ファッション

「スケッチャーズ」世界が認める履きやすさの価値

「スケッチャーズ(SKECHERS)」のスニーカーが売れている。これは日本に限った話ではなく、世界規模での話だ。2025年世界スポーツブランド売り上げランキングでは第5位、フットウエアブランドに限れば世界第3位と、名だたる有名ブランド、メーカーを抑えその地位を確固たるものとしている(neri marketing、SGI INTERNATIONAL調べ)。TVCMでも多くの有名人を起用しその知名度は高い本ブランドだが、なぜそこまで売れているのか、そしてその機能やデザインはどのようなものなのかは、日本では意外なほど知られていないのもまた事実。そんな「スケッチャーズ」の魅力を徹底解剖するため、実際にそのデザインや履き心地を確かめるのは、2人のファッション業界人。プロの目から見て、スケッチャーズの一足はどのように映るのだろうか。スニーカーに合わせたコーディネートを組みながら、男女ともに支持される理由を探ってみた。

“スケッチャーズ ハンズフリー スリップインズ”
注目モデル

なぜこんなにも履きやすいのか?
構造から読み解く快適性

 「スケッチャーズ」のスリップインズシリーズは、モデルやデザインは多種多様ながら、その履きやすさや歩行時の快適性を保つために共通の機構を持っている。その機能性は何によるものなのか、改めて紹介する。多種多様なスニーカーが乱立する昨今のフットウエア業界の中で、何をどんな基準で選べばいいのか、決まっている人は多くはない。そんな中で、「スケッチャーズ」がその存在感を示している理由はこの機能性にも大きな一因が見られる。

Point1
高強度で柔軟なヒールパネル
高性能エンジニアリングエラストマーのHYTREL®を成型した「スケッチャーズ」独自のヒールパネル。強度と耐久性に優れ、耐衝撃性があるにも関わらず、プラスチックよりも柔軟性がある。足先を入れてもかかとを潰さず、しっかりとホールドしてくれるのが特徴。

Point 2
足にフィットするヒールピロー
枕のようなデザインのインヒール部分も、「スケッチャーズ」独自の設計。クッション性に優れており、かかと部分にしっかりフィットするため足首の擦れを起こさずに快適な歩行を約束。手が塞がった状態でも脱ぎ履きができる特性は、この2構造によって作られている。

Point 3
蒸れず疲れないインソール
クッション性と通気性に優れた低反発素材の、“Skechers Air-CooledMemory Foam™”コンフォートインソール。長時間の着用でも蒸れにくく疲れにくいため、快適さが持続する。毎日履くデイリーシューズとして、着脱性とともに重要な要素だ。

スケッチャーズを履く、
2人のファッション業界人

“スリップインズ”が持つ機能性とデザイン、ライフスタイルとの接続はどのようにあるべきなのか。現在、業界の第一線で活躍するプランナーの安武俊宏とスタイリストのこむらひかるに、その正直な意見を聞いてみた。

2人が語る、“スリップインズ”の
優位性とその着こなし

 ブランドへの印象について安武は「アイテムの幅は広くあるが、メインモデルのデザインは昔から大きく変わっていない印象。すごく普遍的で、継続して人気のあるプロダクトだと感じる」と述べる。トレンドドリブンではなく、安定した履きやすさにもつながる設計思想は「グローバル規模でマーケティングされているブランドという認識がある」と、マーケティング面からもその人気の理由を感じている。今回安武が着用したのは、先述の「ジョンディア」との協業モデル。アイコニックなグリーンとイエローの配色が特徴だ。普段は「背広散歩」でも知られるように革靴を中心とした着こなしの安武は「厚底タイプのスニーカー
はあまり履かないが」と前置きしながらも「極端に柔らかすぎない。クッションが適度なところで止まる感覚がある。革靴と比べるとその履き心地がよくわかる(笑)」と高評価。スタイリングにおいても明確なルールを持つ安武は「スニーカーを履くときは基本的にスラックス。デニムは合わせない」と語り、「全部をドレスにしてスニーカーだけで外すのではなく、どこかに柔らかい要素を残す」と説明する。「外しすぎると、足元だけ浮いてしまう。コーディネート全体で見た時に、大人のトンマナで合わせられるのがこのモデルの魅力」とスニーカーを単なる“外し”ではなく、全体の文脈で調和させるのに最適だという理解だ。
 一方、こむらは「スケッチャーズ」について「一般にTVCMの印象が強いが、知ってほしいのはその機能とバリエーション」と語る。実際の「足幅が広く合わない靴が多いが、今回選んだモデル(ディーライツ - スムース ノスタルジア)は、締め付け感がなくフィットした」というように、モデルごとに木型が異なり甲高な日本人の足型にフィットするものも多い。安武がコーディネートのルールを重視するのに対し、こむらのような「ほぼスニーカーしか履かない」なタイプはどう合わせるのか。デニムやスエットに加え、「ワンピースに合わせ、靴下とスニーカーの色味をあえて外し、遊ぶのも面白い」。
 靴の履き心地が、身体に与える影響は大きい。安武は「以前プチぎっくり腰のような状態になった際、靴によっては歩くたびに腰に響いた。毎日の脱ぎ履きですら苦痛だった」と振り返る。その流れで存在感を示すのが“スリップインズ”機能だ。手を使わずに着脱できる構造は、日常動線を大きく変える。「子どもを抱っこしたまま履ける」「玄関で屈まずに脱げる」といった声は、子育て世代にとっての具体的な利便性を物語る。こむらも「撮影現場での脱ぎ履きが楽」という。スタイリストのみならず、この恩恵を享受できる職種も多いだろう。
 グローバルでは売り上げ上位に位置する「スケッチャーズ」だが、日本では機能訴求の印象が先行している側面もある。こむらは「デザインバリエーションの多さを知らない人も多いのでは。メディアやSNSなどで可視化したものを見てほしい」と語り、安武は「セレクトショップ別注の可能性もある。カラーパターンでそのスタイルを提案しやすく、ファッション的な意味でまだ色がついていないこともプラスに働く」と考える。機能とデザインを両立させるブランドの強みを、いかにファッション文脈で翻訳するか。今後ますます広がる「スケッチャーズ」に注目してほしい。
PHOTOS:TOSHIYUKI TANAKA
問い合わせ先
スケッチャーズジャパン
0120-056-505