ファッション

進化するクラシック ボストンに愛される「’47」の全て

MLBをはじめ、アメリカの4大プロスポーツリーグや900校以上の大学などとパートナー提携を結ぶ「’47(フォーティセブン)」。双子のアーサー&ヘンリー・ディアンジェロが1947年に創業し、現在もボストン・レッドソックスの球場内にショップを設けるなど、同チームと深い関わりを持つ。「‘47」の前身となる「ツインズ エンタープライズ」を設立してから、現在はスポーツとライフスタイルを融合させたブランドに成長し、アメリカの4大プロスポーツリーグに加え、900校以上の大学とパートナー提携を結ぶ。このように、ボストンの街とともに成長してきた「’47」のモノづくりやアイデンティティーなどを紹介する。

ボストンの街とともに成長してきた「’47」

1947年にフェンウェイパーク付近の路上で新聞や花を売ることから始まった「’47」は、創業者がトルーマン大統領時代に重要な文書を運ぶフリーダムトレインで古物販売を行った時、アメリカ国旗がプリントしたアイテムの人気ぶりから着想し、レッドソックスのロゴ入りピンやペナント販売を行ったことがスポーツライセンスビジネスの始まりだ。80年には、レッドソックス以外の球団の目に留まったことで全米の球場を巡り、オリジナル商品の販売をスタートさせた。以降、「’47」は成長を続け、現在は世界35カ国でキャップやアパレルの販売を行っている。

重要視する四つの“質”で
さらなる海外展開を進める

「’47」がライセンスビジネスを拡大する中で最も重視しているのは“質”だ。四つの“質”があり、一つ目は商品の質、二つ目にブランドへの愛。三つ目が「’47」の持つパートナーシップ、四つ目がサービスの質。「’47」は商品だけでなくサービスも重視しており、常に高いクオリティでのサービスを心掛けている。ファミリーで愛用されるブランドだからこそ、商品の質に加えて、幅広い価格帯を設定している。世界で最高品質の商品を提供するためにスタッフ全員が一丸となって一生懸命に働くことを“ハードワーク”と呼んでいて、この“ハードワーク”で勝利を掴むことができると考えている。

現在、アメリカでの認知は高いものの、次のステップはさらなる海外展開するためにブランディングをグローバルに強化すること。そのための成長スピードが課題と考える。世界中での「’47」の需要の高まりとファンの期待に応えるためのアプローチが急務だという。2025年には多くの新しい商品が日本のファンに届けられるだろう。

「’47」の代名詞 “クリーンナップ”誕生の
背景と他モデルの進化

1990年代、「ゲームハット」のバイザーを曲げたり、バッカラムを外したり、自分でカスタマイズした被り方が若者のトレンドだった。販売店からの要望で最初からビンテージ感のあるキャップを作り始めたことが「’47」の代名詞である“クリーンナップ”誕生のきっかけだ。綿ツイルを使用することで頭に馴染みやすく、経年変化も楽しめるキャップを作ろうと考えた。発売後は「’47」の一番人気モデルとなったが、2016年に“ダッドキャップ”が大きなトレンドになり、“クリーンナップ”の認知が拡大し、ファッション感度の高い女性も着用し始めた。20年に始まったパンデミックで多くのセレブリティが休日に「’47」を被っていたこともブランドの成長を後押しした。1つの転機と言っていいだろう。以降、世界的にアパレルブランドとの取引が増えていったように、毎シーズン顧客ニーズの把握を徹底し、素材やロゴ、パッチなどの組み合わせを変えることで、各々のパーソナリティに合うようなものづくりを徹底している。

ボストンとファンと「’47」

1947年の設立以来、ボストンの街と共に成長を続けてきた「’47」の愛用者は、老若男女、実にさまざま。ブランドが大切にしている“ファンとの信頼”を築けたのは、ボストンという都市にも理由があるはず。ボストンの街をあちこち巡りながら、その一端を考えてみよう!

PHOTOS:ATSUSHI KATSURAGI
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