ファッション

ファッションと時計 それぞれの業界から学ぶこと

 今年も年始早々のS.I.H.H.と、3月のバーゼル・ワールド(以下、バーゼル)を取材するため、2度スイスに赴いた。時計担当になってからは「時計はファッションだ!」と訴え、「レトロ」や「タッキー」「エフォートレス」「ミリタリー」など、ファッションにおいて顕著なトレンドやスタイルが時計にも広がっていることに触れてきた。また半年前には、時計版の“ノー・ジェンダー”ブランドとして「ダニエル・ウェリントン」を紹介。ディストリビューターのビヨンクールは時計業界の商慣習に縛られず、ファッションとして売り出したからこそブレイクしたことに触れた。また時計業界を見つめ始めた2年前から、ファッションの世界と時計の世界からは共に「エモーション」という言葉が頻繁に聞こえてくる。これもまた、弊紙が「時計はファッションだ!」と定義し、今回、“コンテンポラリー・ファッション”ならぬ“コンテンポラリー・ウオッチ”という新たなアイデアを提案する背景だ。

 とはいえ、二つの世界は、「近いようで、遠い」。その距離感もまた、時計担当に就任以来、常に実感していることだ。片方の世界しか知らない人には、もう片方の世界はなんだか難しく見えるようだ。ファッションの人から見れば、時計は機構が複雑で専門用語が飛び交っているイメージらしい。一方、時計の人から見ると、ファッションは目まぐるしいスピードで変わっていき、キャッチアップが大変そうに見えるようだ。そんなときは時計とファッションの世界を結び付ける役割を強く自覚し、それもまた、「時計はファッションだ!」のメッセージにつながった。二つの世界が今以上にクロスオーバーすれば、双方は必ずさらに盛り上がる。まずはお互いが、自分たちより、相手の方が優れている点を学んでほしいと切に願っている。

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