トランジットジェネラルオフィスが100%出資し、食を通して環境問題に取り組んでいるファーマーユー(FARMER YOU)は、鹿児島県からの委託を受けレストラン企画「ディスカバー ヒドゥン 鹿児島(Discover Hidden KAGOSHIMA)」をプロデュースする。3月1日から、全国のレストラン8店舗で鹿児島県産の食材を使用した期間限定メニューの提供をスタートした。
同企画の主役食材は、鹿児島県で獲れる「月日貝」だ。鮮やかな赤と白のコントラストが特徴の貝で、表が「太陽(日)」、裏が「月」のように見えることからその名が付けられた。漁獲量の増減が大きいため、地元の若手漁師たちは種苗研究を進め「持続可能な漁業」を実現し、未来の海を守ることへの挑戦を続けている。この月日貝は全店舗で使用し、おいしさや美しさだけでなく、未来に向けた漁師たちの想いを届ける。
月日貝のペペロンチーノを実食
東京・中目黒にあるカフェレストラン「リバーサイドクラブ(RIVERSIDE CLUB)」で提供する限定メニュー“ツキヒガイとローストトマトのペペロンチーノ”(1680円)を実際に試食してみた。
ローストしたトマトを太陽、月日貝を月に見立てた美しい一皿だ。月日貝は貝柱が大きく歯応えがあり、甘みが強い。タリアテッレの平たいパスタはソースがよく絡み、口いっぱいにガーリックの旨みが広がった。横には月日貝の真っ赤な貝殻が添えられていて、目で見ても楽しい。
ほか、「麻布台ヒルズカフェ(AZABUDAI HILLS CAFE)」では“初鰹のカルパッチョ”(1400円)を、鹿児島・天文館の「ザ ルーフ(THE ROOF)」では“鹿児島県産 黒牛 ステークフリット”(3900円)など、店舗によってさまざまなメニューが楽しめる。
ゴールは「月日貝のおいしさを知ってもらうこと」
月日貝のほか、日本で最も早く水揚げされる初ガツオ、鹿児島県産和牛、かごしま黒豚、早掘りたけのこ、「かごしまの農林水産物認証制度(K-GAP)」に認証された金柑やいちごなどを使用したメニューを用意する。
2月26日に開催した発表会に登壇した田尾あゆみファーマーユー社長は、「プロジェクトのゴールは月日貝をはじめ、鹿児島県のおいしい食材をたくさんの人に知ってもらうこと。一部メニューでは、月日貝の貝殻を練り込みアップサイクルした器で提供。食材だけでなく資源までも無駄にしない」とコメント。器は鹿児島在住の作家、さのるり氏に制作を依頼した。