ファッション

「G-SHOCK」が三好良の「エブリワン」とコラボ シンプルを極めた黒紺白のセットボックス

 タフネスウオッチの象徴「G-SHOCK」が、三好良氏による新ショップ「エブリワン(everyone)」とコラボし、“GAE-2100EV”を発売する。三好氏はこれまで、セレクトショップ「 1LDK 」のクリエイティブ・ディレクターとして活躍。独自の世界観と流行に左右されないセレクションは、業界内外から好評で、多くのファンに支持されている。独立後、新たに始めた東京・祐天寺のアポイント制ショップ「エブリワン」は、オープンしてわずか2〜3カ月でありながら、既に半年先まで、入店予約で埋まっているという。三好氏のこだわりが詰まった「G-SHOCK」は、シンプルを目指した“コラボらしからぬ”アプローチが新鮮で、黒紺白の3色のベゼルとバンドを付け替えられるというもの。三好氏にインタビューし、コラボモデルの魅力に迫る。

ショップ?ブランド?
「エブリワン」とは何か?

――アポイント制のショップ「エブリワン」とは?

三好良・三好事務所代表(以下、三好):記憶も順序も曖昧なんですけど、“自分に近いもの”を作ろうと思ったところから、毎日やっていた中で生まれたというか。独立したタイミングであったわけではないし、明確なビジョンや狙いがあったわけでもない。祐天寺を選んだのもただこの辺りが好きなだけで、ブランド名も無い状態で洋服を作っていたら、たまたま事務所の近くに物件が空いて、だったら何かやってみようかなと思って始めました。「エブリワン」という名前は、スタイリストの山本康一郎さんに付けてもらったんです。そこからより考えがクリアになっていって、だんだんブランドになっていきました。

――ブランド名を決めた経緯を詳しく教えてください。

三好:名前を付けるのは時間がかかるし、子どもの名前を考えたインパクトが大き過ぎて、それ以上のものが全く出てこなかった。康一郎さんに相談したら、何日かして電話をもらって「エブリワンってどう?」と。ピンと来て、その場で即決しました。もともと、みんなに買ってもらえればいいなとか、みんなが着ているといいなとかとは思っていましたけど、康一郎さんには、何を作っているとかどんなブランドにしたいとか、特に伝えたわけではないんです。だけど、自分のことをよく知ってくれている康一郎さんだからこそ、そういう風に思ってくれたんじゃないかな。「エブリワン」の洋服は着ていてバレないもの。誰かと同じものを着ていても、それぞれ着た人のものになるような服。そんな服を作っているつもりです。

ワードローブは黒、紺、白。
いつものスタイルになじむモデル

――今回のコラボモデルのアプローチもそういう考え方があるんでしょうか?

三好:僕自身の着る洋服が毎日、黒、紺、白のどれか。全身黒の日もあれば紺の日もあるし、たまに黒と紺を合わせて着る日もある。夏の日は白Tで、素材やフィット感が違うものを選んで着ています。スポーツウオッチは時計が主役になりがちだから、そうじゃなく、いつもの自分のスタイルになじむもの。ブランドロゴが載っているものじゃなくて、一見コラボと分かりづらいものを作りたかったというのが、結果的にコンセプトなのかもしれません。服装に合わせて時計を付け替える性格でもないので、ベゼルとバンドをそれぞれ黒、紺、白に替えられるようにすれば、1本で大丈夫だし、やっていくうちに色がミックスされている方が使いやすいことに気付いたので、文字盤は黒ではなく、紺にしました。あとは、ベゼルと文字盤にそれぞれ入っていた“G-SHOCK”のロゴを一つにして、極力シンプルにもしています。さかのぼるとお話をいただいたときには「エブリワン」はまだなかったのですが、今作るとしても同じようなアプローチになると思います。

――ベースになった“GA-2100”のどこに魅力を感じて、どう変えたんですか?

三好:軽さと薄さ、巻いたときのフィット感ですね。ただ、“GA-2100”のインラインモデルも既に完成していて、それでも十分だし、どうやったら自分のスタイルに変えられのか悩みました。だから、ちょっと気になるところを変えただけです。過去にも時計を何度かデザインしたことがあるのですが、洋服と全然違ってすごく難しいんですよ。立体感もあってパーツも複雑なので、どこをどこまで変えられるかのロジックが洋服とは全く異なります。制限されたデザインの中で個性をどう出すかが難しい。一人ではまとまらないだろうと思い、以前、時計をデザインしたときにご一緒したグラフィックデザイナーの上田佑介さんに手伝ってもらいました。

バンドやボックスも特別仕様
細かいこだわりが光る

――バンドには、乗馬で使用される“あぶみ革(馬具の一種で、鞍につり下げる革のひも)”から着想を得て、バンド穴に沿ってアラビア数字を刻印したそうですね。

三好:小さいころから「G-SHOCK」が好きで、よく着けていたので分かるんですが、着け外しを繰り返していると、ベストな穴はどこか、分からなくなっちゃうんですよね。だから、目印があった方がいいなと思って数字を刻印しました。ホットスタンプという熱で圧着して凹凸をつける技術を使っているのですが、「G-SHOCK」は穴の間隔が決まっているので、何度もテストしていただいて、やっと実現しました。

――ボックスも特別仕様です。

三好:もともとのボックスをベースに、百貨店の包装紙をイメージしました。このデザインの延長線上に上田さんもいるというストーリーを見せたかったので、上田さんにイメージを伝えて、グラフィックを手で描いてもらっています。箱の中の緩衝材も、もともとは黒なんです。だけど、今回は白の方が、気分が上がるんじゃないかなと思って変えました。通販で買ったときに、ブランドの名前が書いてあるテープなんかで梱包してあると気分が上がるんですが、それに似た感覚ですかね。既存の完成されたものを変えるなら、それぐらいの細かいところでいいと思います。

――改めて、「G-SHOCK」の魅力は?

三好:世界一タフなこと。子どものころは、わざと高いところから床に落として、壊れないか試したりもしました。もちろん、全然壊れないんですが、それが男心をくすぐるんですよね。

「エブリワン」で先行発売も
販売方法を要チェック!

 1983年の誕生以来、“どこまでも強く”を信念に、構造、素材、機能のあらゆる面からさらなるタフを追い求めてきたカシオ計算機の「G-SHOCK」。今回のコラボモデルには、ベースに、オクタゴン(八角形)をかたどったベゼルと薄型ケースが特徴の“GAE-2100 ”を採用した。文字盤をネイビーとグレーでシンプルに仕上げ、ベゼルとバンドは、ブラック。ネイビーとホワイトの2色が別途付属し、好みのカラーに交換可能だ。バンド穴には、乗馬で使用されるあぶみ革をイメージソースにしたアラビア数字を並べた。定価は税込 3 万800円。 3月25日に「エブリワン」の店舗とECで先行発売し、4月14日にカシオ公式オンラインストアで数量限定発売。なお、カシオでは4月1日13時から4日23時59まで抽選予約を受け付ける。

PHOTO:TAKU MATSUDA
TEXT:YUKI KOIKE
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