ファッション

ロンドンメンズの若手に学ぶ ショー成功の秘訣は足もとにあり

 2018-19年秋冬シーズンのコレクションサーキットがいよいよ開幕しました。その先陣を切ってスタートしたロンドン・メンズ・コレクションですが、現在大きな過渡期を迎えています。一時期は「バーバリー(BURBERRY)」や「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」など知名度のあるブランドと気鋭の若手がバランスよく並び、他の都市に引けをとらない盛り上がりを見せていました。しかし続々と人気ブランドが他の都市でショーを開催したり、ウィメンズ時期に男女合同ショーに移行したりと、徐々に規模が縮小しています。今シーズンはいよいよ日程も1日短縮され、さらに毎回大掛かりな演出でエンターテインメントを提供してくれていた「ヴィヴィアン ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」でさえランウエイショーを開催せず、デジタルプレゼンテーションに切り替えています。

 必然的にまだまだ知名度の少ない若手中心のラインアップとなってしまったロンドンメンズですが、悪いことだけではありません。取材を進めるうちに、規模の小さいブランドにランウエイショーをより魅力的に見せるためのヒントが隠されていることに気がつきました。注目はその足もと。スポーツメーカーやシューズメーカーがデザイナーとタッグを組み、メーカーの既存モデルや、新たに協業して製作したシューズがランウエイにたくさん登場しているのです。

 単発のコラボモデルを発表しているだけではなく、協賛として全ルックにサポートしているのがポイントです。どの組み合わせもお互いの世界観が上手く融合しており、ルックとシューズがとても魅力的に見えました。

 ウエアからスタートしたブランドにとって、シューズを作るためには大変なコストが伴います。ましてやショーに使用するとなると、ある程度の数量も必要となります。しかしメーカーのサポートさえ得られればその問題がクリアできるだけではなく、突貫で用意したシューズや、必然性を感じない裸足でのスタイリングに比べて見た目は圧倒的に良いはずです。

 またメーカー側にとっても自社製品を世界にアピールできる効果が得られます。スポーツメーカーやシューズメーカーの取材をしていると、「ファッションのイメージをもっと強くしたい」という声をよく聞きます。そんなメーカーの方々や、東京でランウエイショーを目指す若手ブランドのデザイナーの皆さま、ロンドンメンズの若手のように、お互いのビジネスのためにタッグを組んでみてはいかがですか?

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