「WWDJAPAN」9月28日号は、サステナビリティ特集「循環は、日本から」をお届けします。大量に作り、売り、捨てる——。そのリニア型のものづくりから、日本のファッション産業は循環型へと進めるのか。掛け声ではなく、データでその現在地を確かめました。
アパレル、繊維商社、セレクトショップなど主要企業48社から回答を得たアンケートからは、課題と可能性に加え、企業内の体制の現状が浮き彫りに。担当者や専門部署を置く企業は7割を超えた一方、サステナビリティを役員報酬や人事評価という社内の仕組みに連動させている企業は、ごくわずか。土台はできた、問われるのはその先だ——そんな業界の姿を追いました。
また特集では、サステナビリティを全社員の人事評価につないだ唯一の企業「ビームス(BEAMS)」を深掘り。官の最新動向として経済産業省と環境省を取材し、欧州のデジタル製品パスポート(DPP)の現在地、中小企業の背中を押す金融の現場(みずほ銀行)にも話を聞いています。数字と現場の声で、日本の循環の“いま”をたどる一冊です。
表紙を飾るのは、千葉・銚子の外川漁港で漁を営むベテラン漁師、豊倉利美さん(73)で、着ているキンメダイ柄のTシャツは、「ダブレット(DOUBLET)」。使い終えた漁網から生まれたリサイクル糸「MURON(ミューロン)」を使用しこの表紙のために制作されたスペシャルな一着です。約15年前から廃漁網の回収を続けてきた一人の漁師から、パリコレのブランドへ——ものが循環していく物語を、産地から描いています。
「ルルレモン」新CEO、ドナテラの新ブランド、北欧オスロのショーから“超人”糸井嘉男まで
海外の動きも幅広く取り上げます。「ルルレモン アスレティカ」は9月8日、ナイキ出身のハイディ・オニールを新最高経営責任者(CEO)に起用しました。減速する同社の業績の推移と、新トップへの専門家の助言をまとめています。ドナテラ・ヴェルサーチェは、米リボルブ・グループとの合弁で新たなファッション&ビューティブランドを立ち上げ、自らチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任。OTBは「ディーゼル」のグレン・マーティンス=クリエイティブ・ディレクターの退任を発表しました(「メゾン マルジェラ」は続投)。ほかに、モデルのプレスリー・ガーバーが27歳で死去したこと、米CFDAのスティーブン・コルブ社長兼CEOが辞任したことも報じます。
ミニ特集は、オスロで8月31日〜9月5日に開かれた「オスロ・ランウエイ2026」。海外販路を狙うブランドから、新しい表現に挑む若手まで、多様なプレーヤーが育つ北欧のショーの現在地を、現地取材でリポートします。
美容ジャーナリスト・齋藤薫さんの連載「ビューティ業界へのオピニオン」は、化粧品の効能表現をめぐる“薬事”規制の緩和がテーマ。根拠があれば数値データや体験談も使えるようになり、世界一厳しいといわれた日本の言葉の縛りが、ようやく動き出します。連載「ガレージおれ」は、「ヴァンキッシュ」創業者・石川涼が、業界の“センスのいい人”の愛車から価値観を探る企画。今回のゲストは、雪駄とスニーカーを掛け合わせたフットウエアで知られる「ごゑもん」の大西藍さん。石川と同じ1991年式フォルクスワーゲン「ゴルフ カントリー」を手に入れた二人が、あえて“被った”理由に迫ります。
「ファッションパトロール」には、プロ野球界で“超人”と呼ばれた糸井嘉男が登場。アクティブウエア「クロノス」のアンバサダーを務め、引退から4年たった今も現役時代と変わらぬ体を保つ“超人”に、鍛錬と挑戦の哲学を聞きました。
(COVER CREDIT)
MODEL : TOSHIMI TOYOKURA
PHOTOS : TOSHIO OHNO(CEKAI)
STYLING : CHIE NINOMIYA
HAIR : TAKAYUKI SHIBATA(SIGNO)
EDIT : NODOKA SEKIDO
DESIGN : CHIAKI SATO
Jビューティ「2兆円」への道筋 世界市場をつかむ7つの打ち手
別冊「WWDBEAUTY」は、「Jビューティ、世界市場をつかむ7つの打ち手」を特集します。日本の美容産業には長年培ってきた研究開発力やモノ作り、品質への信頼がある一方、化粧品輸出は2021年をピークに大きく減少。世界市場でKビューティが存在感を高める中、日本の美容産業はその価値をどう世界へ届け、成長につなげるのか。政府と業界が33年までに、輸出や現地生産を含む海外売上高2兆円を目標に掲げる今、その道筋を探ります。
特集ではまず、Jビューティをめぐって動き出した政治、行政、民間の取り組みを俯瞰します。政府が示した政策や業界の議論を基に、海外展開を加速するために必要な施策を整理。規制やマーケティング、流通など、日本企業が世界へ出る際に立ちはだかる課題と、それを乗り越えるための動きを読み解きます。
企業取材では、現地の生活や価値観を起点とした商品開発、プロの技術を生かした美容体験、ODMや小売りとの連携など、すでに始まっている挑戦を追いました。見えてきたのは、商品を輸出するだけではないJビューティの可能性です。研究開発や製造、技術、接客、サービスまでをどう1つの価値として世界に届けるのか。中小ブランドと小売りへのアンケート、官民のキーパーソンによる鼎談も交え、Jビューティの現状と次の一手を考えます。
(COVER CREDIT)
PHOTO : HIROKI WATANABE(TRON)
ART DIRECTION & DESIGN : JIRO FUKUDA