WWDJAPAN11月2日号は、最近巷で話題のニュースポーツ、「ピックルボール」を特集します。ピックルボールの歴史は意外に古く、発祥は1965年。米国国会議員のジョエル・プリチャード氏が腕力差のある子どもとでも対等に遊べるスポーツとして、テニスと卓球、そしてバドミントンをミックスしたような形で考案したと言われています。そんな歴史あるスポーツがなぜ今まで知られておらず、そしてなぜ今になってここまで流行しているのでしょうか?コロナ禍でのソーシャル・ディスタンス中に、屋外でネットを挟んで行えるスポーツとして流行したなどの要因もありますが、一番は現代のライフスタイルにマッチしたからだと考えます。肩肘張らない身近なスポーツとして仲間や家族と共に汗を流し、会話やコミュニケーションを楽しみながらコーヒーやお酒を嗜む。そして、そんな様子をSNSにアップし共有し仲間を増やしていく、まさに現代のちょっとイケてる憧れのアーバンライフ。こんな日常に、ピックルボールは寄り添ってくれるのです。そのスタイルは万国共通、発祥の地・アメリカでは現在のプレー人口は2430万人、直近5年間「アメリカで最も成長したスポーツ」に連続で選ばれており、歴史と伝統あるテニスの全米プレー人口約2700万人に肉薄しています。ヨーロッパや東南アジアでもプレー人口、認知度は増加の一途をたどり、むしろ日本で流行しだしたのが遅すぎたくらいなんです。
そんな数十年に一度、もしかしたら百年に一度ともいえるこの機会に、各ブランドも熱視線を向けています。「アシックス(ASICS)」や「ミズノ(MIZUNO)」ら大型スポーツ用品メーカーは総合スポーツで培った技術をシューズやパドル(ラケット)開発に注ぎ込み、テニスや卓球界隈で名の知れた「ウイルソン(WILSON)」「ヨーラ(JOOLA)」「ダイアデム(DAIADEM)」らはラケットに対する独自の研究を基に一躍トップブランドに、そしてピックルボール専門ブランドとして「セルカーク(SE LKIRK)」や「シックスゼロ(SIX ZERO)」が名乗りを上げるなど、界隈は活気付いています。コミュニケーションスポーツとしてのポテンシャルに注目するのはスポーツ企業だけではありません。Sansanや三井不動産、東レ、バーガーキングといった大企業がコートの運営や各種大会の協賛を行い、集まる人々にアプローチを行っています。基本的なルール説明からコート運営施設の見るピックルボールの可能性、プロ・アマ選手のピックルボールにかける熱量や課題にも迫っていきます。
特集に続いてフォーカスするのは、台北ファッション・ウィーク2027年春夏のコレクションリポート。最新のデジタル技術を取り入れバーチャルとフィジカルを横断した服作りを続ける「クラウディア ワン(CLAUDIA WANG)」や、ロンドン仕込みのダークで官能的な世界観を表現する「ジェン リー(JENN LEE)」など、注目すべきブランドの最新コレクションが多数登場。他にも、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のアーカイブと展覧会でたどる恵比寿旗艦店の20年間の歩みや、CEOが語る「マルジェラ」 のストーリーを「語られる」のではなく「語る」ことの重要性など、盛りだくさんの内容となっています。
(COVER CREDIT)
PHOTO : YOZO YOSHINO(Y's C)
ART DIRECTION&DESIGN : SUGURU NAGAHASHI