ファッション

3大時計ブランド、スイスの「オーデマ ピゲ」を知る

 1875年に誕生したスイスの時計ブランド「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」は、「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)」「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」と並び、“3大時計ブランド”と称されている。1972年に発表された代表モデルの“ロイヤル オーク(ROYAL OAK)”は、高級時計の素材は金とされていた時代に、ステンレススチールのラグジュアリー・スポーツ・ウオッチという新たな価値を創造した。八角形のベゼルや、ケースと一体化したブレスレット、ギヨシェ彫りで“タペストリー”模様を装飾したダイヤルはアイコニックであり、エポックメーキングだった。

複雑機構こそ「オーデマ ピゲ」の
アイデンティティー

  「オーデマ ピゲ」はスイス・ジュネーブの北にあるジュラ山脈に囲まれたジュウ渓谷で、ジュール・ルイ・オーデマ(Jules-Louis Audemars)とエドワール・オーギュスト・ピゲ(Edward-Auguste Piguet)によって誕生した。職人だった2人は1875年に工房を設立。今なお創業者一族(オーデマ家とピゲ家)によって経営される唯一の高級時計マニュファクチュールとして知られる。1882年から92年にかけての台帳には、製作した約1500本の時計のうち8割以上にコンプリケーション(複雑機構)が搭載されていたとの記録がある。創業から1975年までの100年間の時計の生産数は16万本(年平均わずか1600本)でエクスクルーシブなブランドとしての地位を確立し、現在でも年産4万本をキープしながら、ムーブメントは42種類(うちトゥールビヨン関連が31種類)と複雑時計の豊富なコレクションを持つ。

ブランドを代表する多様な“顔”

 1993年に発表した“ロイヤル オーク オフショア”はケース径が42mmと大きく、男性的かつパワフルでラージサイズウオッチというトレンドを作った。一方で2016年に発売した“ロイヤル オーク・フロステッドゴールド”は、レディスモデル40周年を記念したもので、ジュエリーデザイナーのキャロリーナ・ブッチ(Carolina Bucci)をコラボ相手に指名して、これまでにないエレガントなデザインを実現した。他にもオーバルシェイプのケースとオフセンターのダイヤルが特徴の“ミレネリー(MILLENARY)”など、「オーデマ ピゲ」は長らく男女の手元を彩っている。

全ての始まりである創業の地
ル・ブラッシュ

 「オーデマ ピゲ」の時計は全て、ジュウ渓谷の山あいにある小さな村、ル・ブラッシュで製作される。同地には今なお手つかずの自然が広がり、天然資源(森、水、鉄鉱石を含んだ岩)が豊富なことから時計産業が発展した。“複雑時計の揺り籠”とも呼ばれ、機械式時計の聖地となっている。厳しい冬の間に農民が手掛けた時計作りは、やがて場所をアトリエに変え、歯車やゼンマイなど精緻な専門部品の製作・組み立てを行うようになった。創業者エドワール=オーギュスト・ピゲのひ孫であるオリヴィエ・オーデマ(Olivier Audemars)取締役会副会長は、「オーデマ ピゲは単なる会社ではない。家族経営を続けることで独立性を保ち、創業の地ル・ブラッシュで、知識や技術を次世代へ伝える責任を負っている」と話す。「オーデマ ピゲ」は創業以来、ル・ブラッシュを離れることなく時計を作り続けている。

プロダクトチームの半分は女性で構成

 “To break the rules, you must first master them(型を極める。型を壊すために)”をブランド哲学に掲げる「オーデマ ピゲ」は、140年以上の歴史を持ちながら革新的であり続ける。例えば女性の登用。とかく時計は「男の世界」と言われるが、女性デザイナーとのコラボはもちろん、商品開発においてもチームの半分は女性だ。また顧客管理と修理にも自信を見せる。パーツは100年を超えるものまでモデルごとに管理され、万が一欠品してもパーツ作りのための工具の製作技術も継承されているため、どんなに古いモデルでも修理が可能だという。前述の台帳は修復部門でも、生きた資料として活用されている。そんな「オーデマ ピゲ」から2019年1月に重大発表があるという。3大時計ブランドの踏み出す次の一歩とは?ぜひ以下のボタンをクリックしてほしい。

問い合わせ先
オーデマ ピゲ ジャパン
03-6830-0000