10月26日発売の「WWDJAPAN」は、2030年代のファッション&ビューティ特集です。
「WWDJAPAN」は今週、創刊2500号を発行しました(付録の「WWDBEAUTY」が2500号です)。創刊は1979年、以降週刊紙を発行し続けながら、ファッション&ビューティ業界をウオッチし、その発展に寄与するだろう情報を発信して現在に至っています。そこで今週号は、創刊3000号(現在の頻度で発行し続けると2032年になります)が世に出るころ、つまり30年代のファッション&ビューティ業界を展望しました。
展望したトピックスは、ファッションでは「小売り」「クリエイション」「繊維を中心とした原料」「AI」「サステナビリティ」「IP」「スポーツ」そして「ジュエリー」。ビューティでは、「美の価値観」「テクノロジー」「宇宙美容」そして「美容室」。それぞれ編集部員が業界のプロから哲学者まで、「この人に話を聞いてみたい!」と考えたプロフェッショナルを直撃しています。「小売り」では、AIが消費者の服の選び方を変え、同時に企業がAIで服の作り方を変える未来を展望。「クリエイション」では、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」の森永邦彦デザイナーに、ブランド継続のため、AIで“分身”を作っている話を伺いました。30年代のデザイナーが生み出すのは、洋服だけではなく、もしかしたら“もう一人の自分”でもあるのかもしれません。
「サステナビリティ」では、シンフラックスの川崎和也CEOと佐野虎太郎COOに話を伺いました。2人は、「製造だけでなく設計も外部に委ねた結果、製造工程を十分に把握できず、環境負荷も追跡できなくなっている」という現状に向き合い、30年代は「製造方法や使う機会を自ら設計しなおす『再工業化』」が始まり、サステナビリティが前進するのでは?」と説きます。また「IP」や「スポーツ」では、共に今空前の盛り上がりを見せているそれぞれのカルチャーが30年代も継続しているのか?そのとき、ファッション業界はそれぞれとどのように交わっているべきなのか?について聞いています。
ビューティでは、「そもそも、美の定義が多様化しているのでは?」との考えを哲学者にぶつけました。返ってきたのは、「それぞれが、自分なりの美しさを探す未来。美学者としては、1つの『ビューティ』ではなく、無数の『ビューティズ』があると捉えられるようになってほしい」との答えでした。一方で今は、SNSなどにより画一的な美の基準を押し付けられているような印象もあります。業界は、「ビューティズ」という複数形の「ビューティ」を提唱するため、どんな心構えであるべきなのでしょうか?
さらにテクノロジーが進化しまくっているビューティの世界では、宇宙旅行が当たり前になる(!?)30年代には1つのカテゴリーになっているかもしれない「宇宙美容」の可能性のほか、電極内蔵のフィルムやディスプレイなどを肌にのせることで、塗らなくても色づく「電子コスメ」の可能性にも迫っています。「フィルムやディスプレイを肌にのせて暮らすなんて、考えられない!」でしょうか?ところがすでに今あるフィルムやディスプレイは、もはやタトゥーシールのような薄さと柔らかさ。そこに電気信号を通せば、「人に会えば、ほんのり紅潮する」など、その時々で千変万化するメイクが可能になるかもしれないと言います。ワクワクします。
海外ニュースでは、ケリング(KERING)のトップについて1年が経過したルカ・デメオ(Luca de Meo)最高経営責任者に低迷していたグループ再建の進捗を伺いました。「サンローラン(SAINT LAURENT)」と「マックイーン(McQUEEN)」ではデザイナー交代が発表となり、「グッチ(GUCCI)」もいまだ「やらなければならないことがたくさん」と話すデメオCEOは、グループの未来をどのように思い描いているのでしょう?紙面をご覧ください。
(COVER CREDIT)
COVER DESIGN : CHIAKI SATO
「ヘアサロンの価格改定」特集
別冊付録「WWDBEAUTY」は、「ヘアサロンの価格改定」特集をお届けします。物価高という言葉を聞かない日がないほど、何もかもが値上がりしている昨今。美容室オーナーも、原材料費の高騰や人件費への圧力を受け、価格転嫁を余儀なくされています。顧客商売であるがゆえに、値上げしやすさとしづらさの両面があり、多くのサロンが試行錯誤しながら取り組んでいるようです。今回の特集では、そうしたヘアサロンの価格改定の実例や考え方、メーカーよるサロンサポートの一例を紹介します。
そもそもヘアサロンの価格改定は、いつ頃から始まったのでしょうか。美容サロンにおける各種調査を行う「ホットペッパービューティーアカデミー」研究員の田中公子氏によると、「2022年の下期あたりから、世の中全体が動き始めたと見ている。コロナ禍が明けて、小麦などの食料品価格が上がり始めたタイミングだ。それまで長年にわたって価格を据え置いてきた美容室はどうなのかと、23年に調査を実施したところ、値上げを行った美容室はおよそ3割だった」といいます。
それを踏まえ、現状と今後はどうなるのか。ここでは「ガーデン(GARDEN)」「ロンド (Lond)」「ナヌーク(nanuk)」「ノラ(NORA)」「田谷(TAYA)」「チョキペタ(Choki Peta)」といった人気サロンが登場。具体的な数字をまじえ、価格改定にまつわる悩みや工夫、失敗から学んだ教訓など、現場のリアルを語ってもらいました。
そのほかにも、「ウエラ ジャパン」「ジェイドジャパン」といった専売品メーカーによる、サロンの価格改定をサポートする取り組みや、価格の専門家が説くヘアサロンの値上げ術。海外トップサロンのカット&カラー料金なども紹介します。物価高騰を受けて「価格改定をするべきか」「どうやって行えばいいのか」と悩むサロンオーナーは特に、必見の内容になっています。
PHOTO : TAKANORI OKUWAKI(UM)
HAIR & MAKEUP : KATO(TRON)
STYLING : CHIE GONDO
MODEL : MIAO(TOMORROW TOKYO)
ART DIRECTION & DESIGN : JIRO FUKUDA
表参道店オープンの「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」カバー付き