繊維商社のヤギは3月、環境配慮型素材ブランドのリブランディング活動である「ユナ・イト プロジェクト(UNITO project)」の展示会を東京都内で行った。ヤギは昨年11月、素材や用途で分散していた環境配慮型素材のブランドを「ユナ・イト」に統合。オーガニックコットン「ユナ・イト オーガニック(UNITO ORGANIC)」とリサイクル100%を追求したコットン素材「ユナ・イト リサイクル 100(UNITO RECYCLE 100)」、リサイクルポリエステル「ユナ・イト ポリエステル(UNITO POLYESTER)」、リサイクルポリエステルにテクノロジーや機能を加えた「ユナ・イト プラス(UNITO PLUS)」、日本を代表する合繊テキスタイル産地である北陸の技術力を活用したリサイクルナイロン「ユナ・イト ナイロン(UNITO NYLON)」という5つのラインに集約した。
日本最大級の質・量を誇るオーガニックコットンでは、オーガニックテキスタイルの国際基準を取得しているほか、約9割をトレーサビリティーシステム「コットン・アイディー(COTTON ID)」と連動し、綿花農場から紡績までをトレース管理できる体制にしている。また、ヤギと一般財団法人PBPコットンで共同運営するPBPヤーンプロジェクトを通じ、オーガニックコットン糸の出荷ケース単位で寄付金を積み立て、インドの綿花農家のオーガニックへの転換支援や自立支援、就学・奨学支援も行っている。
コットンのリサイクル100%を追求した「ユナ・イト リサイクル100」では、革新的な最新鋭機を持つインドの有力企業とタッグを組み、紡績工場や生地工場で出た糸くずや生地のハギレを原料にして糸を生産。リサイクル原料の国際認証も取得している。いずれの「ユナ・イト」コットン素材でもパーカやカットソー、スエット、カジュアルなシャツなど、糸の特性を生かした製品を開発している。
「ユナ・イト ポリエステル」「ユナ・イト ナイロン」は、いずれも世界で今なお高い競争力を誇る北陸産地の企業とタッグを組み、リサイクル原料の国際認証も取得している。「ユナ・イト ポリエステル」は使用済みPETをリサイクルしたもの。卓越した技術力を持つ北陸企業で仮撚り加工やカバーリングを行い、差別化したテキスタイルを生産する。こちらはフリースやユニフォームといったアパレル以外にカーシートなどの産業資材でも展開する。
「ユナ・イト ナイロン」は工場内から出た糸くずを収集しリサイクルしている。こちらも北陸で撚糸や仮撚り加工を行い、差別化したテキスタイルに仕上げる。
ヤギは「ユナ・イト」プロジェクトの中で、「サステナぶらないサステナブル」を掲げ、環境負荷の軽減や生産者の保護など、それぞれの素材の特性に応じた本質的な「サステナブル」を追求する。「言葉ではなく、行動とモノ作りで未来を変えていく」と意気込む。
ヤギ
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