ファッション

「進撃の巨人」「呪術廻戦」に「チェンソーマン」 大好評「マッパ エキスポ」をもっと楽しむ5つの裏話

アニメ制作会社のマッパ(MAPPA)が「マッパ エキスポ 15th アニバーサリー(MAPPA EXPO 15TH ANNIVERSARY)、以下マッパ エキスポ」を開催している。場所は東京・有楽町のユウラクチョウ ミュージアムで、会期は12月7日まで。

10周年の「マッパ ショーケース 10th アニバーサリー(MAPPA SHOWCASE 10TH ANNIVERSARY)」と比べると、規模・展示内容共にバージョンアップしている。マッパはこの5年で、「進撃の巨人」The Final Season(2020〜23年)やアニメ「呪術廻戦」(20年〜)、劇場版「チェンソーマン レゼ篇」(25年)と、数々のヒットを飛ばしてきた。会場では平日ながら異国語も飛び交っており、世界へと飛躍したこの5年間を物語っているようだった。

熱量の高いファンが多いマッパ制作のアニメ。この企画展のこぼれ話を知りたいと思う人も少なくないはず。そこで、本展の企画担当者と会場を歩きながら、見どころや裏話を教えてもらった。

その1:オープニング

チケットを渡していざ入場すると、ムービーが流れている。残念ながら撮影禁止エリアだが、無造作に積まれたブラウン管が、マッパ制作のアニメを流している様子をイメージしてほしい。思わず「マッパってこれもやっていたんだ……」と声を漏らしてしまう、圧巻のムービー。まだ序盤なのに、しばらく足を止めてしまう。ちなみに、動画を流しているのは本展に登場する23作品。ブラウン管は、マッパの立ち上げメンバーが触れてきた1990年代のアナログなカルチャーを表現しているそう。

その2:「さまざまな物語」エリア

オープニングに後ろ髪を引かれながらも、「さまざまな物語」エリアへ。ここでは、「進撃」「呪術廻戦」「チェンソーマン」を除く、20作品を紹介している。「進撃の巨人」や「呪術廻戦」、「チェンソーマン」が代表作になっている今のマッパだが、平成の名作(?)ギャグアニメ「てーきゅう」(2012〜17年)の初期を制作していたことはご存じだろうか。「バナナフィッシュ」に「賭ケグルイ」「劇場版 イナズマイレブン 新たなる英雄たちの序章」……。特に人気のタイトルを並べてみても、とても同じ制作会社が手掛けたとは思えない作品の振れ幅である。

これを読んだ人にはぜひ、長編アニメーション映画「この世界の片隅に」のブースで足を止めてもらいたい。なぜこの作品が重要なのか。それは、マッパは、創設者の丸山正雄会長が片渕須直監督の「この世界の片隅に」をなんとか世に送り出すために設立した会社だから。マッパの原点を追い求めれば、いずれは「この世界の片隅に」に行き着く。

アニメ好きでなくとも、映画好きな読者の中には同作を耳にしたことがある人がいるかもしれない。「この世界の片隅に」は超ロングランの映画として知られ、茨城の土浦セントラルシネマズでは2017年2月18日から上映し、長尺版「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は19年12月20日から21年11月5日まで上映していた。ちなみに、本展のアンバサダーには、同作で北條すず役を務めた俳優ののんが就任した。

各ブースの展示内容は、線画や背景といった定番から、各作品に登場するアイテムまで。「バナナフィッシュ」であればアッシュ・リンクスに宛てた手紙や航空券、「賭ケグルイ」であれば皇伊月の生爪コレクションが展示されている。というのも、リアリティーのある絵にアニメーションらしい演出をかけるのがマッパの強み。本展のキャッチコピーを「物語のすぐそばへ。」にしたとおり、リアリティーの追求に余念がない。例えば「地獄楽」の2期のオープニング冒頭で登場する花は、実際にフローリストに造花を作ってもらい、それを撮り下ろした写真にアニメーション処理を加えていた。

その3:「進撃の巨人」The Final Season エリア

お待ちかねの人も多いであろう「進撃の巨人」のエリア。かなり人がたまっている。照明が落ち、地鳴らし(物語のカギとなる、とある作戦)の効果音が轟いている。さきほどの明るい作品紹介エリアとは違い、作品の世界観に入り込める。

このエリアで展示している原画は、生原画だからこそ動き出しそうなほど勢いがある。数あるシーンから、ファンが喜びそうなものをピックアップしたそう。絵コンテに書いてある「ドシュッ!」「プシュッ」などの効果音は、筆の勢いが音の鋭さを再現している。特に、サシャがロブスターの美味しさに卒倒しそうになるシーンの絵コンテは、少し遠くから見ても「あ、あのシーンね」と分かる大胆な筆致。

そんなお宝の山の上には、さまざまな一場面が吊るされている。実はこれ、「ファンに人気のシーン」でも「アニメーターのお気に入りのシーン」でもないらしい。テレビ放送における各話のエンドカード(本編が終わった後、エンディングの前後に表示されるカット)だ。(つまり、観る人によっては「名シーン」ではあるのだが……)。これに気付けた人はいるだろうか。

ずっと流れていた音の出どころをたどると、「地ならし」を再現したブースに行き着く。足音の効果音はアニメで用いられたもので、終尾の巨人の迫力を底上げしている。ちなみに、終尾の巨人の下を歩く巨人の表情や体格は一様ではない。企画担当者によると6種類ほどあるといい、それがまた妙なリアル感を生んでいる。撮影スポットのためタイミングをうかがいながらになるが、ぜひ近くに寄ってみてほしい。

その4:アニメ「呪術廻戦」エリア

続く「呪術廻戦」は、一度観ればお気に入りのキャラクターが見つかるくらい、各キャラクターの個性が強い。そのキャラクター性がにじみ出るのが「術式」や「領域展開」であり、それらが発揮されるバトルシーンが名シーンになることが多い。ということで、原画や絵コンテは、バトルシーンごとに紹介している。

設定資料は細かいところまで要チェック。例えば1期21話の野球服の禪院真希のポニーテールは、キャップやヘルメットなど被るアイテムごとに位置が変わっている。「劇場版 呪術廻戦0」で狗巻棘が使用していたノドナオールも「ガラスびんなのに、あんなに投げていたんだ……」と軽く驚く。それにしても、絵コンテや設定資料に書いてある字がとてもきれい。

1期のオープニングを見て、アニメ「呪術廻戦」の成功を確信した人も少なくないだろう。Eveの「廻廻奇譚」が流れ始めると同時に、ゆっくりと目を開ける主人公の虎杖悠仁。彼は、足元に水が溜まっている、不思議な車両に座っている。このブースでは、そんなワンシーンを再現した。関東エリアのJR線のような雰囲気で、座席は座り心地がよさそう。そこに座る虎杖は等身大サイズで、これまでの壮絶な人生を回想するかのように映像が流れている。

「とある一室」とだけ紹介されているが、ファンならピンとくるあの部屋。釘崎野薔薇が「ちょっとその椅子高いやつでしょ」と言っていたあの椅子がある部屋。そう、2期のオープニングや29話で五条悟が寝ていた部屋が、「呪術廻戦」エリアを締めくくる。椅子は釘崎の発言通り高級感があり、本棚にある本(タイトルはギリギリ読めない)も本編通り重厚感がある。写真を撮れば、カメラロールにあの日のあの一室が広がる。

その5:劇場版「チェンソーマン レゼ篇」エリア

ここまで見てきた「進撃の巨人」と「呪術廻戦」はテレビシリーズがメインだったが、「チェンソーマン」は「劇場版 レゼ篇」のみ。約1時間40分のストーリーを丁寧に追体験する。

まず目に飛び込んでくるのが、主人公のデンジとレゼが出会う電話ボックス。これがかなり凝っている。使用感のある電話帳だったり、タバコの吸い殻が入ったコーヒー缶だったり、小物がリアルな風合いを帯びている。それらを照らす光も、蛍光灯なのか少し青みがかっている。ちょっと懐かしい仕上がりが、2人の出会いが過去のように思えて辛い。流れている本編で使われたBGMが、さらに辛さを増幅させる。

お次はデンジとマキマが映画デートするシーン。ここでは絵コンテを楽しみたい。映画館の前でマキマと合流し、テンションが上がるデンジを、絵コンテでは「ギャルデンジ」と表現している。「かわいい!!」のセリフは、その文字の大きさがそのままデンジの気持ちの大きさを表しているよう。一連の絵コンテに記されたスタッフ同士のやり取りにも思わず口角が上がる。

その後は、SNSでも話題になった「早川家の間取り」に目が釘付けになる。「パワーはこのトイレを流さなかったんだ」「若くして東京でこの間取りはすごいなあ」など、間取り図1枚にさまざまな思いを巡らしてしまう。その横には、主題歌「IRIS OUT」(米津玄師)に合わせて踊るレゼの動画も。通称“レゼダンス”と呼ばれる約17秒の動画を作るために、マッパは156枚ものイラストを描いたらしい。

2人の思い出の場所であるカフェ「二道」を通り過ぎ、お祭りのデートシーンに。頭上の展示物は、2人が遊んだシャボン玉をイメージした。その後、「デンジ君、私の他に好きな人いるでしょ」「デンジ君の心臓、貰うね?」と、物語が転調するレゼのセリフと共に、展示内容はバトルシーンへ。この辺りから、BGMもアップテンポになる。バトルシーンの展示の先にある「等身大ボム(レゼ)」は、思わず「この細さで、あんなバトルを……」とつぶやいてしまうスタイルの良さ。割と近くまで寄ることができ、細かいディテールまで見られる。

最後のブースでは、レゼがデンジの待つ「二道」へ向かうシーンを再現した。まるでレゼが歩いた路地裏かのように、展示スペースはやや狭い。向かう先は「二道」のソファーに座るデンジの後ろ姿のパネルで、その左下には本編で彼が抱えているガーベラの花束が置かれている。しかし、このブースに飾られているイラスト(風景画)には、レゼの姿はない。この意味を、映画を見た人ならきっと分かってくれるはずだ。

■マッパ エキスポ 15th アニバーサリー
日程:9月16日〜12月7日
時間:10:00〜18:00(最終入場17:00)
定休日:10月26、27日
場所:ユウラクチョウ ミュージアム(YURAKUCHO MUSEUM)
住所:東京都千代田区丸の内3丁目5番1号 東京国際フォーラム地下1階
>チケット申し込みフォーム

© 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト ©藤本タツキ/集英社 ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season 製作委員会 ©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会 © 2021 「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 ©芥見下々/集英社 ©小玉ユキ・小学館/「坂道のアポロン」製作委員会 ©ルーツ / Piyo / アース・スター エンターテイメント / 亀井戸高校テニス部 ©残響のテロル製作委員会 ©はせつ町民会/ユーリ!!! on ICE 製作委員会 © 2019 こうの史代・コアミックス / 「この世界の片隅に」製作委員会 ©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ」製作委員会 ©吉田秋生・小学館/Project BANANA FISH ©ゾンビランドサガ製作委員会 ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 ©江口連・オーバーラップ/MAPPA/とんでもスキル ©幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ SEASON 2 製作委員会 ©賀来ゆうじ/集英社・ツインエンジン・MAPPA ©新見伏製鐵保存会 © 「ぶっちぎり?!」製作委員会 ©みかわ絵子/集英社・KADOKAWA・MAPPA ©高橋留美子・小学館/「らんま 1/2」製作委員会 ©LEVEL5 Inc. ©全修。/MAPPA ©池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会 ©2024 The Cartoon Network, Inc. All Rights Reserved

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2027年春夏ミラノコレ詳報 「グッチ」や「プラダ」に見るブランドコードの磨き方

「WWDJAPAN」10月12日発売号は、2027年春夏ミラノ・コレクション特集です。有力ブランドの最新コレクションを豊富なルック写真とともに分析。デザイナーへのインタビューや海外バイヤー評を交えながら、今シーズンのミラノを多角的に読み解きます。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。