
ヘアサロン専売大手メーカーのアリミノが、9月に発売した新ブランド「エクラリティ(ECLARITY)」。髪のキューティクルに働きかけ、「髪をそもそも傷ませない」という“未傷※”ケアと、ダメージ補修とを同時にかなえる画期的なヘアケアブランドだ。
ここでは「エクラリティ」を評価する人気美容師5人が、全国から集結。「ユルク(JURK)」(本店:名古屋)の沢井卓也代表、「フリーク(FLEEK)」(大阪)の大城俊也代表、「ゾーイ ダイミョウ(ZOEY daimyo)」(福岡)のクルミ副店長、「ムク(MUKU)」(東京)の佐脇正徳代表、「シアター(CIARTOR)」(石川)の上原理沙VMDが、「エクラリティ」の魅力を語りつつ、同ブランドを使用して仕上げたルックを紹介する。
人気美容師5人による
“エクラリティ座談会”
「次回またデザインするためのケア」
WWD:サロンの客層とヘアケアニーズは?
大城俊也代表(以下。大城):基本的にブリーチをするサロンなので、20〜30代の方で、ハイトーンやシャドウルーツなどを希望するお客さまが多いです。85%以上はブリーチをされますね。ハイダメージのお客さまが多いので、前処理に時間をかけることが多い。最近は新しい切り口として「エクラリティ」をメインで使うようになりました。19レベルまで攻める時なども、「いいな」という感覚があります。
クルミ副店長(以下、クルミ):私はハイトーンや中明度のお客さまが多いです。最近は九州という土地柄もあってか、韓国、中国、香港、タイなどアジア圏の方が2〜3割まで増えてきました。韓国のお客さまからは、「艶がほしい」とよく言われます。
沢井卓也代表(以下、沢井):東京と名古屋の本店にはハイトーンのお客さまが多く、名古屋も新店舗はパーマ比率が40%くらい。いずれの店舗でも「エクラリティ」は使いやすいと思っています。例えばハイトーンのお客さまの場合、ケアがしっかりできていれば、もう1回ブリーチできる可能性もあって施術の幅が広がるので、“次回またデザインするためのケア”という部分も含めてケアはすごく大事にしています。そのため、これまでたくさんのシステムケアを導入してきましたが、「エクラリティ」には明確な違いがありました。
上原理沙VMD(以下、上原):私は、デザインカラーやハイトーンの施術が多いです。最近はパーマのニーズが高まってきたこともあり、ブリーチパーマなど複雑な履歴のお客さまも多く、一人ひとりがロングメニューになる傾向があります。
佐脇正徳代表(以下、佐脇):ブリーチのお客さまは、皆さんのサロンに比べると少ないですが、ダメージに敏感な方がかなり多い。「ダメージさせないためにトリートメントをする」というお客さまが多いので、“未傷※”をコンセプトにする「エクラリティ」はすぐにはまると思いました。あと、うちも海外のお客さまが2割くらいいて、特に中国のお客さまが多い。中国のお客さまの間では「艶感はほしいけどボリュームは失いたくない」というニーズが高いので、「エクラリティ」の自然な仕上がりははまるなと思って活用しています。
WWD:“未傷※”というキーワードが出てきたが、このコンセプトをお客さまに伝えている?
クルミ:傷んだ髪をきれいにしてお返しする、という今までのトリートメントとは違って、「エクラリティ」は“そもそも傷ませない”という考え方だということをお客さまに伝えています。その説明をしてから施術すると、お客さまも「今までよりもまとまり感が違う気がする」などと、すごく体感してもらえるようになりました。
上原:私も“未傷※”というキーワード、そして「ダメージを受け流す」という新発想がすごくいいなと思っています。使っていく中でその効果をすごく体感できましたし、システムトリートメントと掛け合わせることでデザインのクオリティーも持ちも良くなる。提案の幅が広がりました。「エクラリティ」というブランドを通じて、新しいケアの方向性をお客さまに提案できています。
WWD:「エクラリティ」の具体的な良いところは?
大城:サロンケアでは、1番の“ダイヤボンドシールド”と、2番の“クレンズリペアフォーム” がすごくいい感じです。“ダイヤボンドシールド”はボトルの形状が出しやすいので、ハイライトの時などにバーっといけるのが便利。“クレンズリペアフォーム”もつけて流さずにそのままシャンプーできるので、手間がかからず効率がいい。施術の最後には必ずヘアアイロンを入れるけれど、使わない時よりも髪の質感が柔らかくなる。重くてトリートメント効果があるのではなく、軽くて効果があるので、本当に今までにない感覚です。
上原:私も1番と2番の組み合わせがすごく良いと思っています。ハイトーン施術でダメージし過ぎているお客さまに前処理で使うと、引っ掛かりがなくなります。ブリーチが上がった後の質感も違うし艶も出る。熱を当てた時のまとまり感も良くなるので、今の時代にすごく需要があると思う。
WWD:ホームケアは?
クルミ:自分の髪で試した話なんですけど。私、半年前まで19レベルくらいのホワイトヘアで、そこから黒染めを2回したんです。その後、最近またブリーチを2回したら、ダメージし過ぎて髪がくっ付くようになってしまって。シャンプーで手も通らないくらいだったけれど、“フォーブリーチ シャンプー&トリートメント”を使い始めて今ではもう、ブリーチする前と変わらないくらい良くなりました。一般的に、ブリーチ用のヘアケアは重過ぎてペタッとしてしまうことが多いけれど、これは重くならないし、さらっと仕上がるのに良くまとまる。広がりやすいくせ毛も収まってきて、すごくいいなと思いました。
上原:私も同じです。最近傷みがひど過ぎて、ドライヤー後は髪がライオンみたいになっていました。しかし“フォーブリーチ シャンプー&トリートメント”を使い始めてからは、髪に芯が通って修復されている体感があり、さらっとアイロンを通しただけで、ちゃんとボブにまとまる。本当に今までなかった新しいアイテムだなと体感できました。あと、アウトバスの“ダイヤボンドフォース”が、今までになかったミストだなと思いました。私は普段ミルク派だったのですが、このミストを挟むことでドライの時間が圧倒的に早くなる。あと、お風呂上がりのガシガシの髪にミストをつけてコームを通した時に、一気にスルッといく感覚があって、すごく感動しました。
クルミ:このミストは乾かした時の髪の質感がきれいに見えるのもいいです。ブリーチ毛だったら、最初にミストを振ってからミルクを使うことで、より質感が良くなると思いました。
WWD:他のヘアケア製品と比較したとき、「エクラリティ」の差別化ポイントは?
クルミ:ここ数年は髪の“中”を守る製品が多いイメージだったけれど、「エクラリティ」は“中と外”から守る、というのが一番違うと思います。
大城:質感が絶対に軽くなります。硬い髪も柔らかい髪も、本当に質感が柔らかくなる。そこが圧倒的かなと。重くなるのではなく、根元が浮くようなイメージです。あと、ドライが早くなるのも特徴ですね。
沢井:ダメージの補修能力の差はあると感じました。多分、今までどこのブランドもアプローチできていなかった場所も補修できているから、手触りや柔らかさが違う。そこが“未傷※”と言われる部分なのかなと。これまでのシステムトリートメントを超えているなと感じました。
WWD:「エクラリティ」は特にどんな顧客にすすめたい?
上原:一番はまるなと思うのは、軟毛のダメージ毛の方ですね。あと、30〜40代のエイジング毛にもフィットする感覚があります。
佐脇:僕は髪を柔らかくしたい人におすすめしたいです。とにかく柔らかく仕上がるので。あと、トリートメントはアシスタントに任せることも多いのですが、「エクラリティ」は誰がやっても仕上がりが安定している。サロンワークで使いやすいし、お客さまにも提案しやすいです。しっとりし過ぎず、自然な艶感を求めている人にすごくはまると思います。
サロンケアとホームケアで
髪をそもそも傷ませない
“未傷※”を実現

長らくケアのアプローチ方法は“ダメージ補修”が主軸だったが、「エクラリティ」は髪をそもそも傷ませない“未傷※”の概念からアプローチする。それを実現するため、独自技術“ダイヤボンドMEA”を開発。ナノレベルで髪表面を保護してキューティクルを守るとともに、内部には水分や補修成分をとどめて毛髪の基盤を整える。外部からのダメージを防ぎながら、内外から髪を健やかに保つことで、“未傷※”の状態へ導く。
サロンケアでは、脱色・染色を邪魔せずに、薬剤ダメージから髪を保護する“ダイヤボンドMEA”を搭載した“ダイヤボンドシールド”。残留物を除去し髪の土台を整え、美しく発色して色落ちしにくい髪へ導く中間処理“クレンズリペアフォーム”などをラインアップ。
ホームケアでは、軟毛細毛用・硬毛太毛用・ハイダメージ用の3タイプのシャンプー&トリートメント、ミスト・オイル・ミルクといった剤型違いの3種のアウトバスをそろえる。
5人の人気美容師が魅せる
「エクラリティ」を使った
トレンドスタイル
今回登場した5人のトップスタイリストは、それぞれ「エクラリティ」を使って仕上げたサロンスタイルを披露してくれた。
「フォルムは90年代を意識しました。あえてコテなどを使わずに濡れている部分を残すことで、不思議なニュアンスの質感を目指しました。カラーリングはブロンドとオレンジが混在しているので、それがニュアンスとしてうまく動けばいいなと。作り込み過ぎるとギャルっぽくなってしまうので、レイヤーを入れ、抜け感のあるスタイルに仕上げました。カラーリング前は、ブリーチ部分、ライトナーで明るくした部分、そして熱で変化している毛先と、ダメージのムラがかなりある状態でした。そこに対して『エクラリティ』を使うことで、きれいなベースを作ってくれるようなイメージでケアができたと感じています。しっかりとケアができたことで、自分が作りたい表現がいろいろとやりやすくなったと思いました」(沢井代表)。
「カットのポイントは顔周りのデザイン。美容師が動かしてかわいくなるより、モデルさん自身が動かしてかわいくなるように計算してデザインしました。カラーリングのテーマは“高級なワンチャン”。全体的には柔らかみのあるブロンドで作り、ピンクのデザインには少しブラウンを足して締め色を入れることで、3色でデザインを構成しています。このモデルは4回ほどブリーチをしていたのですが、さらにもう1回ブリーチをして、かなり攻めたいと思っていました。もしかしたら色が薄くなったり、流れたりするかもしれないと思っていたのですが、「エクラリティ」を使ったことで根元から毛先まで均一に発色してくれたので、思うようにデザインすることができました」(クルミ副店長)。
「顔周りからトップにかけてレイヤーをしっかり入れ、動きと軽さを出したウルフベース。毛先はスライドカットで束感を作り、空気を含んだような柔らかいシルエットに仕上げました。カラーリングは、フルブリーチ後、ほんのり青みを感じるグレーをベースに根元を暗くして、動きと透明感があるバレイヤージュにしました。バランス良く出すことで、派手過ぎず上品な仕上がりを心掛けました。「エクラリティ」を使ったことで質感が軽くなり、根元の立ち上がりが全然違いました。ダメージもかなり抑えてくれたので、感動してもらえました」(大城代表)。
「スタイルのテーマは“カジュアルフレンチ”。モデルの肌が白いので、ダブルケアカラーで透明感のあるローズカラーにして大人っぽさをプラスしました。最近は、海外モデルのようなリアルなクセ毛感など、柔らかなニュアンスのあるフレンチボブが流行っているように感じています。今回はそのクセ毛感を意識しつつ、パーマでしか作れない柔らかなニュアンスを掛け合わせてデザインしました。今回は「エクラリティ」を使ったことで、従来の処理剤だけでは出せない、よりリッジ感のあるパーマの質感や、ダブルカラーした時の艶感、キューティクルのコート感がすごく違いました」(上原VMD)。
「モデルは毎月来てくれるお客さま。今伸ばしている途中なのですが、イメージを変えたいということで、レイヤーカットを入れて顔周りに変化をつけました。カラーも、なるべくダメージをさせずに気分を変えたいとのことだったので、暗めのトーンですが透明感が出るように、マット系の寒色カラーをベースに使いました。「伸ばしていて、とにかくダメージさせたくない」「乾燥して広がるのが悩み」と話していたので、そういった意味でも「エクラリティ」とすごく相性がいいのかなと。施術前からダメージを抑え、ホームケアまでつなげて、しっかり手入れをしながら伸ばしていくという形で提案しました」(佐脇代表)。