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韓国人気ナンバーワンの整形口コミアプリ「カンナムオンニ 」が日本上陸 美容医療の“情報不均一問題”解決を目指す

 韓国でダウンロード数ナンバーワンの整形口コミアプリ「カンナムオンニ」が日本上陸を果たした。アプリの累積ダウンロード回数は180万回、月間のアクティブユーザー30万人を誇る同アプリは韓国内の1500以上のクリニックの情報を掲載し、15万件のレビューが寄せられている。他アプリとの大きな違いは、ユーザーが一方的にレビューを投稿するだけでなく、チャットでクリニックのカウンセリングを受けられること、医師ごとにレビューが見られること、医師とユーザーが自由に会話できる掲示板があることなど、クリニック側も参画していることだろう。自動翻訳機能も備え、日本人を含め、韓国語が理解できない外国人でも現地の韓国人のレビューを読むことができるのも特徴だ。

 そんな「カンナムオンニ」は国家公認医師資格を取得し、医療業界とITをつなげて誰もがより良い医療サービスを受けられるような社会の実現を目指してきたホン・スンイルとパク・キボムが2015年にローンチした。以来、ユーザーと提携クリニックの件数を伸ばし続け、これまでユーザーとクリニックのカウンセリングを60万件以上アシストしてきた。

 日本でも「メイリー」や「トリビュー」など整形アプリが台頭し、美容医療に興味を持つ若者が増えている。また、渡韓して施術を受ける日本人が増える中で、「カンナムオンニ」は昨年11月に日本語版をローンチすることによって日本人とクリニックを結びつける手助けをしている。そんな「カンナムオンニ」の創業者2人に、アプリ立ち上げの経緯や成功の要因などについて聞いた。

WWD:「カンナムオンニ」を立ち上げた理由は?

ホン・スンイル共同創設者(以下、ホン):12年ごろ、ちょうど延世大学で医者になるための勉強をしていたときに、(韓国の)医療業界はIT化が遅れていることが気になっていた。そこで一生ケアをし続けなければならない糖尿病患者が日々の体調管理をできたり、ほかの患者と情報共有できるアプリを開発した。だが収益化が難しく、そのサービスは終了せざるを得なかった。次に注目したのは、韓国でも市場が大きい美容医療。タブーなところもあり、正確な情報を入手するのが難しい。命に関わるような大きな手術もあるからこそ、信頼度の高い情報が必要とされていることを痛感し、アプリを立ち上げることにした。

パク・キボム共同創設者(以下、パク):最初は見積もりサービスとしてスタートさせた。自分の写真を3枚アップロードすると、医師がその写真を見て施術のアドバイスや見積もりをするというもの。そこから“プチ整形”を含む美容医療全般の基礎について学べるコミュニティー機能を追加し、総合メディアとして広げていった。私は2年くらい医師として実際に働いていたので、その経験を生かしてアプリに投稿される質問にも答えたりしていた。

WWD:ユーチューブチャンネルも開設している。

ホン:そこでパクさんが活躍している。

パク:チャンネルでは整形にまつわる質問に答えるAtoZを採用したり、美容医療に関する最新の論文を解説したり、フォロワーからいただく質問に答えたりしている。ありがたいことに今は韓国内で美容医療のユーチューブチャンネルにおいてフォロワー数ナンバーワンになっている。そのうち日本の皆さんに向けて日本語で動画を作れるように勉強もしています!

WWD:日本でも整形口コミアプリが台頭しているが、ほかのアプリとどこが違う?

ホン:情報が錯乱している中で、とにかく信頼度が高い情報を届けることが全てだと思っている。それを実現するためにも、多角的に情報を提供している。ユーザーはほかのユーザーのレビューが見られるのはもちろん、そこにプロフェッショナルである医者がコメントしたり、彼らと会話ができるようにしたりしている。また、韓国語を話せない日本人にとっては、渡韓して施術を受けた日本人のレビューを読むことしかできなかった。自動翻訳機能をつけることにより、現地の韓国人のレビューや医者との会話ができるようになった。さらに韓国では施術をするときに、クリニックよりも医師で選ぶことが多い。医師によって仕上がりや技術が全く異なるので、医師ごとにレビューや施術の内容が見られるようになっている。

パク:また、ユーザーの2割ほどが男性。男性だけのレビューを見られるタブも作っている。

WWD:どのような施術が人気?

ホン:二重と鼻は男女ともに人気。また輪郭整形をはじめ、骨を切るような大がかりの整形は仕上がりだけでなくダウンタイムなどの体験談を参考にしたいと思う人が多い。

パク:最近はプチ整形も人気で、19年の頭はレビュー・投稿・問い合わせの件数がメスを使う整形とプチ整形が9:1ほどだったのに対し、年末には7:3になった。中でもボトックスやフィラーが人気。

WWD:アプリの収益化はどのように図っているのか?

ホン:ユーザーを送客してお金をもらうのは違法なので、バナー広告を含む広告費が大きい。

WWD:今後、どのようにアプリを成長・膨らませていきたい?

ホン:KPIなどは設定していない。“情報不均一問題”と呼んでいるが、整形に関する情報は整備されておらず、どの情報が的確かが分かりづらい。整形自体が難しい話でもあるのに、さらに情報のクオリティーがさまざまな今の状況は混乱を招きかねない。特に日本人は今まで日本語対応の一部のクリニックしかアクセスできなかった。本当は素晴らしいクリニックが多数あるのに、言語の壁で互いが出合うことができていない。そんな狭い世界で情報を得るのも大変だし、もったいない。そういう意味でも誰もが簡単に、正確な情報を入手できるようなアプリに成長させていくことが一番の目標。

パク:課題はアプリ立ち上げ当時と変わらない。一般の人にとって専門的な医療の知識を身につけるのは難しい。深い内容の情報をなるべく分かりやすく、簡単にアクセスできるようにすることが私たちの使命だ。

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