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「バレンシアガ」が青山店を拡張リニューアル 世界最大級の旗艦店へ

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は11月6日、青山店を世界最大級の旗艦店へと拡張リニューアルオープンした。デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)=アーティスティック・ディレクターによる、同店だけのオリジナルの建築コンセプトを反映した新店舗は、公共施設やコンテンポラリーな建築現場を想わせるインダストリアルな内外装が特徴だ。青山店では、“高級感”という枠に収まりきらない「バレンシアガ」独自のブランドイメージを存分に味わうことができる。

イメージの異なる3つの空間

 「バレンシアガ 青山」は、売り場面積をリニューアル前の約2.5倍に拡張。地下1階~地上2階の3フロア構成で、1階はバッグとスモールレザーグッズ、シューズを中心としたメンズとウィメンズのコレクション、地下1階はウィメンズとキッズ、2階はメンズアイテムを取り扱う。

 高い天井と広々としたスペースのスケールに圧倒される店内は、ガラス張りのいくつもの壁がファサードから屋内までをダイナミックに仕切り、空間をゆるやかにつなぐ。ガラスには、外の景色や内装が何層にも映り込むように計算されており、さらに店内と外の境界線を曖昧にする。

1階

 この建築コンセプトを最も象徴する1階のグランドフロアには、両端の壁に床から天井まで続く大きな鏡を設置。中央に立つと、まるで通路が無限に続くような感覚を味わうことができ、その視覚効果がフロアを一層広く見せている。床材にも都市景観とストアインテリアを繋ぐ工夫を施し、表参道の通りの外側から内側にかけて、石畳みのようなインターロッキングブロック舗装、ゴムチップ舗装、重厚感のあるカーペットの異なる3つの素材を採用した。これらがアルミニウム製のイスや棚などの什器と相まって、オフィスやコンテンポラリーな建築現場、高級感のあるブティックといった服を取り巻くさまざまな空間のイメージをハイブリッドに表現している。

地下1階

 地下1階に降りると、使い古されたような真紅のベルベットカーテンがガラスの壁に収められた、まるでアートのような装飾が目に飛び込む。開放的な1階と異なり重厚感のあるフロアには、同じくベルベットカーテンが垂れ下がるフィッティングルームが広々と設置され、ゆったりと試着を楽しむことができる。

2階

 2階には、「バレンシアガ」のロゴを施した鮮やかな赤のカーペットが敷かれ、公園に設置されているような工業的なイスを高級感のあるベルベットの布が包み込む。ガラスの壁で不規則に仕切られたフロアは、1階と異なる景色の映り込みと奥行きがあり、たっぷりと入る採光が心地よい。

 加えて、店内奥にはキーカラーのグレーで塗装された特注のエレベーターがあり、ドアが閉まるとコンベアのような“キーン”という音と共に上下し、耳でもインダストリアルな雰囲気を楽しめるのがおもしろい。意図的ではないというが、デムナは身の回りにあるモチーフをコレクションに取り入れ、ファッション業界の慣習に一石を投じるアプローチを行ってきた存在だ。「バレンシアガ」の東京の旗艦店である「バレンシアガ 青山」は、リニューアルでブランドスピリットを色濃く体現できる場所へと生まれ変わり、さらなる発展を目指す。

INFORMATION
「バレンシアガ 青山」

時間:11:00 ~ 20:00
定休日:不定休
住所:東京都港区南青山5 -1-3

PHOTOS : COURTESY OF BALENCIAGA
TEXT : ANRI MURAKAMI

問い合わせ先
バレンシアガ クライアントサービス
0120 -992-136