ファッション

ワコールと「チカ キサダ」 バレエxパンクなスピリットを纏った新しい下着の誕生秘話

ワコールは10月15日、自社ブランド「ワコール プレミアム(WACOAL PREMIUM)」とファッションブランド「チカ キサダ(CHIKA KISADA)」のコラボレーションを発表した。テーマは「はかなく、強く、美しく」。「チカ キサダ」の軽やかで立体的な服づくりとワコールが培ってきた下着の設計・縫製技術を融合し、下着とウエアの境界を超えるファッションとして楽しめるランジェリーを提案する。ラインアップは、ブラジャーとショーツが各2種類、ビスチエ、アウターの6アイテム。カラーは、ブラック、コーラルピンク、ブルーグレーの3色だ。リバーレースやベロア、チュールという異素材を組み合わせ、透け感と立体感を生かしたデザイン。クラシックバレエの衣装やトゥーシューズのテープワークなど、デザイナーの幾左田千佳のルーツにあるバレエの要素を随所に施している。15日からワコールウェブストアで先行発売し、22日から全国の一部百貨店で販売する。

多様な体形のフィッティングが大きな学びに

コラボのきっかけは、ワコールからの熱烈なラブコール。ワコールの坪内有ワコールブランドマネジャーは、「華やかさの中にある強さや体の動きを繊細に表現するクリエイションに惹かれた。ファッション感覚でいろんな人に楽しんでほしい」とコメント。幾左田は、「肌との関係性に向き合ってきて、下着も手掛けてみたいと思っていた。ワコールの技術に興味があり、私の視線が加わることで新しいものが生まれればと考えた」と語った。バレエの衣装などを手がける幾左田だが、今回のワコールとの協業は、さまざまな体形のフィッティングモデルを通じてミリ単位の修正を重ねた。衣装制作とは異なる、一般の女性の多様な体型に向き合う経験が、新たな学びになったという。彼女は、「ダンサーの骨格や筋肉といったストイックな体ではなく、あらゆる体形の一般女性のフィティングに携われたのはぜいたくな体験だった。バストやヒップといった女性ならではの特徴をどう美しく昇華できるか、洋服とは異なるプロセスだった」と話す。

ブラジャーの概念を超える女子心をくすぐるクリエイション

チュールは下着でよく使用される素材だが、今回のコラボで課題になったのはチュールの繊細な透け感と下着に求められる伸縮性だ。ブラジャーのフリルパーツには透明感を重視し、あえて伸びないチュールを使用した。ワコールの爲川彩花マーケティング本部インナーウエアブランド統括部ワコールブランド商品企画課チーフデザイナーは、「インナーには伸縮性が必要だ。洋服を着たときのバストラインを美しく見せるデザインをしてきたが、チュールのフリルは女子心をくすぐるディテールで、取り外しができるので造形美も担保できる」と話す。「モノ作り現場のライブ感から生まれたひらめき。それが商品の完成度の高さにつながった」と幾左田。幾左田のアイデアに臨機応変に応えながら制作することでブラジャーの概念を超えるものが完成した。

気分や個性をするファッションアイテムに進化

今回のコラボには、ランジェリーの楽しみ方を広げたいというワコールの狙いもある。ブラジャーを着用する人が増える中、従来のインナーウエアとは異なる楽しみ方を提案する必要がある。坪内マネジャーは、「個性的なファッションには挑戦しにくいと感じる人にも、ランジェリーを通じて自分らしさを表現する一歩を踏み出してほしい」と話す。ビスチエはインナーとしてもアウターとしても着用できる設計で、ボリューム感のあるスリーブが特徴的なアウターも用意した。デザイン性だけでなく、幅広い体型に対応するサイズ展開や着心地にも配慮している。ランジェリーとウエアの境目が曖昧になる中、下着は消耗品という考え方から、気分や個性を表現するファッションアイテムへと進化しつつある。

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