
「WWDJAPAN」は6月26日に、イベント「WWDJAPAN Circle MIYAVIと一緒に考えよう、100年後の地球 Supported by GUCCI」を東京・新宿のキースタジオ(KEY STUDIO)で開催した。「WWDJAPAN Circle」とは、社会的な課題や関心を読者やユーザーとともに考え、ムーブメントを起こしていく趣旨のもと誕生した企画。環境問題をはじめ、正解のないテーマを黒か白で結論づけるのではなく、前進するためのアイデアを皆で出し合うことを目指す。
記念すべき第1回は「グッチ(GUCCI)」をサポーターに迎え、アーティストのMIYAVIと、国際環境NGOのキーマン日比保史コンサベーション・インターナショナル・ジャパン(CONSERVATION INTERNATIONAL JAPAN=以下、CIJ)代表理事兼CIバイスプレジデント(以下、CIJ代表理事)とともに、「100年後の地球」をテーマにトークを繰り広げた。トーク後はMIYAVIによるスペシャルライブも行われ、来場者を盛り上げた。
カーボンニュートラルから
サーキュラーエコノミーまで、
環境問題をアツく談論
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トークショーは、事前に参加者から募集した「100年後の地球」についての意見をもとに行われた。MCの向千鶴「WWDJAPAN」編集統括サステナビリティ・ディレクターに環境問題に興味を持ったきっかけを聞かれたMIYAVIは、「きっかけは2つある。1つは娘が生まれとき。親として、子供や孫たちが生きる未来が今よりいいものであってほしいと思うようになった。そこから環境について調べ始めました。もう1つは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使として、バングラデシュやタイ、ケニアなどいろいろな国を訪れる中で、難民の生活の厳しさと衛生環境の悪さを目の当たりにしたこと。彼らは、あたり一面ゴミだらけの中で生活をしている。生きるか死ぬかのときにゴミなんてかまっていられないという事実が衝撃だった。今以上に教育の中にモラルの普及をするべきだと実感するし、世界一律で統括するルールや規制をもっと設ける必要があると思う」と語った。
話題がカーボンニュートラルに移ると、日比CIJ代表理事が現状を解説。「人類が安全に活動できる環境を維持するには、地球の平均気温を産業革命前から1.5℃以内の上昇に抑えなければいけないのだが、すでに1.2℃を超えている。気温の上昇をあと0.3℃以内に抑えるには、温暖化の原因である二酸化炭素の排出を遅くとも2050年までに差し引きゼロにする必要がある」と語った。そのためには今すぐ排出の削減を始めなければ間に合わないと言われているが、現実的にはすぐにゼロにすることは難しい。そこで、「どうしてもなくすことが難しい二酸化炭素の排出については、相当分を熱帯林やマングローブなどの森林が光合成によって大気中から吸収し、地中に貯蓄することで、“実質的に”排出を差し引きゼロにすることができる」とし、「グッチ」が資金提供するコンサベーション・インターナショナルによるケニアでの森林保全を通じたカーボン・オフセットの取り組みを例にあげながら説明した。
さらに話題はサーキュラーエコノミーへと広がり、日比CIJ代表理事は「サーキュラーエコノミーと聞くとリサイクルをメインに思いがちだが、大事なのは自然界からの原材料調達を減らし、環境への影響を減らすことだ。それはメーカーや企業だけの役割ではない。消費者がそこに価値を見いだすことが、企業への後押しとなる。東洋英和女学院大学の学生さんが言っていたのですが、“生産者と消費者”という関係ではなく消費者も“共同生産者”だと、つまり一緒に価値を作っていくことが本当の循環型だ」と、意義を語った。MIYAVIは日比CIJ代表理事の言葉に頷き、またこの日着ていた環境に配慮した素材のみを採用した「グッチ」初のサステナブル コレクション、“グッチ オフ ザ グリッド(GUCCI OFF THE GRID)”を例にあげ、「消費者も着心地だけでなく、アイテムの生産背景も含めて、その服を着ることがかっこいいと思う価値観に変えていくことが必要」と語った。
難民支援での経験や
未来への希望を込めた5曲を熱唱
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トーク後は、MIYAVIによるスペシャルライブが行われ、「What's My Name?」「Tears On Fire」「Long Nights」「Holy Nights」「Day1(Reborn)」の5曲が披露された。MCでMIYAVIは、「世界各国を巡り、地球が抱えている問題を目の当たりにするたびに無力さを感じてきた。でも、ただ嘆くだけでなく、自分が思うメッセージを声を上げて叫び、行動していきたい」と思いを語った。また、自身の難民支援活動にも触れ、「難民の方たちの生き方からインスパイアされ、力をもらっている。明日が来ると信じられるから、また頑張ろう、この長い夜も乗り越えようと思うことができる。環境問題も同じで、今は大変だが、これを乗り越えれば明るい未来が待っていると次の世代に示すことが大事だと思う」と、経験を交えながら話した。そして、「どんな状況でも自分たちができることをする。そして、いつからでも始めることができると信じている。皆さんが今日のイベントを通じて何かに気付き、始まりの日になってくれればうれしい」と締めくくった。
見にグッチ新宿へ

MIYAVIは、イベント終了後に「グッチ新宿」で開催していた“グッチ オフ ザ グリッド”の期間限定ショップ“グッチ ピン”を訪問。環境に配慮してデザインされた、「グッチ」初のサステナブル コレクションのウエアやバッグ、シューズなどを見て回った。
イベントの様子を公開
グッチ ジャパン クライアントサービス
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