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ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)は今回約4年ぶりに来日した。ブランド初となるカフェ併設のコンセプトストア「ステラズワールド バイ ステラ マッカートニー」のグランドオープンに合わせたもので、阪急うめだ本店の新店舗を訪れ顧客との交流を楽しんだ。その他、東京藝術大学で学生に向けてトークイベントを開催するなどポジティブなメッセージを発信した。来日中のステラに新コンセプトストアや今注目している技術、目指す世界やファッション産業の矛盾について話を聞いた。
WWD:「長く着られる」はサステナビリティを考える上で重要だ。一方でウィメンズファッションはトレンドに左右される。長く着られる定番品の提案は、飽きられる可能性があり、怖いアクションでもある。年4回、新作を発表し続けることについてどう考えるか。
ステラ・マッカートニー(以下、ステラ):ものすごく矛盾していると思いますし、私は毎日葛藤しています。健全なバランスを取ろうとしていますが、難しいですよね。常に心がけているのは、流行に左右されないこと。よりよい広いオプションを提案すること。(自身が着ている服を指さし)この服は新作ですが、極端なデザインではありませんよね。一生着ることができます。
そして、これはファッション産業に始まったことではありません。他の産業を見渡しても(どんどん新しいものを作り続けることは)同じです。建築や自動車、メイクアップやスキンケア、この携帯電話や携帯ケースも全てです。人間の本質に「もっともっと」と求めるところがあるからでしょう。生活者が需要を喚起しているのか、それとも企業が需要を喚起しているのかは、本当のところは誰にも分からないと思います。ですが、これは大きな問題です。麻薬と同じで、止める必要があります。私は、本当に気に入ったものだけ、必要なものだけを買うことを勧めています。
WWD:ファッション産業はいろんな課題を抱えているが、改めてあなたにとってファッションとは?ファッションデザイナーの役割とは?
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