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いつでも、どこでも、「スープストック」の“フリーズドライ”と香り豊かなホップを使った “瓶のビール” オンライン試食会で触れる開発の思いと企業姿勢

 「スープストック トーキョー(SOUP STOCK TOKYO以下、スープストック)」から、“フリーズドライ”と“瓶のビール(酵母のピルスナー)”が登場した。自宅の冷凍室に「スープストック」のスープが入っているという人も多いだろう。こだわりの食材と製法でスープをメーンディッシュにした「スープストック」。そこからフリーズドライのスープが登場とは、ちょっと驚いた。同時期に、“瓶のビール”も発売ということで、オンライン試食会に参加した。

 「スープストック」が試食会をオンラインにした理由は、「コロナが回復に向かいつつも、試食が含まれるため安全性を考慮した」ため。試食会前に、新作の“フリーズドライ”と“瓶のビール”のサンプルが「スープストック」のギフトボックスに入って届いた。

 スープは、“オニオンスープ”“魚介のチャウダー”“とうもろこしとさつま芋のポタージュ”“5種の野菜のミネストローネ”の4種類。カラフルなイラストのパッケージ入りで、中には2つのブロックが入っている。オンライン試食会では、“瓶のビール”を冷蔵庫から出し、“オニオンスープ”にお湯を注いで臨んだ。

“スープ・フォー・オール”を目指して

 試食会は、「スープストック」を運営するスマイルズについての説明からスタート。同社は2000年に創業。飲食業ではレストランの「100本のスプーン」やお弁当屋「刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り」など、アパレルでは、ネクタイブランドの「ジラフ(GIRAFF)」の運営のほか、コンサルティング業務などを行なっている。「スープストック」は16年に別会社として分社化された。

 「スープストック」では、“スープ・フォー・オール”を目指し、0〜100歳のあらゆる人へのスープの提供を目指している。離乳食をはじめ、ベジタリアンやグルテンフリー、嚥下食(咀嚼配慮食)までさまざまだ。その一環として“いつでも、どこでも”食べられる“フリーズドライ”を開発。2つのブロックにした理由は、素材の風味を出すためだ。“オニオンスープ”は、ローストした玉ねぎの食感が感じられるリッチな味わい。どのスープも、2ブロックとたっぷりで、素材の食感とうまみが凝縮されている。各パッケージは風景画とポエムが添えられてあり、スープを用意する間にひと息ついてほしいという思いが込められている。

 価格は1個税込320~360円と、フリーズドライスープにしては高めだが、ちょっとしたプチギフトにぴったり。コーヒー1杯の感覚でこだわりのスープが気軽に楽しめる。「スープストック」の1部店舗とオンラインで販売中だ。

グラスに注がれるまで進化し続ける“瓶のビール”

 “瓶のビール”は、食事に寄り添えるビールを目指して開発。パートナー企業を探して、無濾過ビールにこだわった。ホップを使用して伝統的な製法“ドライ・ホッピング”で醸造。ビールの味を左右する水も源泉水にこだわり、黄金色のビールが完成した。醸造家は、静岡県・修善寺のベアード・ブルーイングで、代表のブライアン・ベアード(Brian Baird)は、「このビールは伝統的なドイツスタイルのピルスナー。ソフトで優しいホップのアロマが特徴。無濾過、瓶内二字発酵、熟成、自然発泡なので、グラスに注がれるまで進化している」とコメント。ラベルには、里山の動物が描かれている。

 価格は680円。「スープストック」全店(店内提供のみ。家で食べるスープストックトーキョーは除く)で販売している。

“おいしい”の持続可能性&食のバリアフリー

 オンライン試食会では、松尾琴美「スープストック」バイヤーが登場。「スープストック」の、“もったいない”をなくす活動も紹介された。千葉で梨のB品がたくさん出ていると聞き、とあるスープで使用していた冬瓜を梨に置き換え、新たなスープをつくるといった取り組みが行われているという。世の中の困りごとをビジネスに取り入れて消費者とつなぐ活動は、スマイルズならではだ。定期的に各社のデッドストックや正規販売できない商品を集めて販売する「バスザバトン マーケット」でも同様の取り組みが行われている。

 ここでちょっと、「スープストック」がさりげなく行なっている“食のバリアフリー”活動にも触れたい。先述した嚥下食および必要なカトラリーの提供を「スープストック」立川店で行っている(期間限定)。これは、心理カウンセラーである加藤さくらさんから、嚥下障害のある子どもと「スープストック」で食事ができたらという話があり、社内で検討を重ねて実現。「スープストック」では、「スープは、年齢、性別、国籍を超える存在。だから、”たった一人“が大切で見放せない。”食“という生活の楽しみの小さくて大きい壁を一つずつ取り除いていければ」とコメントしている。障害というとマイナスイメージが強く、他人ごとになりがち。それを、対話をしながら少しずつできることから実現する企業努力に共感せざるを得ない。

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