これまでもニューヨーカーの自由な着こなしからインスピレーションを得てきたトミー・ヒルフィガー=プリンシパル・デザイナーは、「グランド・セントラル・オイスター・バー」やブルックリン・ブリッジを望むイーストリバーの船上など、街を象徴する場所をコレクションの舞台にしてきた。中でも「ザ・プラザ」は、トミー自身がかつて家族とペントハウスで暮らした思い出深い場所でもある。ブランド設立から40年以上を経た今シーズン、いわば自身の“ホーム”ともいえる場所に戻り、アメリカン・プレッピーの原点を改めて見つめ直した。
荘厳なホテルに流れる生演奏、
邸宅に招かれるようなおもてなし
「40年間、私はニューヨーカーがクラシックなものを自分らしく着こなす姿からインスピレーションを得てきた」とヒルフィガー。ファッション、音楽、スポーツなど異なるカルチャーを背景に持つ人々が行き交うザ・プラザは、まさにそんなニューヨークの多様性を映し出す場所でもある。
プレッピーのアイコンを“再編集”する
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ファーストルックを飾ったジジ・ハディッドは、ゆったりとしたワイドパンツを軸にリラックスしたプロポーションを披露。ほかにも腰位置を低く設定したパンツやオーバーサイズのラガーシャツなど、身体からほどよく離れるシルエットが目立ち、端正なプレッピースタイルに肩の力を抜いたムードを加えた。また、サテン調の光沢素材や透け感のあるシアー素材を随所に取り入れることで、春夏らしい軽やかさを演出。異なる柄を重ねたり、大胆なカラーブロッキングを取り入れたりと、スタイリングにもこれまで以上に自由な感覚が表れていた。
ブランドが長年培ってきたプレッピーのアイコンも、今季らしくアップデートされた。ラガーシャツやオックスフォードシャツ、タータンチェック、ポロシャツ、チノパンツ、ローファーといったおなじみの要素を、単に復刻するのではなく“再編集”している。サイズ感や丈、色、素材を大胆に変え、襟を立てたり、ホットパンツと合わせたりと、クラシックなアイテムをあえて崩して着ることで新鮮さを生み出した。90年代を思わせるスケートシューズや、レザーに置き換えたプールスライドも、新旧を自由にミックスする今季のムードを後押しする。
ファッションや音楽、スポーツ界の超一流ゲストたち
自由な着こなしで会場を彩る
それは客席にも表れていた。フロントロウには、俳優の中島裕翔、モデルのケイト・モス、歌手のカミラ・カベロ、BLACKPINKのジスらが集結。さらに、今年53年ぶりにNBA王者に輝きニューヨーク中を沸かせたニューヨーク・ニックスから、主力選手のジョシュ・ハート、カール=アンソニー・タウンズ、マイルズ・マクブライドが来場した。活躍する分野も世代も異なる面々が、それぞれの解釈でフォールコレクションを身にまとい、自由な着こなしで会場を彩った。
ショー終了後には、サプライズゲストのポップアーティスト、スレイターがパフォーマンスを行った。レッドのシャツにクロップドショーツ、ブラックのニーハイブーツを合わせたスタイリングで、エネルギッシュなポップアンセム「Dance」を披露。そのパフォーマンスは、常に時代のトップアーティストと共にカルチャーをけん引し、人々を魅力し続けてきた「トミー ヒルフィガー」というブランドの姿勢を象徴するものだった。
「ザ・プラザは私たちの遊び場だ」
インスピレーションの原点から紡ぐ新章
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