。ブランド設立当初から“クワイエット・ラグジュアリー”の哲学を体現し、クオリティーとエレガントなデザインを両立させることで、ブランドを着実に成長させてきた。直近の米大統領の就任式ではメラニア・トランプ大統領夫人が「アダム リぺス」の濃紺のコートドレスを着用したことが知られており、アダム・リぺスの服はこれまでもジル・バイデンやミッシェル・オバマら歴代大統領夫人に愛されてきた。まさに名実ともにパワーウーマンたちに選ばれてきたブランドなのだ。
投資銀行でキャリアをスタートしたデザイナーのアダム・リぺスは、幼い頃からの夢を諦めきれず、「ラルフ ローレン」でファッションデザイナーのキャリアをスタート。その後「オスカー デ ラ レンタ」で技術をブラッシュアップし、2013年に自身の名を冠したブランド「アダム リぺス」を立ち上げた。伝統的なアメリカン・スポーツウエアを再構築し、最高級の素材使いと精緻なテーラリングで人々を虜にしてきたが、リぺスの手から生み出されるラグジュアリーな世界は彼の生活の一部であり、幼少期から自然と備わっていた。
雑誌などでたびたびフォーカスされてきた彼の自宅や別荘のインテリアは、こだわり抜かれたアートや家具で作られるラグジュアリーな空間だ。そうした環境の中で育ったリぺスにとって贅沢な素材使いは自然なこと。たびたびコレクションで見られる珍しいテキスタイルは、通常インテリアに用いられるものを使用するなど、アートや建築、インテリアは彼のクリエイションとは切っても切り離せない。
2025年秋冬シーズンはイタリアのシチリアからインスピレーションを得た。シチリア島にある建築家兼インテリアデザイナーのジャック・ガルシアが有するヴィラ・エレナの、17世紀のフランドルのタペストリーやベルベット、シルクジャカードやレオパードのカーペットで構成された大胆な装飾がコレクションに投影された。クラシックなアメリカン・スポーツウエアの要素を取り入れたポンチョはシルクで仕立てられ、一見カジュアルな面持ちのコートも100%カシミヤのコーデュロイを用いることで高級感を漂わせている。テーラードを軸としたスタイルのラインアップも豊富で、顧客からは根強い人気がある。ジャケットにはシルクの裏地を採用し、見えない部分にまでこだわっている。レオパード柄のシニールはインテリアに使われているもので、実にユニークな表情だ。ダブルフェイスのカシミヤコートは極上の質感で、シンプルながら、仕立ての良さを醸し出す存在感がある。
これらのコレクションは、米国各地のプライベートサロンで触れることができる。中でもマンハッタン・アッパーイーストサイドのサロン(写真左)は、1896年に建てられた828フィフスアベニューを改装した、ブランドを象徴する上質・洗練の空間だ。ビンテージの家具や装飾、小物も購入することができる。服だけでなく、親密な空間で受ける極上のサービスも、そのラグジュアリーな世界観を作る大事な要素だ。
「アダム リペス」は2030年までに世界で最大31店舗の出店を掲げている。中でも日本は重点戦略エリアとして都心部への出店や卸売りに力を入れ、近く東京に店舗オープンを検討している。「アダム リペス」が作り出すアメリカン・ラグジュアリーの世界は、目の肥えた日本の女性たちをもとりこにするだろう。
Adam Lippes K.K.
03-6820-5610