ファッション

「アミリ トーキョー」誕生 新天地で描く次世代のラグジュアリー

 米ロサンゼルスを拠点とする「アミリ(AMIRI)」が、東京・南青山に旗艦店をオープンした。直営店は世界6店舗目で、アジアでは中国・上海に次ぐ2店舗目だ。マイク・アミリ(Mike Amiri)CEO兼クリエイティブ・ディレクターは、同店を「真のラグジュアリーへのステップアップには欠かせない」と位置づける。メゾンが愛するLAのムードを保ちながら、日本の伝統技術を各所に取り入れて、誰もまねできないクリエイティビティーを探求する「アミリ」の世界観を体現する。

“僕らは新たなステージへと
駆け上がる”

WWD:東京への出店を決めた理由は?

マイク・アミリ(以下、アミリ):東京はファッションの多様性を代表する街で、個性とクリエイティビティーに溢れている。メゾン設立当初からとても重要なマーケットで、出店は念願だった。ここに来れば、われわれがどんなメッセージを込めてものづくりを行っているかを理解できるはずだ。より多くのユーザーに、メゾンを知ってもらうきっかけになってほしい。

WWD:「アミリ」が掲げる“次世代のラグジュアリー”とは?

アミリ:従来のメゾンが大切にしてきた伝統やヘリテージを持ち合わせながら、新しいカルチャーと密接につながり、社会を代弁するような存在だ。現代社会では新たなシーンが次々に登場し、刺激が生まれ続けている。若い世代にもラグジュアリーのストーリーを伝えるには、彼らとの対話を持ち続けなければいけない。「アミリ」はものづくりへのピュアな欲求から始まったが、クリエイションと向き合い、メゾンの世界観を築いていくうちに、“次世代のラグジュアリー”へと変わっていった。

WWD:間もなく立ち上げる2022-23年秋冬コレクションのこだわりは?

アミリ:店舗のアートも手掛けてくれたウェス・ラング(Wes Lang)との協業だ。あらゆる画材とテクニックを思いつくままに操る彼の姿を見て、アートワークを単にグラフィックとして採用するのではなく、服をキャンバスに見立てて、刺しゅうやジャカード、ペイント、色落ち加工など、さまざまな技法で表現していった。ぜひ店舗で重層的なクリエイションを目の当たりにしてほしい。

WWD:6月に発表した23年春夏コレクションでは、テーラードを強く打ち出した。

アミリ:次世代のラグジュアリーに大切なのは、いろんな側面を常に取り入れること。だから、「アミリ」が持つカジュアルなムードと着心地の良さをテーラードにミックスした。ブレザーだったら、ライニングやつなぎの部分を外して軽くしてみたり、ウール素材にビンテージ加工をして古いTシャツのような質感にしたり。コアなファンのほか、新たなユーザーからの手応えも大きい。

WWD:メゾン設立から8年がたった。今後の展望は?

アミリ:短期間でこれだけ成長できたのは、自分たちがどんなメゾンかを明確にして、メッセージを届けてきたから。誰もまねできないオリジナルなインスピレーションとオーセンティックなイメージをそのままに、メゾンの間口を広げて、大きな夢を描き続けたい。「アミリ トーキョー」とともに、新たなステージへと駆け上がっていく。

ガラス張りの心地よい空間に
自然の豊かさをプラス

 「アミリ トーキョー」は、店舗面積204㎡で2フロア構成だ。1階は自然光がたっぷりと注ぐ全面ガラス張りの空間で、コンクリートをベースにしたシンプルな設計。つり下ろし式のハンガーラックなどで要素を削ぎ落としながら、大理石の什器やオーク材の台、観葉植物をミックスして、自然の豊かさを表現した。シルクシャツやデニムといった定番アイテムをはじめ、バスケットボールをモチーフにしたバッグやレザーグッズ、フットウエアなどのメンズコレクションを集積する。店内各所には、アミリの友人であり、2022-23年秋冬コレクションで協業したアーティスト、ウェス・ラングによる描き下ろしのアートワークを設置。LAから世界に名を広めた同氏の作品が、同じくLAから次世代のラグジュアリーを伝える「アミリ」と共鳴する。

盟友による大型アートワークがお出迎え
常設店初のウィメンズコーナーも

 2階は、ローソファーや彫刻のようなテーブルなど、洗練された家具をゆったりと配置し、リラックスした空間を演出した。中央に敷いた市松模様のラグが、日本の伝統と温もりを感じさせる。ウェス・ラングが東京店のために制作した大型のアートワークが目を引く中央のコーナーには、メゾンの最新アイテムやカプセルコレクションをラインアップ。ウィメンズコーナーも充実し、ブラウスやコートといったウィメンズアパレルと、スニーカーやレザーグッズなどを用意する。上層階の外装は、黒漆喰を日本伝統の左官工法で仕上げ、ガラス張りの下層とのコントラストを生み出している。

東京店限定のアイテムたち

 「アミリ トーキョー」限定のカプセルコレクションも販売。メゾンの象徴的なデザイン“ボーンスタック”を、日の丸に着想した赤と白でアレンジして、フーディーやTシャツ、スエット、トランクス、ハットに落とし込んだ。

INFORMATION

住所:東京都港区南青山5-3-27
時間:11:00~20:00
不定休

PHOTOS:AMIRI, SHUHEI SHINE
問い合わせ先
アミリ/スタッフ インターナショナル ジャパン
クライアントサービス
0120-106-067