ビューティ

「もう一度 、リップを!」 〜カラーリップに熱視線〜

 マスク着用が3月中旬から個人の判断となり、ビューティ業界では口元を装う傾向が高まっている。カラーリップはその代表的なアイテムで、各ブランドが口元を主役とした2023年春メイクを提案。マスクにつきにくいカラーリップはもちろん、唇をケアできるものや、艶や発色を楽しめるものまで多種多様なリップアイテムがそろっている。マスクから解放され、「もう一度 、リップを!」というモチベーションを喚起し、リップメイク市場の盛り上がりを期待する。

フォギーな肌に艶感ある
ヌード&ブラウンリップ

 パリ・ミラノで開催された2023年春夏のファッションウイークでは、フォギーな肌に艶を加えたヌードなリップが全盛だった。「ディオール(DIOR)」は、目の周囲をグラフィカルなライン囲った強い目元に、モデルの唇の色を生かしつつ艶で華やかさを出したルックを披露。「アンリアレイジ(ANREALAGE)」は、大胆でボールドなキャットラインをベージュ系のヌードリップで引き立たせ、「MSGM」はブラウンカラーのリップを選択しアクセントを効かせた。「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」は脱色した眉とシャイニーなアイシャドウにナチュラルな艶のあるリップで中性的なメイクに仕上げた。日本でも唇の内側の粘膜に近い色を表現する“粘膜リップ”がトレンドになっており、唇の色を反映したカラー展開を打ち出すブランドが多出している。

ダークトーン&赤リップは
多彩に進化

一方で、ダークトーンも注目の一つで、「ロシャス(ROCHAS)」はマニッシュなストレート眉にダークパープルのリップを提案。赤リップのトレンドはより多彩な質感に進化した。「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」は端正に輪郭を取った光沢感のある赤リップでエレガンスを表現。「ジル サンダー(JIL SANDER)」は滲んだような赤リップで遊び心を加えた。「エトロ(ETRO)」は真紅のマットリップでメゾンの伝統に新鮮さを加えアップデートした。赤リップは定番的アイテムだが、リップカラーの色をより忠実に再現するには、唇のケアも重要だ。日本ではコロナ禍で唇ケアに注力する人が増え、リップスクラブや美容成分を配合したケアアイテムが人気を集めている。

国内外のリップトレンドを反映
代表的なブランドを紹介

色を求めていた中で
発色の良さや艶感に注目

 「WWDJAPAN」の公式ユーチューブで毎週木曜に発信する「DIGIT」では、「マスクから解放 改めてリップを楽しもう」をテーマに、コロナ禍のマスク時代の変遷を振り返りつつ、リップカラーの楽しみ方を村上要編集長とコスメオタクの浅野ソーシャルエディターが伝えた。コロナ禍はマスクをしても落ちないリップを探し求め“マスクプルーフ”という言葉もSNSでは多出していたが、今後は、色を求めていた中で発色の良さや艶感のあるリップに注目していることなどを語った。