ファッション

名門セント・マーチン美術大学が“ウルトラスエード”を採用する理由 東レの動画プロジェクト「Beyond the Material」

 東レは6月13日、人工皮革“ウルトラスエード®(Ultrasuede®以下、ウルトラスエード)”の公式ウェブサイトで、インタビュー動画プロジェクト「Beyond the Material」の第4弾を公開した。同プロジェクトは、1970年にデビューした“ウルトラスエード”が50年以上育んだ“5つの価値観”を、著名クリエイターの声を通して解き明かしていくもの。

 第1弾は「東レの代表ブランドとして。」について、「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE)」の宮前義之デザイナーが、第2弾は「技術革新で、無限の広がりへ。」について、米カリフォルニアのバークレーにある気鋭のデザイン会社ビリオ(BILIO)の設立者、ビリー・スミス(Billy Smith)が、第3弾は「お客様と価値を高め合う。」について、“現代の名工”家具職人であるコマ(KOMA)の松岡茂樹が登場した。

 今回は、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)やフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)ら多くのデザイナーを輩出した世界屈指のファッション名門校、ロンドンのセント・マーチン美術大学のサラ・グレスティ(Sarah Gresty)教授にインタビューを実施。“5つの価値観”のひとつ「豊かな社会を次世代へ。」をテーマに、同校の登竜門である「ホワイトショー(White Show)」で、“ウルトラスエード”を採用する理由を語っている。

 「ホワイトショー」はセント・マーチン美術大学でファッションを専攻する初年度の学生が、純白の生地に各々の思いを込めて制作した作品を披露する、年に一度のファッションショーだ。白い生地のみを使用することで、被服デザインの立体的な表現を実践的に学ぶことができる。このショーでは、2018年から部分植物由来原料を用いた“ウルトラスエード”が一貫して指定素材に選ばれ、学生たちはその純白でサステナブルな素材と向き合いながら、デザイン・制作した作品を披露するという。

 グレスティ教授は動画で、「“ウルトラスエード”は手触りや見た目の美しさだけでなく、そのハリやコシによって学生たちは本当に素晴らしいデザインを作り出すことができる。また、植物由来の生地であることは、大学のサステナビリティ理念に照らしても重要なこと。質や厚みの違う“ウルトラスエード”に触れることで学生たちはさまざまな可能性を見つけ出すことができる」と、説明する。

 「Beyond the Material」は第5弾を6月27日に公開予定だ。ラストを飾るのは自動車業界の先頭を走るクリエイター。未来の“美しき可能性”に向けて進化する素材らしく、「素材で次世代のためにできること」を今後も追い求めていくという。

問い合わせ先
東レ ウルトラスエード事業部
03-3245-5401