YUMEKOUBOU GALLERY(夢工房)は11月6日〜12月19日、アーティストのbaanai(バーナイ)の個展「THROUGH THE PAINTING OCEAN」を開催する。京都では初となる同氏の個展で、新作インスタレーション作品や平面作品を展示する。
baanaiは、1977年神奈川県藤沢市鵠沼で生まれ。同地を拠点に活動するアーティストだ。独学で制作を続けるなか、2015年に自身のポートフォリオを「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」の川久保玲に送り、作品が採用されたことを機に対外的な活動を本格化させた。以後、「コム デ ギャルソン」のコレクションを初め、洋服、ダイレクトメール、ショッピングバッグなどにアートワークが起用されているほか、「ニューエラ(NEW ERA)」「フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)」など多くのブランドとの協業を重ねてきた。また、17年ごろからは「ARIGATOUGOZAIMASU」という言葉を反復して描く制作を継続している。文字や色彩を何層にも重ねることで言葉は判読性を失い、抽象的な画面へと変容していく。
同氏は「私にとって京都は特別な場所です。いつか個展を開催したいという想いを長年抱いていました。その願いがこの度かたちとなります。京都は日本の文化や精神を体現しており、悠久の歴史が今も息づいています。開催場所は築150年を超える伝統的京町家。この場所だからこそ機能し得る“実験装置”の構想が生まれました。多層的な歴史と文化が時代を超えて交差するこの地で、鑑賞者にどのような意識変容をもたらすのか静かに見届けたいです」とコメントした。
絵画の中を歩く新作インスタレーション
本展の中心となるのは、baanaiが2017年ごろから日々描き続けてきた紙のペインティングを、作家自らの手で切り分け、内側を歩いて通り抜けられる構造体として組み上げた新作インスタレーションだ。壁に掛けて鑑賞する絵画から、人がその内部に入り、四方を囲まれる絵画へと発展させた作品で、このほか平面の新作も発表する。
構造体の内部は、天井や床、左右の壁面まで、5センチ角に切り分けたペインティングの断片で覆われている。作品に描かれた文字や幾層にも塗り重ねられた色彩が、内部を歩く鑑賞者を包み込む。baanaiは、天地左右を手描きの「ARIGATOUGOZAIMASU」に囲まれながら人が通り抜けることで何が起こるのかを問いかける。その変化は鑑賞者だけでなく、物や街、さらにはその先へと広がる可能性があるとし、この構造体を“実験装置”と位置付けている。会場となるYUMEKOUBOU GALLERYは、京都・祇園に位置する築150年以上の京町家を改装したギャラリーだ。baanaiはこの歴史ある町家の空間と向き合うなかで着想を得て、本作を構想。会場内部に構造体を組み上げた。
YUMEKOUBOU GALLERY(夢工房)の木山賢一代表は「私が初めてbaanaiさんの作品を拝見したのは、2021年のことでした。その後、アトリエに何度も伺い、制作やアートについて、さまざまなお話を聞かせていただきました。日々休むことなく『ARIGATOUGOZAIMASU』を描き続け、自らの表現と真摯に向き合う姿を見てまいりました。今回の個展に向けて、平面作品に加え、立体作品も制作してくださることとなりました。baanai さんの新しい挑戦を、京都の歴史ある町家でご紹介できることを大変嬉しく思います。baanai さんにとって京都で初めてとなる個展を、ぜひ多くの方にご覧いただければ幸いです」とコメントした。
◾️開催概要
会期:11月6日〜12月19日
開館時間:11:00〜17:00
休館日:日曜日
会場:YUMEKOUBOU GALLERY(夢工房)
住所:京都市東山区新門前通大和大路東入二丁目中之町 236
入場:無料
主催:YUMEKOUBOU GALLERY(夢工房)
特別協力:MAKI Gallery