丸紅は23日、メイクアップブランド「ロムアンド(ROM&ND)」を展開する韓国のアイファミリーエスシー(IFAMILYSC)の株式を取得すると発表した。韓国に設立した完全子会社ウェルライアント(WELLIANT)を通じて公開買付けを実施し、発行済み株式の20〜28%の取得を目指す。丸紅は2023年にタイの化粧品企業カーマート(KARMARTS)に出資しており、今回の投資によって韓国とタイを軸としたアジアの美容・パーソナルケア事業を強化する。
最大約560億ウォンを投じ、株式20〜28%の取得を目指す
現地報道によると、公開買付価格は1株当たり1万2000ウォン(約1400円)で、前日終値に対して42.5%のプレミアムを上乗せした。買付総額は最大約560億ウォン(約66億円)。買付期間は10月23日から11月11日までで、11月13日の決済を予定する。今回の取引は公開買付けによる株式取得を目指すもので、現時点で取得は完了していない。発表を受け、アイファミリーエスシーの株価は23日午前、一時、値幅制限の上限まで上昇したと韓国メディアが報じた。また、公開買付け後、丸紅は保有比率に応じて少なくとも1人の取締役を指名する権利を持ち、同社の海外事業を支援する見通しだという。
なお、日本では韓国コスメの輸入卸売りや専門店「コスメリメイク(COSME REMAKE)」を運営する韓国高麗人蔘社が「ロムアンド」の正規販売代理店を務め、バラエティーショップやドラッグストアなどで販売している。今回の丸紅による出資に伴う国内の販売体制や既存代理店との関係への影響については、明らかになっていない。なお、日本国内の販売体制や既存の流通パートナーとの関係については、現時点で変更の有無は明らかになっていない。
タイと韓国を軸にアジアの美容事業を強化
丸紅は23年、タイで化粧品ブランドを展開するカーマートに出資。25年11月には追加出資を発表するなど、アジアの美容・パーソナルケア領域で事業基盤を拡大してきた。今回の出資では、韓国のアイファミリーエスシーとタイのカーマートが持つブランド開発力や販売基盤を生かし、東アジアから東南アジアにかけて事業展開を強化する。若年層や中間所得層を対象としたブランドポートフォリオの拡充を目指す。
「ロムアンド」は16年に誕生した韓国のメイクアップブランド。リップ製品などを中心に人気を集め、日本や中国、東南アジアのほか、米国や欧州でも展開する。今回の出資は、丸紅にとってKビューティブランドの海外展開を支える事業基盤を拡充する機会となる。