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シロの地元活性化「みんなのすながわプロジェクト」の新工場・付帯施設の名称は「みんなの工場」

 コスメティックブランド「シロ(SHIRO)」を手掛けるシロは、創業の地である北海道砂川市で、地域創生を目的に「みんなのすながわプロジェクト」に取り組んでいる。現在は工場としての生産性向上のみならず、「世界中から人が集まり、誰もが感動体験を持ち帰ることのできる」工場の施設計画を進行中。このほど新工場・付帯施設の名称を「みんなの工場」に決定した。地域住民などプロジェクトに携わるみんなで考えて議論することで生まれる施設であるという背景と、大人も子どもも砂川市民も世界中からの来訪客も誰も排除せずみんなが集える場所にしたいとの想いを込めた。

 2023年春頃オープン予定の新工場と付帯施設は、建築家アリイイリエ アーキテクツと共に、地域住民とディスカッションしながら設計計画を立案。観光地のみならず地域住民の居場所でもある施設として、モノづくりや教育を通して地域コミュニティや観光資源となることを目指す。外壁は、砂川市が属している空知地方のカラ松の間伐材を使用。一方の内部は、工場部分は来場者に見てもらえる「開かれた状態」。施設部分と隣接することで、「シロ」の根幹であるモノづくりの現場を日常的に見学できるようにした。工場は研究開発室や調合室、充填室、包装室などで構成。来場者は、全面ガラス張りの工場で行われる作業風景、中でも18mの迫力あるライン作業を施設のラウンジからいつでも見学できる。また工場で働く従業員の労働環境にも配慮。スタッフは来場者とのコミュニケーションのほか、時間や季節によって変わる光の入り方を感じながら働くことができる。

 付帯施設は、オリジナルのカスタムフレグランスが作れるショップ、カフェやレストラン、地域住民とのディスカッションから生まれたラウンジやホール、キッズスペース、スタジオなど。ショップにはブランド初となるオリジナルフレグランスを作ることができる「フレグランスバー(仮)」を設ける。同じく「シロ」初のレストランでは、地域の間伐材を使用した薪火料理を提供する。長テーブルを設置するラウンジは、休憩はもちろん勉強や食事など、他人と共存しながら自由に過ごせるスペース。工場の調合室やショップと隣接するホールには、「シロ」のアーカイブ製品を並べる。キッズスペースは、天井部分にネットを張り、大人も子どもが共存。そしてスタジオは、ダンスやアートなどの公開練習場として、会議や少人数の講演会場として活用できる。トイレにはパウダールームや多目的トイレ、授乳室を用意し、将来的はオールジェンダートイレに変更可能だ。

 新工場・付帯施設では、環境などに配慮した取り組みも立案し、実装させていく。

 アリイイリエ アーキテクツは、有井淳生と入江可子が2015年に設立。移転新設する工場・付帯施設に対し、「地域の人が使える場所づくり」というコンセプトに魅かれてコンペティションに参加した。シロは、現段階では総事業費10数億円を予定している。

問い合わせ先
株式会社シロ/みんなのすながわプロジェクト事務局
0125-52-3738