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「コーチ」2027年春夏コレクション 創立85周年、時間と記憶が紡ぐ「愛着」を未来へ

「コーチ」2027年春夏コレクション
1941年の創立から85周年を迎えた「コーチ(COACH)」が、ニューヨークで2027年春夏コレクションを発表した。スチュアート・ヴィヴァース(Stuart Vevers)=クリエイティブ・ディレクターが今季描いたのは、ブランドの歴史を振り返るだけではなく、時間と共に深まる「愛着」を祝うコレクション。華やかな祝祭のムードに、使い込むほどに生まれる傷やシワ、色あせといった時間の痕跡を重ね、「コーチ」が85年にわたり育んできたオーセンティシティーを新たな時代へとつないでいく。「コーチ」にとって1つの節目となるランウエイショーを、最新バッグや会場を彩ったセレブリティと共に、その全貌を紹介する。

2027年春夏コレクションは
歴史を振り返るだけでなく、新たな時代を描く

「コーチ」2027年春夏コレクション
1941年の創立から85周年という大きな節目を迎えた「コーチ」。ニューヨークのダウンタウンで発表された2027年春夏コレクションでヴィヴァースが目を向けたのは、ブランドの歴史そのものではなく、長い時間を共に過ごしたものに宿る「記憶」と「愛着」だった。

「『コーチ』の 85 周年にあたり、私は“記憶”と長く親しんできたものが、共に時を重ねるなかでどのように変化して いくのかについて考えました。過去を振り返るコレクションにはしたくありませんでした。85 年という歴史があるからこそ、自信を持って新たな未来を描いていくことができるのです」とヴィヴァースは語る。

その言葉がデザインや素材、風合いへと息を吹き込むように、ルック1つ1つに体現されていく。ファーストルックを飾ったのは、細身のシルエットがクラシックなムードを漂わせるテーラリング。シャープなショルダーラインやすっきりとしたスリーブ、流れるようなパンツなど、端正なシルエットがコレクションの軸となっている。

一方で、その仕立てには意外性が潜む。本来なら服の内側に隠れる裏地や芯地をあえて露出させるインサイドアウトの手法を取り入れ、ライニングに使われる生地を表地として採用し、クラシックなテーラリングに新たな解釈を加えた。さらに今季、ヴィヴァースが着目したのが、長く使い続けることで生まれる色あせやシワ、傷といった時間の痕跡だ。レザーにはゴールドやシルバーの金属箔を手作業で擦り込んだ“ラブド レザー(LOVED LEATHER)”を用い、紙吹雪やグリッターなどを重ねることで、1点1点異なる風合いを生み出した。また、ビンテージのレザーウエアやデニムを再構築するなど、すでに時間を重ねてきた素材にも新たな価値を与えた。

記憶の風景を映した、
華やかなパーティームード

ショー後半には、空気がパーティームードへ変わる。モデルたちはレザーで仕立てた王冠やとんがり帽子、ギフトボックスを携えて登場。パーティーを象徴するユーモラスなモチーフを、ウエアと同じ手仕事で仕立てるという遊び心が光った。さらに、シルバーから淡いピンク、玉虫色へと移ろうスパンコールがクロップド丈のトップスからロングドレスまでを覆い、フローラルプリントのスーツやジョーゼットのドレスには、かすみのような花々が舞う。流れるようなバイアスカットのドレスや、シルク、サテンの艶やかな質感も相まって、ランウエイは一気に華やぎを増していった。

華やかな素材もただきらびやかに見せるだけではない。スパンコールには縫製後に製品染めとウォッシュ加工を施すことで、光沢や輪郭をあえて柔らかくした。どこか時間を経たようなニュアンスを加え、懐かしさを漂わせている。さらにメタリックフォイルや紙吹雪、グリッター、リボンといったパーティーを思わせる装飾も随所にちりばめた。ドレスアップの華やかさと、どこか手仕事の温もりを感じさせるディテールが混ざり合い、「コーチ」らしい遊び心のあるパーティースタイルへと仕上げている。

カラーパレットにはヴィヴァース自身の記憶に残るニューヨークの風景も反映した。彼が婚姻届を出した日のシティー・ホールの大理石や、歩道に散らばる紙吹雪から着想を得て、ダブグレーやソフトブラウン、ペリウィンクル、ミントなど、どこかあせたような色調で構成した。

傷やシワも個性に。
コーチが描く新作バッグ
“コラージュ タビー”“ターンロック トート”

2027年春夏の新作バッグ
今季のバッグでひときわ目を引いたのが、過去のディテールをコラージュした“タビー”だ。アイコンバッグの“タビー”をベースに、ビンテージのポーチやコインパース、ハングタグなどを組み合わせた。縫い留めた古いポーチのクリード(品質表示)には、「傷やシワこそが革の個性である」と刻んだ。

自由なスタイルを提唱するベストセラーの“ブルックリン”は、内ポケットが飛び出したインサイドアウトのデザインに。1970年代のアーカイブとボニー・カシンが生み出したターンロックに着想した新作“ターンロック トート”が登場するなど、「コーチ」を象徴するバッグにも新たな解釈が加えられた。

そもそも「コーチ」のレザーバッグの原点は、使い込まれた野球グローブのしなやかさから着想を得たグラブタン・レザーにある。傷やシワを隠すのではなく、使う人と過ごした時間によって変化していくことを受け入れる。そんなブランドの原点にある価値観と、自分らしい個性やパーソナルな価値を大切にするZ世代の感覚が時代を超えて重なり合った。

幾田りらや山中柔太朗ら
豪華ゲストがショーに集結

日本からは、グローバルアンバサダーである歌手の幾田りらをはじめ、アイドルの山中柔太朗、アーティストのKOHARU、俳優の福原遥が来場した。幾田は「グローバルアンバサダーを務めて1年。私がアーティストとしても自分自身としても持っている考えをいつも尊重してくれ、初めての経験だったシューティングやファッションウイークへの参加なども、とても楽しく臨めています」とコメント。ブラックを基調とした艶やかなレザー素材のアウターを身にまとい、ストリートなムードを漂わせていた。

山中はクラシックなジャケットスタイルにデニムを組み合わせた、ビンテージライクなブルックリンの雰囲気で登場した。KOHARUはポップなレッドカラーのスカジャンのユニホームスタイルで、シワ加工が施されたバッグ“タビー”に思いを馳せていた。福原はブラックレザーのスカートとブーツを合わせてモードな印象に。ホワイトのハーフジップトップスを合わせ、抜け感を演出している。それぞれがニューヨークスタイルを楽しむようなスタイリングを披露した。

85周年記念カクテルパーティー
「Coach Club 85」

ショーが終了すると、カーテンの向こうに“Coach Club 85”が出現した。ピンクの光と装飾に包まれ、音楽とダンスで人々がつながり合う、人間らしさを感じさせる空間へと誘った。

今季のコレクションに込めたメッセージは「Love Is the Message(愛こそがメッセージ)」。人の手によって丁寧に作られ、それをまた人が身にまとう。そこから生まれる物語は平坦なものではなく、晴れた日もあれば雨が続く日もある。その人生そのものを愛と捉えた「コーチ」のまなざしは、1人1人が重ねてきた時間へと向けられている。

TEXT : SAKI SHIBATA
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コーチ・カスタマーサービス・ジャパン
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